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コラム

YouTuber田中泰輔氏

2021年7月15日

テーマ:その他

コラムカテゴリ:ビジネス

前回は、ダン高橋氏について、その投資手法をYouTubeで学ばせてもらっているという話をしました。彼ほど華やかではないのですが、私が投資に関してメンターと思い(勝手に)師事しているYouTuberがいます。

その人物の名は、楽天経済研究所所属の田中泰輔氏(以下「田中氏」という)です。田中氏は、経済アナリストとして非常に高名な人物のようですが、私はその名を昨年まで知りませんでした。

最初、田中氏のYouTubeを拝見させていただいた時は、話が少しまどろっこしい感じがして(失礼!)、それほど大きな感銘を受けませんでした。ところが、話をじっくり聞いていると引き込まれる感じで、非常に勉強になったのです。

理詰めで、資料をみてもかなり専門的な内容が多く、これは本物だと思いました。そこで、少し我慢をして話を聞くようにしてみると、とても高度な内容をかみ砕いて説明していることが分かり、感銘を受けました。

田中氏は、いわゆるマクロ経済指標の専門家らしく、グラフや資料を元に説明をされるので、視聴する側にも多少の心構えが必要となります。口調は穏やかで、説明は非常に緻密で丁寧ときており、視聴者にもキチンとした心構えが要求されます。

30分程度の番組の中に高度な内容が折り込まれており、非常に勉強になります。田中氏の話を聞いていると、日本の個人投資家が何故日本市場で勝てないのか、これまで勝ってなかったのか、その理由が良くわかります。

特に、私に取って一番の衝撃だったのが、「為替」の話です。要するにドル円の推移です。私は、これまで、株式市場はある程度先を読めるが、為替は神の領域で、誰にも分からないと思っていました。

しかし、田中氏の話を聞いて、為替にも一定のロジックがあり、キチンと理論的に説明することが可能であることを理解することができました。特にアメリカ市場は、論理的に説明できるとのことです。

これに対し、日本市場は特殊で、株と為替について理論的な説明ができないことがあるようです。それ故にこそ、日本市場で株式投資を行う個人投資家は、単に「長期・分散・積立」という原則を金科玉条のように守るだけでは、投資成績を上げることができないというのが氏の持論です。

そこで、最近逃げて勝つ「投資の鉄則」という本(日経BP)を上梓しました。日本市場を相手に株式投資を行う人は、市場から逃げるという心構えが常に必要であることを説いた本です。著者は「長期・分散・積立」が投資の基本であり、コアの投資方法であることを認めた上で、それのみでは不十分であることを力説しています。

私は、この本を読んで目から鱗が落ちました。私が、市場暴落のとき何故逃げ遅れていたか、何故いつも暴落に巻き込まれ、また、その後の上昇に乗れなかったのか、痛いほど理解出来ました。

株式市場が暴落するとき、過去の暴落の前にも、かならずその兆候が現れており、早めに市場から逃げる心構えを持つことが必要である旨を説いています。具体的には、いわゆる長期金利が上昇し、その影響を受けて住宅指標が悪化することが炭鉱のカナリアであると断言しています。

アメリカの市場では、この兆候が明確に現れるので、理論的に説明しやすいそうです。次に来る暴落は、大がかりな金融緩和の反動でかなり深刻なものになるというのがエコノミストのコンセンサスになっています。

今後は、アメリカの10年物国債の金利と住宅等の不動産指標に注目して行くつもりですが、次回の暴落も、結局逃げ遅れるのではないかと心配しております。まあ、売らなければ単なる含み損に過ぎないのですが、余り長期に株価か低迷すると、毎日がつまらなくなります。

これから更に「失われた40年」が来ないよう祈るばかりです。

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この記事を書いたプロ

中根弘幸

企業法務・事業再生のプロ

中根弘幸(中根・車元法律事務所)

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