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コラム

「メンバー」という変な言い方も、「容疑者」というマスコミ用語もやめたら。

刑事事件

2018年4月28日 / 2018年4月29日更新

「メンバー」と言う違和感


 山口達也氏の強制わいせつ事件で、山口氏の肩書きを「メンバー」として「山口メンバー」という表現で報道がされています。
 この「メンバー」という職業なのか肩書きなのかよく分からないものには違和感があります。


 山口氏の所属するジャニーズ事務所に過去に所属していた芸能人が、公務執行妨害事件や公然わいせつ事件を起こした際にも、「メンバー」という言い方がされていました。
 他に「メンバー」というこのような使われ方が事件報道でマスコミに用いられたのは覚えがありません。

 この「メンバー」という言い方について、言い訳を述べている記事も散見しますが、
今ひとつスッキリ理解できません。


 書類送検だからつまり逮捕されていないから、という言い訳もあるようです。
 ただ、上記の公務執行妨害事件や公然わいせつ事件は現行犯逮捕されていたと思います。


 書類送検だと通常は実名報道しないからという言い訳もマスコミの側にあるようです。
 また、書類送検だと「容疑者」という言い方はしないというマスコミの用語の説明も見掛けました。

 私は、「容疑者」というマスコミの造語は、偏見に満ちた「被疑者」の言い換えだと思っていました。
 しかし、「容疑者」は逮捕された場合の言い方だというのであれば、今後はその用語の使い方に注意をしたいです。


 「メンバー」というのは、何のメンバーかというと所属するアイドルグループないしバンドのTOKIOのメンバーということなのでしょう。
 しかし、今回の事件は、TOKIOというグループには直接関係のない事件です。被害者と知り合った仕事は、TOKIOとしても仕事ではないでしょう。
 そうであれば、グループに関係ないのに「メンバー」と言うのは繋がらないように思えます。
 「メンバー」あるいは「バンドメンバー」を職業だと言うのも違和感があります。職業として言うなら「芸能人」「歌手」「タレント」「アイドル」と表現するのが自然で、何かの構成員を意味するだけの「メンバー」というのは不自然な表現です。

 不自然な「メンバー」を使う背景には、マスコミの日常的な犯人視報道・犯人扱い、犯人であればぞんざいに扱って良いという意識の裏返しで、山口氏の芸能人としての価値やTOKIOの価値を傷つけたり、番組の打ち切り等につながったり、所属事務所の経営者の不興を買うことのないように、犯人扱いしないという過剰な配慮が「メンバー」という表現を生んだように思います。


「容疑者」もおかしな用語


 警察などの捜査機関に、犯罪を犯したと「疑われている者」という意味の法律用語として、「被疑者」があります。
 「被疑者」というのは、単に警察等が疑っている「だけ」の話ですから、真実として犯罪を犯したかどうかとは関係ありません。合理的な根拠無く警察が疑っている場合もありますし、でっち上げような場合もありえます。

 しかし、「容疑者」というのは、疑いを容れる者、疑いを容認できる者というニュアンスです。

 「容疑者」というのは、あくまで捜査機関が疑いをもっている段階に過ぎません。
 そのような段階で、「容疑者」という呼称を用いるのは、警察の判断が正しいわけではないし、犯罪を犯したかどうかを決めるのは警察でもマスコミでもないわけですから、適切ではありません。

 被疑者を呼び捨てにして報道していた数十年前に、「人権保護」の観点から「容疑者」が使われ出しそうです。
 ただ、マスコミの認識や報道内容が適切になったようには思えません。

「さん」とか「氏」でいいでしょう

 刑事事件の被疑者や被告人に、特殊な呼称を付けようとしているから「容疑者」のような造語が必要になり、
忖度しないとならない事情があると、「メンバー」のような言い方をして、マスコミの欺瞞が露わになるのでしょう。

 仮に、実際に犯罪を犯した人であっても、マスコミから乱暴に扱われてよいことにはなりません。
 犯罪行為や態度等については厳しく非難されるとしても、個人としては敬意をもって扱われるべきです。
 今回の山口達也氏の件に限ったことではなく、今後は、「山口さん」とか「山口氏」という言い方でいいのではないかと思います。


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