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民法(債権法)改正1(改正の経緯1)

2019年9月3日 公開 / 2019年9月7日更新

テーマ:法律の改正

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 退職 手続き

これからは、少し趣向を変えて、来年度以降施行が予定されている民法(債権法)改正について、語ろうと思います。これまでは、自分の体験を中心として、企業活動の廃止に伴う法律関係を取り上げてきました。

しかし、ご存じの方も多いと思いますが、2020年4月1日以降改正民法(債権法)が施行予定となっています。実は、民法の中心である債権法が全面的に改正されるのは、明治以来初めてのことです。120年に渡り全面的な見直しがされていなかった民法(債権法)がついに改正されます。

この改正は、実は既に10年近く前から議論されていたのです。最初は、民法の研究者のみの勉強会としてスタートしたと記憶しています。しかし、当初から法務省の実質的後援を得ていたと思いますので、我々弁護士会としては、単なる私的な勉強会とは思っておりませんでした。

その後予想通り、法務省が表に出てきて、法制審議会で議論される運びとなりました。このとき、中心となった学者先生が、東大の内田貴先生です。確か、東大を退職して法務省の参与となり、省内に研究室を設置し、内田先生の蔵書もその法務省内の内田研究室に移されたはずです。

当時日本経済新聞が内田先生に取材して発表した記事では、世界に通用する最先端の民法を作るという意気込みが語られていました。EUなどでも十分通用する民法作る、むしろその先取りするという気概があふれていました。

現在の民法は、いわゆるパンデクテン方式を採用し、故・我妻栄(日本民法の大家)大先生の解釈論がいわゆる通説となっており、裁判所に証拠を提出する際でも、我妻先生の著書・民法講義をコピーとして提出する弁護士までいたほどです。

その「我妻民法」何するものぞ!自分達(内田先生ら)がこれから100年通用する民法を作るのだという意気込みを感じました。つまり、今までの民法は、明治時代の古い概念を引きずって時代に合わないので、これを否定し、新たに内田民法を作ろうとしているとも評されていました。

内田先生にそのような野心があったかどうか不明ですが、そう思われても不思議ではない雰囲気でした。そこで、私たちは、これは大変だ!と思ったのです。というのは、現在の民法で実務的には何も困っていなかったからです。それを、学者の功名心(?)で変えられてはたまらない。当初の弁護士会の雰囲気はそういう感じでした。

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この記事を書いたプロ

中根弘幸

企業法務・事業再生のプロ

中根弘幸(中根・車元法律事務所)

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