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コラム

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「家族信託って何?」

2020年1月21日 公開 / 2020年2月20日更新

テーマ:法律相談/相続・遺言

コラムカテゴリ:法律関連

2020/1/20 (月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「家族信託って何?」
広島 家族信託 弁護士

Q: 今月は、「相続・遺言」について、番組に寄せられましたご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 58歳、男性の方から次のメールが来ています。

 「最近、家族信託という言葉をよく耳にするようになりました。
 どうやら、財産管理やら後見から遺言やら、いろいろな局面で利用されているようですが、どういったものなのでしょうか。
 教えてください。」

というご質問です。
 確かに、家族信託はホットな話題ですよね。
 山下江法律事務所には、家族信託専門士の資格をもった弁護士がいるということですので、今日は、その家族信託専門士の青山慶子さんにお越しいただきました。
 青山さん、よろしくお願いいたします。

A: よろしくお願いします。

Q: まず、家族信託専門士でいらっしゃるということですが、家族信託専門士とは、どういった資格になるのですか。

A: 家族信託専門士というのは、一般社団法人家族信託普及協会が認定している資格になります。
 依頼者の方のご要望を受けて、信託組成が適切かどうかを判断し、信託のスキームの立案をしたり、信託契約書の作成をしたり、公正証書の作成支援をしたり、信託監督人として信託組成後の継続フォローをしたり、といった部分を担っています。

Q: なるほど。
 それでは、さっそくですが、家族信託について教えていただきましょう。

A: はい。
 まず、「家族信託」の「信託」とは、一言で言うと、財産管理の一手法になります。
 所有者、すわなち、資産を持っている人が、特定の目的に従って、その保有する不動産や預貯金など資産を、信頼できる個人や法人に託し、誰かのために、その管理・処分を任せる仕組みです。
 この、財産を託す人を「委託者」といい、財産を託され、管理や処分をする人を「受託者」といいます。
 さらに、託された財産から生まれる利益を受け取る人を「受益者」といいます。
 基本的には、この3人で信託は成り立ちます。
 「家族信託」とは、信託のなかでも、家族や親族を受託者として託す仕組みになります。

Q: 家族の家族による家族のための財産管理ということですね。
 そして、「委託者」と「受託者」と「受益者」の3人の仕組みということですね。
 具体例で説明いただくと、どういうものがありますか。

A: 例えば、ご高齢の夫婦と子どもがいたとします。
 通常、この夫婦のうちどちらかが亡くなると、その財産の半分は配偶者へ相続されます。
 しかし、その相続された財産を高齢である配偶者が管理するのは、結構負担ですよね。
 しかも高齢だと、残された配偶者が介護状態ということも考えられます。
 例えば、このような場合も「家族信託」を利用すると、次のようになります。
 高齢の夫婦と子どもの家族において、例えば夫が「委託者」となり、子どもに自分の財産の管理を委託します。
 子どもは「受託者」として財産を管理・運用することになります。
 財産の利益を受ける「受益者」は、委託者である夫が生きているうちは夫に。
 夫が亡くなった後はその妻に設定しておきます。
 夫にすれば、すでに子どもが財産の管理をしてくれているので安心を得られると同時に、自分の死後も子どもが財産管理を継続し、今度は妻がその利益を受けることができると約束されているわけですから安心です。
 そして、夫に次いで妻が亡くなった時、そこで信託は終了し、子どもは財産を相続することになります。

Q: なるほど、委託者である夫の財産から利益を受ける人は、順に、夫、妻、子どもというように変わっていくことになるのですね。

A: この例では、財産管理契約とか委任契約の機能を家族信託が担っています。
 その他に、例を挙げますと、家族信託は、後見制度に代わるような財産管理の機能を担うこともあります。
 例えば、不動産を所有・管理していらっしゃるご高齢の方がいるとして、この方が、認知症などで判断能力が無くなってしまったら、法律行為ができなくなります。
 そのため、不動産を売却して高齢者施設に入所して資金を捻出したいと思っていたとしても、この段階になってしまえば、不動産を売却することはできないわけです。

Q: 財産が動かせなくなってしまうのですね。
 それは困りますよね。

A: はい。
 そういった場合は、成年後見人をつけるということになるのですが、先ほどの例では家庭裁判所の許可を得て不動産を売却できる場合もあると思いますが、場合によっては、成年後見人では、制約もありますし、柔軟な財産管理をすることができなかったりすることもあります。
 家族信託では、元気なうちから、信頼する家族に、資産の管理・処分を託すことで、本人が元気なうちは、本人の指示に基づいて、受託者に財産管理を任すことができますし、本人が判断能力を喪失した後は、受託者によって、本人の意向に沿った財産管理をスムーズに実行できます。
 加えて、積極的な資産運用・組替えも、受託者たる家族の責任と判断で可能となります。
 なお、念のため注意ですが、ご本人の判断能力が無くなってから信託契約を締結することはできませんので、元気なうちから、家族信託を組むということになります。
 元気なうちは、家族に任せなくてよいよ、とお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、後々跡を継いでもらう予定の人を受託者にして管理を任せることで、受託者の管理の様子を見ることもできますので、元気なうちからお任せするメリットはあるわけです。

Q: 元気なうちは、財産管理契約や委任契約、判断能力がなくなってからは成年後見制度の役割、そして、後見制度よりも柔軟な財産管理が可能ということなのですね。

A: その他にも、遺言に代わる機能もあります。

Q: 遺言にも代わるのですか。

A: はい。
 本人死亡後の資産の承継先を指定しておけば、その指定された人が資産を承継することができます。
 遺言ですと、「これこれの財産は、誰々に相続させる、とか、遺贈する」とか遺言を作成しておいて、自分が亡くなって相続が発生したら、その遺言に基づいて、財産を承継させることになります。
 信託も、本人死亡後の資産の承継先を指定することができますので、遺言と同じような機能をもちます。
 さらに、信託は、それに留まらず、遺言よりも柔軟に資産の承継を指定できるものと考えます。

Q: どういうことですか?

A: 例えば、遺言ですと、2次相続以降の財産承継までは指定できません。
 具体例で説明しますと、例えば、AさんBさん夫婦がいるとして、お子さんはいないものと仮定します。
 Aさんは、自分が亡くなったら、遺産を全部、配偶者であるBさんに遺したいと考えています。
 その場合は、遺言だと「遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、Bに相続させる。」などと書くことになります。
 Aさんは、Bさんに、遺産で、安心して残りの人生を暮らしてほしいと思っているのですね。
 しかし、Aさんとしては、Bさんが亡くなった後には、自分の兄弟に財産を承継させたい、と考えていたとします。
 代々親から引き継いできたAさん家の財産が他の家に流れてしまっては困る。
 でも、遺言で、自分の兄弟に遺産を引き継がせてしまっては、自分亡き後の配偶者の生活が心配だというような場合です。
 しかし、先ほど述べた遺言ですと、Aさん亡き後、財産はBさんのものになっておりますので、Bさんが亡くなった後は、Bさんの家系に財産が承継されていくことになります。
 Bさんが、遺言を遺していたら別の結果も考えられますが、Bさんが遺言で、「Bさんの財産をAさんの兄弟に遺贈する」と書いてくれるかは分かりません。

Q: Aさんの財産をBさんが相続して、Bさんの財産になっているわけですから、その財産を誰に承継させたいかはBさんの自由ですものね。

A: しかし、信託契約では、実質的にその資産承継の順序を指定することが可能です。
 一例ですが、Aさんが委託者となって、Aさんの兄弟を受託者とします。
 当初の受益者をAさん、Aさんの死後の受益者をBさんとし、AさんとBさんが亡くなったら信託契約を終了することにして、残余財産をAさんの兄弟が承継する内容の信託契約を締結するなどです。
 このとき、委託者Aさんから信託財産の管理を委託された、受託者であるAさんの兄弟が、受益者であるAさん、Aさんの死後はBさんのために信託財産を管理し、AさんやBさんの死後に、上記財産を帰属されるということになります。

Q: 遺言では実現できなかった、2次相続以降の財産の承継先を指定できるということですね。
 こうして見てきますと、財産管理契約、後見制度、遺言、2次相続以降の財産承継が、家族信託によって可能となるのですね。
 高齢になってからの財産管理の問題と、相続の問題を家族信託という一つの仕組みで解決できるなんて驚きです。

A: まずは、元気なうちから、自分の財産をどのように管理して、どのように引き継ぎたいかを考えたり、家族で話し合ったりすることが大切ですね。
 山下江法律事務所では、HPにて「家族信託」についても詳しく説明していますので、そちらもご覧になってみてください。

Q: ご相談者の方、わかりましたでしょうか。
 現在、山下江法律事務所は、相続・遺言、交通事故、借金・過払いについては初回相談無料、その他は30分5000円+消費税にて相談を受け付けております。
 相談予約のフリーダイヤルをお伝えしておきましょう。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「家族信託って何ですか?」というメールに答えていただきました。
 今日はありがとうございました。


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