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弁護士コラムvol.181 「執行猶予ってなに」 岡 篤志

2018年8月3日 公開 / 2019年2月22日更新

テーマ:弁護士コラム/刑事

執行猶予ってなに


山下江法律事務所 弁護士 岡篤志
 あなたは執行猶予という制度を知っていますか?
 よくテレビなどで「懲役1年執行猶予3年」などと耳にします。この「執行猶予」という言葉。なんとなく意味は理解しているという方が多いと思いますが,どのような制度なのか詳細を知っている方は少ないようです。
 そこで今日は,執行猶予について説明したいと思います。

1 執行猶予とは
 執行猶予の付いていない刑を俗に実刑と言います。裁判で懲役1年の実刑が言い渡されると直ちに刑務所に入らなければなりません。
 しかし懲役の刑に執行猶予が付いている場合,裁判が確定しても直ちに刑務所に入らなくてもいいです。言葉のとおり刑の執行が猶予されるのです。
 それでは無罪と変わらないのではないかと思われるかもしれませんが,そうではありません。
 執行猶予の場合,被告人は有罪であると裁判され,これに科すべき刑もはっきり決められます。そのため,前科として残ります。また,裁判で言い渡された執行猶予の期間内に再び罪を犯したりすると,執行猶予は取り消されます。そして決められたとおりの刑が執行されることになります。

2 なぜ執行猶予があるのか
 刑罰を科す目的には,悪いことをすればそれ相応の罰があるべきということが前提です。そして罪を犯すと罰を受けるのだということを,世間の人に知らせ他の者が罪を犯さないようにすることも目的の1つです。
 他にも刑罰には,犯人がその過ちを反省し人間として立ち直らせるという重要な働きもあります。
 比較的軽い罪を犯したような場合で,犯人が反省し今後はまじめに生きると誓っているようなときは刑の執行をする必要はないともいえます。逆に刑務所に入れると,投げやりになり立ち直るという決意が崩れかえって悪くなる可能性もあります。
 そこで執行猶予の制度が考え出されたのです。
 罪を犯しながら日常生活に戻るということに違和感を覚えるかもしれません。しかし,もっと広い視点で見ると執行猶予が必要かどうか判断できると思います。
 刑事事件に関することはお気軽に当事務所の弁護士にご相談下さい。


 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 岡 篤志   (広島弁護士会所属)

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