マイベストプロ広島
  1. 弁護士コラムvol.211 「台風の影響で借りている家が損壊した場合は誰が修繕するの」 岡 篤志
山下江

「相続」と「企業法務」を得意とする法律のプロ

山下江(やましたこう) / 弁護士

山下江法律事務所

お電話での
お問い合わせ
0120-7834-09

コラム

弁護士コラムvol.211 「台風の影響で借りている家が損壊した場合は誰が修繕するの」 岡 篤志

2019年10月18日 公開 / 2019年11月19日更新

テーマ:弁護士コラム/いろいろ

コラムカテゴリ:法律関連

台風の影響で借りている家が損壊した場合は誰が修繕するの

山下江法律事務所 東京支部長 弁護士 岡篤志
 近年、毎年のように突発的な大雨や台風の影響で土砂災害や水害が発生したというニュースを聞きます。台風などの影響で借りている家が損壊したり、大雨の影響で家が浸水し畳などがだめになったりした場合、誰が修繕費を払う必要があるのでしょうか。
 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負います(民法606条1項)。賃貸人は賃貸物を使用可能な状態にして賃借人に使用させる必要があるので、使用収益できない状態ならば賃貸人の負担で修繕し、使用可能な状態にする必要があるのです。
 そして、建物の崩壊が天災等の不可抗力によるものであってもこの修繕義務は免れません。そのため、台風の影響で借りている家の一部が崩壊した場合の修繕費は原則として賃貸人が負担することになります。また、畳などの賃貸物の使用・収益に必要なものについても賃貸人に修繕義務があるため、賃貸人が負担することになります。
 しかし、賃貸人が修繕義務を負わないという特約も有効とされています。そのため、特約がある場合は、賃貸人に修繕義務はなく、賃借人が自己の負担で修繕をする必要があります。
 もっとも、このような免責特約は、当事者が予想しうる程度の破壊に関するものであって、天災による大破壊の大規模修繕までは含むことはできないとした裁判例もあります。また、賃借人が個人消費者の場合、消費者契約法10条等により特約が無効になる可能性もあります。したがって、特約がある場合でも災害の規模や損壊の程度によっては、賃貸人負担となる可能性もあるので確認する必要があります。
 なお、賃貸人が修繕を行ってくれないことで賃借人に損害が発生した場合は、損害賠償請求をすることもできますし、賃貸借契約を解除することもできます。また、賃借人は自ら建物の修繕を行いその修繕費を賃貸人に請求することもできます。
 災害による被害でお困りの際は当事務所までご相談ください。


 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 岡 篤志 (広島弁護士会所属)

弁護士 岡 篤志のプロフィール

法律相談の流れ

■弁護士コラムバックナンバー【テーマ:いろいろ】
・vol.196 「ペットショップで購入した子犬が感染症にかかっていた。ペットショップに対し何か請求できるの? 岡 篤志 2019/3/8
・vol.193 「ネットオークションで購入したチケットが使えない 小林 幹大 2019/1/25
・vol.192 「エステの契約を途中で解約できる? 青山 慶子 2019/1/11
・vol.183 「同一労働・同一賃金」に関する最高裁判決 田中 伸 2018/9/7
・vol.182 「練習中の高校球児にけがを負わされたら」 廣田 麻由美 2018/8/24
・vol.179 「ペットに遺産を残せるのか」 宮部 明典 2018/7/6
・vol.178 「ファールボールが直撃して大けが。被害者は救済される?」 小林 幹大 2018/6/22
・vol.174 「近所間の騒音トラブル」 久井 春樹 2018/5/25
・vol.174 「未成年者の損害賠償責任」 城 昌志 2018/4/20
・vol.161 「殴られた!!怪我をした!!損害賠償請求だ!!その法的根拠は??」 笠原 輔 2018/3/23
・vol.161 「未成年者の契約について」 稲垣 洋之 2018/2/23
・vol.161 「『権利の濫用』とは」 松浦 亮介 2017/9/29
・vol.158 「名義変更,済ませてますか?」 笠原 輔 2017/9/1
・vol.157 「約款に関する規定の新設―電気、保険、インターネット、・・・約款は多様な取引で使われています―」 笠原 輔 2017/8/18
・vol.156 「通信販売で購入した商品を返品したい」 山口 卓 2017/8/4
・vol.155 「民法が改正されました」 稲垣 洋之 2017/7/21
・vol.153 「未成年者の不法行為と親の責任」 副代表/田中 伸 2017/6/23
・vol.143 「自分の名前に抵抗がある場合、改名することはできるのか」 久井 春樹  2017/3/17
・vol.143 「犯罪被害の示談」 加藤 泰  2017/2/3
・vol.142 「過労死について」 笠原 輔  2017/1/20
・vol.141 「ペットが人に怪我をさせた場合」 山口 卓  2017/1/6
・vol.140 「残業代の計算」 稲垣 洋之  2016/12/23
・vol.139 「訴えたい相手が認知症の場合は?」 柴橋 修  2016/12/9
・vol.133 「いわゆるマルチ商法に関与してしまった場合」 城昌志  2016/9/16
・vol.130 「弁護士費用は誰が負担するの?」 城昌志  2016/8/5
・vol.123 「経歴を詐称すると犯罪になるの?」 副所長・田中伸  2016/4/15
・vol.112 「労働者派遣法の改正により派遣労働者の派遣可能期間が変更されました」 笠原輔  2015/11/13
・vol.111 「騒音問題」 山口卓  2015/10/30
・vol.108 「証明責任(立証責任)とは」 田中伸  2015/9/18
・vol.101 「マイナンバー制度ってなんだろう」 城昌志  2015/6/12
・vol.97 「土地管轄~どこの裁判所に訴訟提起できるのか~」 山口卓  2015/4/17
・vol.84 「知らないと危ないかも?!身元保証について」 笠原輔  2014/10/17
・vol.82 「お隣さんとのトラブル」稲垣 洋之 2014/9/19
・vol.81 「パワハラとは?」柴橋 修 2014/9/5
・vol.61続編 「続・NHK受信料と契約自由の原則」松浦亮介 2013/11/8
・vol.61 「NHK受信料と契約自由の原則」松浦亮介 2013/10/25
・vol.56 「レンタルDVDの延滞料を請求された・・・!」笠原 輔 2013.8.16
・vol.47 「消滅時効に関する留意点」松浦亮介 2013.4.5
・vol.45 「保証人になってください」城昌志 2013.3.8
・vol.40 「管轄」加藤泰 2012.12.21
・vol.37 「仮差押命令」稲垣洋之 2012.11.9
・vol.36 「裁判に勝てば当然支払いをしてもらえるか?」 柴橋修 2012.10.26
・vol.34 「親を扶養する義務」 久井春樹 2012.9.28
・vol.20 「指導者の不注意で、スポーツ中に事故に遭ったら・・・」 笠原輔 2012.3.16

この記事を書いたプロ

山下江

「相続」と「企業法務」を得意とする法律のプロ

山下江(山下江法律事務所)

Share
関連するコラム

山下江プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
0120-7834-09

 

・法律相談は完全予約制で行っております。
・原則、弁護士との面談形式でご相談に対応しております。

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

山下江

山下江法律事務所

担当山下江(やましたこう)

地図・アクセス

山下江のソーシャルメディア

youtube
YouTube
2019-11-01
rss
ブログ
2019-11-20
facebook
Facebook