マイベストプロ広島
  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ広島
  3. 広島の法律関連
  4. 広島の遺産相続
  5. 山下江
  6. コラム一覧
  7. 弁護士コラムvol.240「遺言を作成しても安心できない??」宮部 明典
山下江

「相続」と「企業法務」を得意とする法律のプロ

山下江(やましたこう) / 弁護士

弁護士法人山下江法律事務所

コラム

弁護士コラムvol.240「遺言を作成しても安心できない??」宮部 明典

2020年11月27日 公開 / 2021年3月3日更新

テーマ:弁護士コラム/相続・遺言

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続対策相続問題相続 手続き

遺言を作成しても安心できない??

山下江法律事務所 弁護士 宮部明典
 Aには、子どもが二人(BとC)いるとします。Aは、遺留分のことも考えて、「Bに4分の3の遺産を相続させ、Cに4分の1の遺産を相続させる」という内容の遺言を作っており、相続対策は完了したと安心していました。ところが、Aよりも先にBが死亡してしまいました。このようなときに、Aが死亡した場合、Aが作成した遺言により、Bの唯一の子どもであるDはAの遺産の4分の3を取得することができるのでしょうか?
 Aは、Bに多くの遺産を相続させるつもりであったのですから、Bが先に死亡したとしても、Bの子どもであるDがそれを引き継ぐのが自然であるとも思えます。
 この問題については、最高裁判所の判例があります(最三小判平成23年2月22日)。それによれば、「当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に相続した場合には、・・・遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから、遺言者が、・・・当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはないと解するのが相当である」とされています。
 したがって、本件においても、Aの遺言のうち、「Bに4分の3の遺産を相続させ」る部分は無効となり、当該部分についてCとDで遺産分割協議を行う必要があるということになります。確かに、「特段の事情」があればDがAの遺産の4分の3を取得できる可能性はありますが、簡単に特段の事情が認められるわけではありません。
 そうすると、Aは自分の遺産をCに多く継がせたくなかったと考え、遺言まで作成していたにもかかわらず、結果的にそのような意思を実現できない可能性があります。これでは、遺言を作成した意味がありませんよね。
 では、このような場合、Aはどのようにしておけばよかったのでしょうか。
 一つの方法としては、Aの死亡以前にBが死亡したときは、Dに相続させる旨を遺言に記載しておけば良かったでしょう。もう一つは、Bが死亡した時点で、新たに遺言を作成しなおせば良かったでしょう。ただし、後者については、遺言作成後時間が経過し、Bが死亡した時点でAが遺言を作成できる能力が存せず、遺言を作成できないというリスクが生じる場合もあります。そのため、前者の方法をお勧めします。
 上記のような問題は、誰にも相談せずに作成された自筆証書遺言において頻繁に見かけるものです。せっかく遺言を作成したのであれば、無効となって相続人間に紛争を生じさせるものにはしたくないものです。
 民法の相続に関する部分も改正され、新たなルールが誕生しています。当事務所では、遺言作成を含め、相続が絡む問題につき無料相談を実施していますので、お一人で悩まずにお気軽にご相談下さい。


 執筆者:弁護士法人山下江法律事務所 弁護士 宮部 明典 (広島弁護士会所属)

弁護士 宮部 明典のプロフィール

初回相談無料!電話相談、オンライン相談も可!

■弁護士コラムバックナンバー【相続・遺言】
・vol.238 「特別縁故者って何ですか?」 青山 慶子 2020/10/30
・vol.235 「付言事項の活用 遺留分侵害と遺言」 加藤 泰 2020/9/18
・vol.233 「改正相続法における預貯金の取り扱いについて」 山口 卓 2020/8/21
・vol.222 「死亡に関する保険金給付と相続」 小林 幹大 2020/4/3
・vol.219 「遺言を書いてみませんか?」 加藤 泰 2020/2/7
・vol.217 「改正相続法における自筆証書遺言」 山口 卓 2020/1/10
・vol.210 「遺産分轄調停の流れについて」 渡辺 晃子 2019/10/4
・vol.209 「再転相続人と相続放棄」 宮部 明典 2019/9/20
・vol.202 「改正相続法における配偶者相続人の保護」 山口 卓 2019/6/7
・vol.197 「相続財産の使い込みについて」 廣田 麻由美 2019/3/22
・vol.194 「遺産分割協議後に遺言が見つかったときは??」 宮部 明典 2019/2/8
・vol.189 「相続時の配偶者の居住権」 城 昌志 2018/11/30
・vol.188 「遺言書の方式」 加藤 泰 2018/11/9
・vol.185 「遺言の制度が変わります。」 稲垣 洋之 2018/10/5
・vol.173 「遺産相続でもめないために」 加藤 泰 2018/4/6
・vol.167 「暴力息子にも自分の財産を相続されてしまうの?」 廣田 麻由美 2018/1/12
・vol.154 「適切な親の財産管理」 小林 幹大 2017/11/10
・vol.154 「相続放棄はいつでもできるか?」 柴橋 修 2017/7/7
・vol.152 「死んだら散骨してほしい!遺言に書いておけばいいの?」 廣田 麻由美 2017/6/9
・vol.151 『最近「終活」ってよく聞くけど必要?』 岡 篤志 2017/5/26
・vol.149 「相続放棄をすれば何も心配いらないの??」 宮部明典 2017/4/28
・vol.147 「法定相続情報証明制度が始まります」 青山慶子 2017/3/31
・vol.145 「預金債権と相続」 松浦亮介 2017/3/3
・vol.137 「続・相続における預金の取扱いについて」 宮部明典 2016/11/11
・vol.135 「共有物の分割」 青山慶子 2016/10/14
・vol.132 「遺言と遺留分」 加藤泰 2016/9/2
・vol.128 「遺言能力はどのように判断されるのか」 加藤泰 2016/7/8
・vol.127 「墓などの祭祀財産は一般の相続財産とは異なるルールで承継されます。」 笠原輔 2016/6/24
・vol.126 「遺産分割協議の解除と負担付遺贈」 山口卓 2016/6/10
・vol.125 「遺言書を見つけたら」 稲垣洋之 2016/5/27
・vol.122 「相続における預金の取扱いについて」 宮部明典 2016/4/1
・vol.117 「遺言書を作る理由」 松浦亮介 2016/1/22
・vol.113 「夫が亡くなりました。同居している義母に出て行ってもらうことはできますか?」 加藤泰 2015/11/27
・vol.103 「嫡出推定と法律上の父子関係」 松浦亮介 2015/7/10
・vol.99 「未成年の子どもがいる方は遺言を書こう」 加藤泰 2015/5/15
・vol.96 「相続人がいない人の遺産はどうなるの?」 稲垣洋之 2015/4/3
・vol.93 「遺産分割協議と行方不明者」 青山慶子 2015/2/20
・vol.92 「亡くなった親の介護をしていた相続人は通常より多くの遺産を取得することが出来るのか」 久井春樹 2015/2/6
・vol.89 「相続税制の改正」 松浦亮介 2014/12/26
・vol.83 「遺言無効確認訴訟」 山口卓 2014/10/3
・vol.71 「これからの信託」 加藤泰 2014/4/4
・vol.70 「将来認知症等になった場合に備える任意後見契約」 笠原輔 2014/3/20 
・vol.66 「エンディングノート」 副所長 田中 伸  2014/1/24
・vol.59 「非嫡出子の相続分」 城 昌志 2013/9/27 
・vol.52 「相続(その4)」 副所長 田中伸 2013.6.21
・vol.38 「遺産分割の対象となる財産の範囲」 山口卓 2012.11.22
・vol.35 「相続(その3)」 副所長 田中伸 2012.10.12 
・vol.28 「遺産相続でもめた場合には」 城昌志 2012.7.6 
・vol.19 「成年後見制度について」 山口卓 2012.3.2
・vol.16 「相続(その2)」 副所長 田中伸 2012.1.20
・vol.1 「相続」 副所長 田中伸 2011.6.17

この記事を書いたプロ

山下江

「相続」と「企業法務」を得意とする法律のプロ

山下江(弁護士法人山下江法律事務所)

Share

関連するコラム

山下江プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
0120-7834-09

 

・個人、企業すべての方を対象に初回相談無料!
・法律相談は完全予約制で行っております。
・面談形式の他、電話相談、オンライン相談に対応しております。

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

山下江

弁護士法人山下江法律事務所

担当山下江(やましたこう)

地図・アクセス

山下江のソーシャルメディア

youtube
YouTube
2021-07-05
rss
ブログ
2021-08-04
facebook
Facebook