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中根弘幸

企業法務・事業再生のプロ

中根弘幸(なかねひろゆき)

中根・車元法律事務所

コラム

上手な会社のたたみ方13(私的整理3)

2019年5月8日 公開 / 2019年5月14日更新

テーマ:破産・再生

これまで、会社の私的整理について述べてきました。私としては、このような会社の私的整理が一番スムーズに会社及び代表者個人の債務を整理する方法と思っております。

しかし、このような私的整理においても利点と限界があるのです。
 
まず、利点ですが、これはこれまで述べてきたことから明らかと思います。すなわち、第二会社方式で行う私的整理の利点は、手続きが公開されず密かに再生できるために、大きな混乱もなく再生への道を歩むことができ、会社従業員にも、地域経済にもメリットがある点です。

また、金融機関にとっても、金融債権に対する弁済率を最大化できるので、いわゆる経済的合理性が図れる点で良いスキームといえます。

さらに、会社代表者の個人債務について、破産手続きによることなく、経営者保証GLに従った債務整理によって、債権放棄を求めることで解決できます。このことは、会社経営者が同じ地域で生きていく上で非常なメリットになります。

ただ、欠点というか前提条件のハードルが高いという問題もあります。それは、スポンサーが必要になるので、どうしても事業価値が認められるような、ある程度の規模の会社が対象となる所でしょうか。私の経験だと、負債総額で10億円以上の会社が多かったように記憶しております。

また、全債権者の同意が必要になりますし、少なくともメインバンクの了解ないし積極的な同意なしにはできないことです。

さらに、税務と法務の専門家が関与して調査を行う必要があり、時間、労力、費用がかかる点も欠点と言えるかもしれません。要するに信頼できるコンサルタント会社(税務・会計の専門家)の関与が必要となります。

しかし、そのような前提条件を満たすことができるならば、地方における中小企業の再生にとっては、ベストの方法であることは間違いないのです。

一つ残念なのは、成功事例を公表できないことです。専門家には守秘義務があり、また、再生会社であるというのは、商売にとって決してプラスにはならないからです。

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中根弘幸

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