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中根弘幸

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中根弘幸(なかねひろゆき)

中根・車元法律事務所

コラム

子供を外国から連れ帰った母は逮捕される?

2011年3月8日


現在政府によって検討が進められているものの一つに「ハーグ条約」の締結があります。
これは、国際的な子の奪取についての条約です。

わかりにくいですよね。
例えば、日本の女性が国際結婚をしてアメリカに移り住んだものの上手くいかず、子供を日本に連れ帰ったとします。
現在日本はハーグ条約に加盟していないので、アメリカに住んでいる夫は何も出来ません。

しかし、このハーグ条約に加盟すると、一旦アメリカに子供を戻さなければいけません。
これを拒否すると、子供を外国から勝手に連れ帰った母は逮捕される可能性があるわけです。
もっとも、一旦戻すだけで、最終的にその子をどうするかは、定住国であるアメリカの裁判所が決めます。

この条約、アジアの加盟国は少ないものの、主要7カ国(G7)で加盟していないのは、日本だけと言われています。
民主党の江田法務大臣は条約締結に前向きで、関係省庁の副大臣会議も始まったと言われています。

また、昨日(平成23年3月7日)付け日本経済新聞の社説は、「ハーグ条約加盟を決断せよ」という勇ましいタイトルで条約締結を後押ししています。
この条約に速く加盟せよという人も結構いるようです。

しかし、待ってください。
国際結婚に失敗した日本人女性が、夫のDVから子供守るためにギリギリの決断で帰国することがあるのです。
そのような場合、これを拒否したからと言って、母を逮捕してアメリカへ連れ帰るのでしょうか?

また、日弁連の調査によると、この制度を受け入れている国も、加盟国毎に微妙に法制度が異なり、安定的な運用がされているわけではないと聞いています。
特に、いわゆる英語圏の国は、裁判官同士が直接国際電話で話をして最終的な結論を決めている、という報告すらあるのです。

そこで、G7でどうだとか、親が勝手に子供を連れ去ることは許されないという原則論を振りかざして、結論を急ぐべきではないと思います。
日弁連では、日本がこのハーグ条約を締結する際には、子供の利益を確保するための国内担保法を整備することを提言しています。

私も、日弁連の意見に賛成です。

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