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中根弘幸

企業法務・事業再生のプロ

中根弘幸(なかねひろゆき)

中根・車元法律事務所

コラム

上手な会社のたたみ方6(会社破産2)

2019年4月6日 公開 / 2019年4月17日更新

テーマ:破産・再生

前回は、時間的余裕のない悪い例を紹介させていただきました。そこで今回は、普通の破産申立の事例を解説させていただきます。

まず、Xデー(廃業=破産申立日)を決めます。破産するとしても、やはりタイミングはあるのです。公租公課や従業員の給料は破産債権に優先しますから、破産直前でも支払うことができます。

また、破産する場合も、予納金という名の手続費用(広島の場合、原則100万円)を裁判所に納める必要がありますので、会社に一番お金が残っている時期を選ぶ必要があります。その上で、商事債権の残高が一番少なく、仕掛かり工事・製品が一番少ない時期を選択する必要があるのです。

商業登記、定款、会社の決算書、総勘定元帳、就業規則(給与・退職金規定を含む)、従業員名簿、債権者一覧表、財産目録(車両・不動産がある場合は、車検証・登記簿謄本も)、リース契約書、約1年間分の預金通帳の写し等々、結構たくさんの書類を用意することになります。

しかも、これらの書類を原則として会社代表者自ら用意してもらうことになるのです。それは、会社の廃業・破産申立ての予定は従業員に相談できないからです。一旦、従業員にこれらの事実を話してしまうと、一気にその情報が社内に広まり、収拾がつかない状況になることがあります。

こうして、弁護士と会社代表者の共同作業によって、お金と書類を準備し、いわゆるXデーを迎えます。このとき、①会社の廃業日、②従業員に対する整理解雇を通知する日、③破産申立日は、同じ日となるのが原則です。

弁護士さんによっては、廃業後1、2週間して破産申立てを行う人がいるようですが、これを別の日にしてしまうと、現に営業活動を行っている会社の場合は、大混乱が生じることがあるのです。従って、お勧めしません。仮にそのようなやり方が可能だとしたら、従業員が少なく、在庫商品もないような廃業寸前の会社でしょう。

ところで、破産申立てを行ったからと言って、申立代理人となった弁護士の仕事は終わりではないのです。今後開催される財産状況等報告集会に、会社代表者と一緒に出席して、債権者や管財人からの質問ないし問い合わせに回答することになります。
                                                                                              以上

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