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コラム

弁護士コラムvol.237「離婚と在留資格」久井 春樹

2020年10月16日 公開 / 2020年10月29日更新

テーマ:弁護士コラム/離婚・男女トラブル

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 離婚問題

離婚と在留資格

山下江法律事務所 弁護士 久井春樹
1 外国人がいったん日本人と結婚したものの,離婚することになった場合,自分の在留資格がどうなるのか,離婚後も日本にとどまることが出来るのか不安に思われる方が多いかと思います。

2 こうしたケースでは,その外国人が有している在留資格によって,離婚による影響が変わってきます。それぞれのケースに分けて簡単に説明します。

 ①「永住者」
  「永住者」の資格で在留している外国人配偶者については,離婚という事実のみによっていったん取得している永住者の在留資格に影響を受けることは通常ありません。

 ②「日本人の配偶者等」
  「日本人の配偶者等」の在留資格により在留する外国人が配偶者と離婚した場合,14日以内に入管に届出をしなければなりません。
日本人配偶者との離婚が成立すれば,「日本人の配偶者等」の在留資格には該当しなくなります。そのため,当該外国人が,離婚後も日本に住み続けるためには,「日本人の配偶者等」の在留資格を変更する必要があります。

3 それでは,「日本人の配偶者等」の在留資格によって残留していた場合,どのような在留資格へ変更することが考えられるのでしょうか。
該当するものとしては,まず入管法の別表1に規定されている在留資格(留学,研修,特定活動等)への変更を申請することが考えられます。
 また,日本での在留期間が相当長いような場合は,「定住者」や「永住者」へ在留資格を変更することが考えられます。特に,外国人が日本人と離婚した場合は,「定住者」への在留資格変更を求めるケースが多くみられます。「定住者」への在留資格変更については,以下のとおり,実子の有無によってその要件等が異なります。

 ①夫婦間に実子がいる場合
  夫婦の間に未成年で未婚の実子(当該子の出生時点においてその父または母が日本国籍を有している必要があります。実子の日本国籍の有無は問いません。)がいる場合,その親子関係,当該外国人が当該実子の親権者であること,現に当該実子を養育・監護している事実が確認できれば,「定住者」への在留資格の変更が許可される扱いとなっています(平8.7.30法務省通達第2565号)。

 ②夫婦間に実子が居ない場合
  他方,夫婦の間に実子が居ない場合は,実体のある婚姻期間が3年程度あったこと,独立して生計を営むことができること,仕事や生活面について日本との関連性が相当強いこと等が「定住者」への在留資格の変更の要件として必要になると考えられています。

4 外国人が日本人と離婚する場合,母国との制度の違い等もあって離婚の手続自体についても不安な点が多いかと思います。お悩みになられた際は,弁護士にご相談することをお勧めします。(なお,入国管理については,法務大臣の裁量によるところが大きいため,運用が変わる可能性があることについてご留意下さい。)


 執筆者:弁護士法人山下江法律事務所 弁護士 久井 春樹 (広島弁護士会所属)

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