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中根弘幸

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中根弘幸(なかねひろゆき) / 弁護士

中根・車元法律事務所

コラム

ゴールドラッシュで不幸になった人(その1)

2011年3月28日 公開 / 2019年3月17日更新

テーマ:読書感想

コラムカテゴリ:ビジネス


アメリカのカルフォルニア(当時はメキシコ領)でゴールドラッシュが起こったとき、最も悲惨な運命に陥った人は誰でしょう?
皆さんは、誰かおわかりでしょうか。

このことは、野口悠紀雄氏の「ゴールドラッシュの『超』ビジネスモデル」という本(新潮社)で紹介されています。
私は、野口先生のサイン入りの著書を持っています。
ミーハーなので、野口先生の講演を聴いたとき、サイン入りの本を購入したのです。

冒頭の質問の答えは、意外にも金が発掘された土地の所有者とその一家なのです。
ジョン・サッターという植民者とその一家です。
運命の事件は、1848年1月24日に起こりました。

ジョン・サッターの使用人が水路の底で光るものを発見したのです。
これがその後10年にわたってアメリカ人を熱狂させ、多くの人の運命を変えたゴールドラッシュの始まりでした。
彼は、使用人に秘密を守るように厳命したのです。しかし、秘密は簡単に漏れました。

まず、サッターの使用人が仕事を放り投げて金を掘り始めました。
その他にも、東から、西から、徒歩で、乗馬で、車で黄金を目当てに人々が殺到したのです。
そして、1849年の終わりには、カルフォルニアの人口が10万人になったそうです(1952年には、25万人になっています)。

人間がイナゴの大群のように襲来し、狂ったように金を採掘し始めたのです。
土地の所有権もなにもあったものではありませんでした。
サッター氏が営々と築き上げてきた農園は、金採掘者によって踏みつぶされたのです。
彼の全財産は、暴徒によって踏みつぶされ、略奪されました。

そして、1850年にカルフォルニアがアメリカ合衆国に編入されたことで、この地にやっと法と秩序がもたらされたのです。
サッター氏は、大規模な訴訟を起こして戦った結果、1855年彼の主張はすべて認められました。

ところが、本当の悲劇はこれから起こったのです。
判決を知った人々が暴動を起こし、彼の3人の息子は暴徒に殺害され、全財産は略奪されて辺りは火の海なりました。

精神に異常をきたした彼は、1880年に連邦議会の議事堂で一枚の請願書を胸に発作で倒れて死亡したといわれています。
こうして、ゴールドラッシュの最初の物語は、悲劇として幕を閉じたのです。
しかし、物語風に言えば、これは序章に過ぎなかったのです。

この後、様々な失敗と成功の物語が紹介されていますが、それは次回以降のコラムで紹介したいと思います。

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