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コラム

必読!特に教育者・中学生・高校生・大学生・保護者の方へ!人物試験対策のプロによる進路選択のアドバイス!

2022年11月22日

テーマ:進路選択

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

~心理学の最初の講義で教授が言った言葉~

 もう50年近くも前のことですが、大学に入学して最初の心理学の授業で、私は終生忘れることができない大切なことを学びました。

 教授は黒板に大きな文字で『異常』と書いて、こう言いました。

 「皆さんは、自分が正常か異常か、どちらだと思いますか。」

 当然、自分は正常だと、全員が思っていたと思います。しかし、教授はこう続けました。

 人間にも、動物と同じ、テリトリー・・・、つまり精神領野という自分だけの空間があります。
 サバンナに暮す自然界のライオンを見つけて、徐々に近づいて行ったとします。すると、最初の境界線を越えた瞬間に、居眠りをしていたライオンが耳や鼻をピクリと動かし、誰かが境界線内に入ってきたことに気づきます。そして、更に近づいていくと、目を開き、こちらの動きに意識を向けます。それでも近づいていくと、次の境界線を越えたとき、警戒態勢を取ります。そして、次の境界線を越えると、警戒を示す唸り声を上げてそれ以上近づくなと警告し、それでも近づいていくと、結局は家族を守るために、牙を剥いて飛び掛かってきます。
 どんな動物も、自己保身の本能によって、テリトリーを守ろうとするものです。
 ところが、現代の、都会生活者である私や皆さんは、このテリトリーが、全く守られない状況下で生活しています。
 自分のテリトリーに、前触れも無く突然に電話やメールがやってくる。満員電車では、初対面の他人に無理やり身体を押し付けられ、匂いや時には汗までも、触れてしまいます。そういう過密な集団行動の場では、互いに自分のやりたいことを我慢し、できるだけ周囲の人に不快感を与えないようにと気配りをしますが、それは、とてもとても緊張し、疲れることです。
 だから、都会生活者の多くは、朝の通勤・通学ラッシュを経て職場や学校に到着した時は、ぐったりしていて、何かを始める気力が出て来なかったとしても、無理からぬ状況だと考えましょう。
 この話を通して教授が話したのは、現代社会に生きる我々は、少なくとも、人間という動物本来の自然な状態――つまり、正常とは程遠い、異常な状態にある、と言えるのだ、ということでした。

 そして、こう続けました。

 他人を見て、自分と違うから異常だと思うことこそ、あらゆる諍いの根本原因であり、現代人が陥りやすい問題なのです、と。
 正常ではないと思える人を見たら、こう考えて欲しい、と教授は続けました。
 正常では居られない状況に置かれている人なんだ、と。そして、こう定義を説明したのです。
 『異常』とは、『正常』では居られない状況を抱えているために、何らかの異常を来している状態にあることを意味する――と。
 だから、誰かを見て「おかしい」と思ったときは、その人がおかしい人だと決めつけるのではなくて、その人は、もしかすると自分から見て異常だと思えるような状況にならざるを得ない何かの要因を抱えているのかもしれない、と思って下さい、と。

 さらに、こう続けます。

 もしかすると、「おかしい」と思っている自分の判断基準の方が、狂っているのかも知れないということを、忘れないで欲しい。なぜなら、あなた自身が、現代社会に生きて、とても正常では居られない様々な要因を抱えているのだから、と―――。


 教育の世界では、ラベリングをすることがどれほど危険なことであるか、を教えられていると思いますが、私にとっては、この教授の第1回目の講義が、生活も対人関係も、家族のきずなも、全てを揺さぶられ、大きな衝撃をもって、新たな視点から捉え直し始めるきっかけになりました。

 そして、この講義の後に、子どもが主役という観点の教育思想を学んだ時に、我が国の、昭和3~40年代に小中高と生徒であった私には、まともな教員がどれほど少なかったかを気づかされました。

 教育には不易と流行という言葉があり、変わってはならないことと変えていかなければならないこととがある、と教えられているにも関わらず、児童生徒を主役として、どのような状況を抱えているのか、と捉え直すことができない大人が多過ぎる――。

 児童生徒の反応が、ことごとく、周囲の大人との鏡像関係の中で顕れていると考えることができない大人が、自分の思い通りに子どもを躾ようとし、子どもの願いや思いや、あるべき間違いに対して、許容せず、未熟な年齢期である児童生徒に大人と同じような価値判断を求めてしまう――、という関わり方をするならば、それこそ、そのようにラベリングされ、意思決定を阻害され、欲求や昇華を阻まれ続けて狂っていく児童生徒への責任を、果たして、誰がとるのだ、という強い憤りを禁じ得なくなりました。

 私は、中学2年次から高校卒業まで、教員による過激な虐待を受けました。それが原因となって、強い対人恐怖症、広場恐怖症、先端恐怖症などなどを抱えるようになり、誰かと向き合って座ると手が震えて話せなくなるという少年期青年期を過ごしました。
 
 そのような自分を変えたくて、経済学部生なのに、心理学に没頭し、大脳生理学や神経生理学まで読み、情動と認識と意識と理知的思考との関係について、何百回、何千回と様々なシミュレーションをし、どうするべきかを悩み続けました。

 大学を卒業する頃には、教育関係の会社で働くようになったおかげで、意識と無意識と表現の関係や、自身の外部からの情報と内部から発生する情報とが、脳内でどのように繋がり、どのように再構築された認識を生み出すのか、といったことに注目するようになり、論文指導において、文面への添削指導ではなく、その文章を生み出した学習者の抱えているものがどのように影響しているかを掘り下げて改善するアドバイスをするようになりました。

 その結果が、某国立大学で2年連続、教員採用試験受験者の1次通過者全員が、第一志望自治体・校種・教科で合格するという驚くべき成果でした。実際には、NPOや幼児教育への中途方向転換をした方も含めると、合格率は120%を超えていました。

 大学受験が基礎力からの積み上げであることは、大学受験者の支援をする仕事をしている方は皆、知っていると思います。
 だから、中学卒業までに、人生で習得するべき基礎学力は、ほぼ全分野必要なだけ学んでいるはずなのです。
 私は、中学3年の途中から高校卒業まで不登校をしましたが、中学卒業時の実力テストでは全教科満点でしたし、高校3年時の大学入試模試では、関東地区の偏差値70以上の大学で合格率は88%以上の判定でした。
 基礎力は、裏切りません。しかしそれは学校の授業で習得しなければならない訳ではありません。

 とはいっても、学校生活でなければ経験できないことが多数あるのが日本の学校です。遠足、運動会、文化祭、修学旅行、社会見学、クラスメートとの関わりや様々な関わり、委員会の体験、登下校時の小さな経験の積み重ねなどなど――。集団生活の中で培うことのできる能力も多数あります。20年以上のベテラン教員は、口を揃えて、授業に使うエネルギーは多くて6%程度だと言います。教員の仕事は、それ以外の部分にある、というのです。

 人は皆、自分の知見にもとづいて判断します。決断しなくてはならないという自覚のある時はなおさら、自分の経験や知識を総動員して、全力でより良い判断を下そうとします。

 しかし、その判断の対象が、自分のことではなく、他者のことである場合、往々にして、その判断は、間違ったものに辿り着きます。なぜなら、人は皆置かれている状況や抱えている事情が異なるからです。同じ学年の同じ学校の生徒だから皆同じだと思う教師が居たら、その方は、一から勉強しなおした方が良いと思います。72億人のうちのひとり――人は、誰もが、72憶分の一です。

 だから、カウンセリングやコンサルタント、コーチングを行うときは、相手の事情をできるだけ詳しく教えてもらい、できるだけ相手の立場に立って考えてみる必要があります。それでも、ほんの一時、真剣に考えたくらいで、相手の判断の理由や事情が100%分かるということは、あり得ません。

 素晴らしい教育者は、自分をしっかり持つこと以上に、自分をかなぐり捨てて、相手の立場に立って、せめて、相手の気持ちや考えをできるだけすべて理解しようと努めて、改善をする方法を一緒に模索することができる人だと、私は考えます。

 そのため、カウンセリングやコーチングを行うには、常に勉強し、自分の持っている情報、知識を塗り替え続ける必要があります。そして、どんな場合でも、人生は72億人の72億通りあるという前提で考えるべきです。

 マニュアルやセオリーというものがあります。確かに、自動車教習所やノウハウを教えてくれる教室は、あらゆるところ、あらゆる分野にあります。だから、どの世界でも、そのマニュアルやセオリ―通りにやらなければ駄目だと言われる方も多いと思います。まず、その基本をしっかりやった上でのオリジナリティだろう、と――。しかし、本来、マニュアルやセオリーと呼ばれるものは、エキスパートシステムと呼ばれるものでした。その道の最先端、TOPのエキスパートにしか無いノウハウをできるだけ多くの人が共有するために生み出されるものです。そういうノウハウを生み出せるエキスパートは、決して多くはありません。

 先進的な活動、開拓者としての道を歩む人は極めて少ないのです。

 私は一時期、柔道にはまったことがあります。基礎練習は単調で、痛くて、しんどくて、思い切りも必要で、本当に嫌な時間が続きましたが、やっていくうちに、自分の体が色々な動きを覚えていくのが分かりました。そうして、得意技が身に付き始めると、誰にも負けない自分が出来上がっていき、柔道の乱取りや試合は楽しくて仕方ない時間になっていきました。しかし、ある大会で、15本連続1本勝ちで気持ちよく16人目を迎えたとき、その相手は、袖口を掴んでひたすらグルグルと逃げ回り、指導を受けても逃げ続けた結果、私の方が脚がもつれて倒れ、結局負けました。

 セオリーではなく、必死のオリジナル、自分にしかできない挑戦が功を奏することもあるのだと思い知らされた瞬間でした。

 自分が「自分を生きる」という姿勢こそ、何よりも大切です。

 そして、どんな相手であっても、家族でも、それぞれの考え方や抱えている事情の違い、置かれている状況の違いがあること、ましてや話をする瞬間には、何を感じ、どのような心境であるかは、決して、自分の基準では推し量れないものがあります。

 だから、最終的には、本人の判断を尊重するしかありませんし、本人の進もうとする方向ですべてが良い結果になるように応援や協力をするしかありません。

 しかし、考えてみて下さい。我が国と同時にバブル崩壊したフィンランドが、僅か3年余りで世界最高の経済成長を成し遂げ、バブル崩壊のダメージから脱出することができたのは、官学民のスペシャリストで構成された組織が、全国を歩き回って、イノベーションの種や案を持っている人を探し続け、その中から技術と資金をつぎ込めば成功しそうなものに、全力で国を挙げて力を注いだ結果、携帯電話ノキアの世界標準確立という快挙を成し遂げることができたのだそうです。そして、これに関わった企業や人々は、今も、『ノキアン』と呼ばれ、ヨーロッパでは真のヒーローのような憧れの対象になっているそうです。

 橋本内閣の時に作られたベンチャー支援法は、理系文系、技術系かどうかに関わらず、新規性のあるものは、すべて支援法の対象とすると冒頭に明記されているにも関わらず、そして、当時の通産省新規事業課で間違いなく県下最高のベンチャーだと支援していただき、複数のマネジメント、コンサル企業の指導者から、間違いなく将来500億企業へと成長できると背中を推して頂いていたにも関わらず、私の会社に対する県の判定は、『市場があるとは思えない』という事実を無視した判定でした。

 権力を有する立場の者が、気分や感覚で判定するようであれば、その地域、対象者は、必ず、可能性を奪われ、尊厳が損なわれていきます。

 したがって、私は、公務員や公教育に携わろうとする方への指導においては、事実と見解を分けて扱えない方、混同してしまう方は、絶対にこの分野を目指してはいけないと最初に話します。

 客観的な事実は何か、そして、その状況になった経緯は何か、そこにある独自性、それぞれの事情は、自分だったらどう対処しただろうか、と冷静に、自分を切り離してシミュレーションし、できるだけ相手の立場に立って考えてみること――、そして、常に共感し同情し、辛さ苦しさまで踏まえた共感する姿勢を抱えながら、相手の内懐に入って事情を詳しく教えてもらうこと――。そういう姿勢を失くしたら、それは、パワハラ、モラハラになり、相手を傷つけ、自尊心を崩壊させ、やる気を削ぎ、関係を悪化させることに成りかねません。

 その時のモチベーションとして必要なことは、仏教で言う『抜苦与楽』という考え方でなければ、決して成功しません。どんな厳しい現実を共有していくときでも、相手が自死しようとしているときでも、相手を苦しみから脱出させ、少しでも楽にしてあげたいという強い想いで関わることができなければ、下手をすると自己満足、自画自賛の暴言になり、相手に更なる別の苦しみを与えるだけになってしまいます。

 大学入試の相談で来られた高校生の中に、こんな方がありました。

 彼のお父さんは、開業医で、とても優秀な医師としての実績のある方でしたし、息子に無理に医学部を受けなくていい、自分のやりたいことをやれと言ってくれる心の広さ豊かさも具えた立派なお父さんでした。しかし、その高校生は、医学部を受けようとして苦しみもがいていました。

 学力が医学部受験に届きそうにない――と悩んでいたのです。どうして忖度してお父さんの後を継がないといけないと考えているのか――いろいろな想定ができましたが、では、いま自分がもっともエネルギーを注げるものは何か、何をやっているときが一番充実しているかを尋ねると、部活だと即答しました。彼のやってきた部活は、その高校の伝統とさえ言われてきた全国でも有名なものでした。そして、彼はそこの部長として皆の信頼を集める立派な青年でした。だから、私は、親の愛が無償の愛であること、恩返しなんか期待する親は居ないこと、むしろ自分の納得のいく人生を嬉々としてチャレンジして生きて行って欲しいと願っていることを話しました。

 彼は、終始、号泣しながら、お父さんに自分のやりたいことを正直に話してみます、と言い、それからも、一喜一憂はありましたが、やがて自分の本当にやりたかったことに専心できる道を見つけてそこに進路を取っていきました。

 私は、“自分を生きる”というキーワードこそ、大事だと考えています。

 自分に徹して人のために生きよう!という校訓が、私の卒業した高校にはありました。それは、私の、唯一、共感できるものでしたが、それを指標として得たことが、とても価値のあることだったと思っています。

 赤十字看護大に合格したけれども地方の国立大の看護学部に行くかどうかで悩んでいた高校生に、それぞれの大学に進学した高校生の生活がどのようであるかを通して話した結果、その方は、地方の国立大を選んでそちらに進まれました。私は、競争原理で勝利することよりも、ひとりひとりに寄り添うことを何よりも大切にしてきたその方の生きる場所は、その国立大看護学部の方だと感じていましたが、当人もそのように感じられたようで、進学後も、本当にここを選んで良かったです、毎日がこれ以上無いと思えるほど充実していますと知らせて下さり、本当に良かった、これでスペシャリストが一人誕生するかも知れないと思いました。

 進路選択において、偏差値や有名かどうかなど、全く意味を持ちません。そんなものは一時の自己満足にしか役立ちません。

 しかし、そこでの生活を何年も送り続け、新たな生活を自分のちからで生み出し積み重ねていくのですから、何よりも、その当人の価値観や性格、人生への姿勢といった極めて細かな感覚が重要になります。

 したがって、私が面接官を行うときは、必ず、ストレス発散の方法や暇なときには何をして過ごすか、これをしているときが一番楽しいということを教えて下さいとお願いします。そして、そこで嘘をつく方には、重ねて、本当のことを教えてくださいとお願いします。その質問を投げかけられた瞬間の表情の変化は、微塵も見逃すことが出来ません。

 その人が、日常の自身のもっともリラックスしている瞬間、楽しいと感じている瞬間を想起するからです。その自己開示を喜んでできる人は、自分を生きることができると思うからです。しかし、逆に、想起しようとするとそういう自分の本当の喜びを殺し、抑え込んで生活しているひとには、想起した瞬間に、一瞬でも苦悶の表情が浮かびます。他者を生きている――生きなければならない事情を抱えている――ということです。この場合は、進路選択の結論を出す前に、そのような事情を改善するための相談の時間をゆっくりと設ける必要があります。

 なぜなら、それは、その人が正常な、本来のありのままの自分を殺さなければならない事情を抱えているという大変な状況にあることが想定されるからです。断じて、放っておいていいことでは無いからです。

 正常な自分、ありのままの、本来の自分を取り戻すことを、仏教では成仏と説きました。生命の覚醒とも言います。世界中の学者やプロの職業人が努力しているのは、ひとりひとりが、ありのままの自分に誇りをもって生きることができるように支援するためだと言っても過言ではないと、私は思うのです。

                            教育コンサルタント&トレーナー
                                       林 克哉

関連記事のこちらも、ぜひ読んでいただけますと有難いです。
「常識、教育・指導、という攻撃」

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この記事を書いたプロ

林克哉

対人能力向上メソッドで進路実現を支援するプロ

林克哉(有限会社フォスター)

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