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中根弘幸

企業法務・事業再生のプロ

中根弘幸(なかねひろゆき)

中根・車元法律事務所

コラム

上手な会社のたたみ方7(民事再生1)

2019年4月14日 公開 / 2019年9月7日更新

テーマ:破産・再生

1 収益弁済型では再生できない
一般的に、民事再生によって再生した会社は、今後の収益によって再生債権を返済していくことを前提としています。これを収益弁済型の民事再生と言います。

ただし、収益弁済型の民事再生は、本当の意味での再生ができず、結局、破産に至る例も多いのです。

私が経験した事例でも、再生債権の95%をカットし、残り5%を10年の分割で支払うという計画を立てましたが、それでも9年目に破産に至りました。非常に残念です。

2 地方ではスポンサーが見つからない
どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。
民事再生法の適用を受けると、銀行取引が停止になるわけではなくても、金融機関からの新規融資はストップしますし、通常、当座取引も中止されます。

すると再生会社は、手形を受け取っても割り引く手段がなく、支払期限まで手元に置いておくしかないので資金が回らなくなるのです。
そのため、再生会社には実質的な資金提供者(スポンサー)がいないと、事業を継続することができません。

しかし、再生会社に資金を提供してくれる会社は、地方では極めて少ないのが現状です。この場合、書物によるとDIPファイナンスを受けることで資金繰りの問題を解決する、と書いてあります。これは、再生中の会社に通常よりも高利で資金を融資する仕組みですが、地方でDIPファイナンスを実施するケースは希です。

3 法律上も厳しい枠組み
法律上も、決して再生会社に優しい仕組みにはなっていません。
例えば、工作機械が故障したので、早期に買い替えの必要が生じた場合も、監督委員の許可が必要になります。しかし、現場は監督委員の許可を待っている時間がない場合もあります。

機械が故障している間は売上が立たず、資金を圧迫していきます。
民事再生法は、会社更生法よりも使い勝手が良い制度としてスタートしたのですが、やはり一定の規模を有する会社を前提としているように感じています。

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