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中根弘幸

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中根弘幸(なかねひろゆき)

中根・車元法律事務所

コラム

破産・再生余話18(事業譲渡型再生1)

2019年8月15日

テーマ:破産・再生

事業譲渡プレパッケージ型の民事再生の問題点を取り上げてみましょう。もう10年以上前のことになりますが、このパターンの民事再生手続きの申立てを行ったことがあります。

確かお正月明けに友人の公認会計士から紹介を受け、相談を開始したと記憶しています。その友人は会社のメインバンクの紹介で民事再生を担当してくれる弁護士を探していました。このケースでは、事前にメインバンクの支店を訪れ、その支店で会社経営者の方と面会した記憶があります。

会社のメインバンクが融資先の会社の民事再生を主導するというのは、不思議な感じがするかもしれません。しかし、このような事例もあるのです。というよりも、主要債権者が反対すれば結局民事再生は成功しませんので、主要債権者主導による民事再生は、一番スムーズなやり方ともいえます。

銀行としては、既にその会社に対する融資について、いわゆる会計処理上の引き当ては終わっており、後はいつ引き金を引くかというタイミングだけだったように思います。

銀行としては、引き当てを終えた上で、会社の経営者と返済協議を継続していたようです。最悪の場合は、破産処理もやむなしとの決断があったように思います。

そのようにして銀行と経営者との間で話し合いがもたれていたときに、同業他社の方から会社を買っても良いという話が持ち上がり、事業譲渡を前提にした民事再生という話に行き着いたようです。

このようなお膳立てが終わった後で、再生事件に詳しい弁護士を探していたとき、たまたま私が紹介を受けたことになります。この事例では、メインバンクが了承(主導)し、スポンサー(事業の譲渡先)も事実上決まった状態での民事再生ということなります。

一番スムーズで簡単な再生と思われるかもしれません。その通りなのですが、現実の再生申立では、メインバンクを含めた金融機関への説明やスポンサーの決定方法について質問や疑問が噴出したことで、それなりに大変でした。

2月の雪の降る日に某会場で債権者説明会を行ったのですが、これまで主導して来たメインバンクは、一債権者に過ぎないというスタンスで知らん顔をして参加し、質問に答えるのに苦労した記憶があります。
この事例で一番問題となったのは、スポンサーの決定方法でした。この問題は、事業譲渡プレパッケージ型再生の一番の問題なので、次回コラムでさらに解説したいと思います。

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