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コラム

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談『最近「同一労働同一賃金」とよく聞きますが・・・』

2018年10月30日 公開 / 2020年4月9日更新

テーマ:法律相談/企業法務 ・労働 ・会社破産整理

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 同一労働同一賃金 対策退職 手続き退職金制度 導入

2018/10/29(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
『最近「同一労働同一賃金」とよく聞きますが・・・』


山下江法律事務所 同一労働 同一賃金

最近「同一労働同一賃金」とよく聞きますが・・・

Q: 今月は、「企業法務・労働問題」をテーマに、番組に寄せられましたご相談について、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 今日はいつもの江さん、ではなく、初登場となります、江さんの事務所、山下江法律事務所の松浦亮介(まつうら・りょうすけ)弁護士にお話を伺おうと思います。
 どうぞ、よろしくお願いします。

A: よろしくお願いします。

Q: 今日は42歳の男性からのご相談です。

 「私は現在、機械製造会社にて派遣社員として働いています。
 最近ニュースなどで『同一労働同一賃金(どういつろうどう、どういつちんぎん)』という言葉をよく聞きます。
 『同一労働同一賃金』ということは具体的にはどういうことなのでしょうか。
 最高裁の判例が出たり、法律の改正もあったやに聞いています。
 わたしにも何か影響があるのでしょうか。
 教えてください。」

と言う内容です。
 『同一労働同一賃金』、わたしもニュースで聞いたことはありますが、何だか難しそうです。
 わたしたちの給料に関係する話なんでしょうか。

A: 「同一労働同一賃金」というのは、ごくざっくりと言いますと、「同じ価値の仕事に対しては、同じ給料を払わなければならない」ということです。
 さらにいうと、
・同じ会社で働いている、正社員と非正規社員との間で、給料や各種手当てなどのいろんな待遇に、不合理な差を設けてはいけない(不合理な待遇差の禁止)、
・形式的には非正規社員であっても実態は正社員と同視すべき場合には待遇について差別的取り扱いをしてはいけない(差別的取り扱い禁止)、
といったものです。

Q: 難しそうですが、正社員と非正規社員の格差をなくす、ということですね。
 今回の相談者の方にも影響がありそうですね。

A: そうですね。
 相談者の方は派遣社員をされているということで、大きな影響があります。

Q: なんとなく分かってきましたが、最近になって、同一労働同一賃金という言葉を、よく聞くようになったのはなぜでしょう。

A: ニュースで耳にする機会が増えたのは、政府が進めている「働き方改革」の一つだからです。
 今年6月29日に通常国会で「働き方改革関連法」と呼ばれる法律が成立したのですが、この働き方改革関連法の重要な内容の一つが、この同一労働同一賃金についてのものなんです。
 同一労働同一賃金についての法改正は、大企業については2020年4月から、中小企業については2021年4月から適用と決まりました。

Q: なるほど。
 働き方改革で、新しく導入されるのですね。

A: 実は、まったく新しい制度、というわけではないんです。
 同一労働同一賃金の制度は、今の法律でも、一部ですでに導入されています。

Q: そうなんですか、では、働き方改革で何が変わるんですか?

A: 一番影響が大きいと思われるのは、同一労働同一賃金の適用範囲が派遣社員にも広がる、ということです。
 パートなどの短時間労働、雇用期間の定めがある有期雇用労働(いわゆる契約社員)、については、両者で若干差はあるものの、今も同一労働同一賃金が法律で規定されています。
 実際に、裁判も起こされていて、今年の6月1日には最高裁判所がこの問題についてはじめて判断を示して注目されています。
 一方、派遣社員については、いままでは、同一労働同一賃金を法的な義務として定めた法律がありませんでした。
 それが、今回の法改正で、派遣社員についても法律に明記されました。

Q: そういうことですか。
 それで今回の相談者の方には影響が大きいんですね。
 ということは、パート社員や契約社員には、今回の法改正は関係ないんですか?

A: いえ、派遣社員ほどの大きな変更ではありませんが、パート社員や契約社員の関係でも重要な変更がされています。
 例えば、雇用者の説明義務や、労働局での紛争解決手続などが規定され、非正規社員が救済を求めやすくなるようになるなどします。

Q: なるほど。
 同一労働同一賃金の中身についてもう少し知りたいのですが、同一労働同一賃金という言葉からすると、正社員と非正規社員とで給料がまったく同じになる、ということなんですか?

A: まったく同じ、というわけではありません。
 仕事内容や勤続年数などいろんな事情と、待遇の性質と目的とを合わせて考えたときに、「不合理」とされるような「違い」を設けてはいけない、というのが、同一労働同一賃金のメインの部分です。

Q:不合理な違いですか。難しそうですね。

A:例えば、基本給の一部が勤続年数に応じて決められる会社があったとします。
 勤続年数がまったく同じ正社員と非正規社員がいるとして、この勤続年数で決まる部分の給料額が正社員の方が多いとしたらどうですか。

Q: 働いた期間の長さが、平等に評価されていない気がします。

A: そうですよね。
 勤続年数で金額が決まるとしながら、実際には、勤続年数以外のこと、正社員か非正規社員かということで、金額に差が付けられているということになります。
 このような場合は、「不合理な違い」として、違法になります。
 他方で、基本給が、仕事内容や経験・能力あるいは転勤の有無などを基準にして決められる場合、正社員と非正規社員とでその同じ基準に沿うかたちで、基本給に違いがあっても、直ちに、「不合理な違い」ということにはなりません。

Q: やっぱり、ちょっと難しいですね。
 何が不合理で何が不合理じゃないかって、分かりにくいです。

A: 確かに「不合理な違い」というだけではよく分かりませんよね。
 何が法律で禁止されている「不合理な違い」に当たるのかが分からないと、非正規社員も雇用者も困りますよね。
 そこで、どのような違いが「不合理」とされるか、されないか、といったことについて厚生労働大臣がガイドラインを示すことになっています。

Q: 厚生労働大臣のガイドラインですか、どんな内容になるんでしょうね?

A: 実は、2016年12月に、すでに「同一労働同一賃金ガイドライン案」というものが公表されています。
 このガイドライン案の中では、基本給や賞与、各種手当てについて、「問題となる例」「問題とならない例」といった形で具合例が示されています。
 現在、正式なガイドラインの策定作業が進められていて、早ければ年内にも、決定されるようです。
 このガイドラインに着目して、何が「不合理な違い」とされるのか目安にできると思います。

Q: なるほど、具体例があると分かりやすいですね。
 自分の状況に似た例があれば、会社とも話しやすいように思います。

A: そうですね。
 厚生労働省のホームページで見ることができますので、実際に読んでみられるとイメージが沸くと思います。

Q: そうなんですね。
 覚えておきます。
 きょうの話をまとめると、働き方改革の一環で「同一労働同一賃金」についての法律が変わって、契約社員の方にも範囲が広がる。正社員と非正規社員の間での「不合理な待遇の違い」が禁止される。 その具体例については厚生労働大臣のガイドラインが参考にできる。ということですね。

A: はい。
 「同一労働同一賃金」については、今年、法改正に加えて、最高裁判所の判断も出ており、今後ますます重要な問題になっていくと思います。
 なかなか複雑なテーマでもあり、きょうはさわりのご紹介だけになりましたが、ここで、関連するセミナーの告知をさせてください。
 丸子さん、山下江法律事務所では年3回、企業向けのセミナーを開催しておりまして、次回、11月22日開催のセミナーでは、きょうお話した「同一労働同一賃金」をテーマにして開催する予定です。
 「法改正と最新判例でみる、『同一労働同一賃金』」と題して、わたしがもう少し詳しく説明します。
 丸子さんも是非参加してください。

Q: え、そうなんですか。
 是非行きたいですね~。

A: お待ちしております。
 リスナーの方もご興味ありましたら、この後丸子さんからご案内がありますフリーダイヤルまでお問い合わせください。
 セミナー開催日は、11月22日(木)です。
 18時30分から上八丁堀のアーバンビューグランドタワーで開催予定です。
 セミナー後は、懇親会も予定しています。


Q: 重要な法律が変わるので、1度は勉強をしておく必要がありそうですね。
 企業のみなさんも一度、相談に出向いてみてはいかがでしょうか?
 今日は、「同一労働同一賃金」についてお話を伺いました。
 松浦さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ 
「自己破産手続きは自分でもできますか」について
2018/11/5 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

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