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弁護士コラムvol.182 「練習中の高校球児にけがを負わされたら」 廣田 麻由美

2018年8月24日 公開 / 2019年3月26日更新

テーマ:弁護士コラム/いろいろ

練習中の高校球児にけがを負わされたら


山下江法律事務所 岩国支部 弁護士 廣田麻由美
金足農業の活躍で盛り上がった夏の甲子園も終わり,だんだんと秋の気配が感じられるようになってきました。
甲子園のニュースでは,華やかな舞台の裏で,高校球児たちの日頃の厳しい練習風景なども取り上げられていました。
さて,高校球児に限らず,部活動の練習中に,部員が怪我をする,あるいは第三者にけがをさせてしまうといった出来事はそんなに珍しくないように思います。
そこで,第三者の立場で,もし部活中の高校生にけがを負わされたら誰に法的責任を問えるのか,ということを考えてみましょう。

まず,直接の加害者である高校生に対しては,その高校生に過失が認められれば,損害賠償請求を行うことが可能でしょう。
では,その高校生の所属する学校に対してはどうでしょうか。
ある裁判例(大阪地裁判決昭和55年7月11日判タ423号114頁)では,信号待ちをしていたところ,部活動でランニング中の高校生に突き飛ばされ,けがをしてしまったという事案で,被害者が加害高校生及び学校側を相手方として損害賠償請求をしたのに対し,学校側の責任を否定しました。
学校側の責任を否定した理由については,概ね以下のとおりです。
まず,学校側には,部活動の生徒を指導監督する義務がありますが,その義務の内容としては,逐一生徒の行動と結果について監督する義務まではないとされました。そのうえで,この事案で問題となったランニング行為自体,通行人に衝突する危険性が客観的に高いものではない以上,学校側がランニングについて何らの注意を与えなかったことをもって,指導監督義務違反があったとはいえないとされたのです。

ご紹介した裁判例では学校側の責任が否定されましたが,事故の態様,練習自体の危険性の程度,それに対する学校側の認識等の事情により,学校側の責任が認められる可能性もあると思います。
このような事故の被害に遭われた場合には,是非当事務所までご相談ください。


 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 廣田 麻由美   (山口県弁護士会所属)

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