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コラム

弁護士コラムvol.176 「近所間の騒音トラブル」 久井 春樹

弁護士コラム/いろいろ

2018年5月25日 / 2018年8月21日更新

近所間の騒音トラブル



1 昨今、騒音をめぐってご近所同士でトラブルになるケースが散見されます。言うまでもありませんが、人が生活していく中で、全く音を出さないということは不可能です。様々な生活音が生じるのはお互い様なので、社会共同生活を送る上で一定の限度までは受け入れて我慢しなければなりません。
 それでは、どの程度の騒音が、法律上、問題とされ得るのでしょうか。

2 こうした騒音は、裁判では「受忍限度」という問題として論じられ、騒音を出す行為の性質と内容、地域環境、騒音を出す行為の開始とその後の継続の経過及び状況、その間にとられた被害防止措置の有無や内容・効果等の事情を考慮して総合的に判断されることになります。受忍限度を超える騒音と認定すれば、裁判所は損害賠償を命じたり、音を出す行為をやめるよう指示したりする判断を出しています。

3 具体例として、東京地裁平成19年10月3日判決では、マンションの階上の部屋で子どもが廊下を走ったり跳んだり跳ねたりする音が、階下の住民受忍限度を超えるとして子どもの親に慰謝料30万円の損害賠償責任を負わせました。問題が起きたマンションは、床の遮音性能がやや劣る水準であった上、ファミリー向けの物件で子どもが居住することが予定されていました。それでも、問題の音が数値で見てもかなり大きく聞こえるレベルで長時間連続して聞こえるものであったことに加え、音を出す側としては子どものしつけ等住まい方を工夫し、苦情を訴えてきた階下の住人に対して誠意ある対応をとるべきであったのにそれをしなかったということが考慮され、受忍限度を超えるという判断となっています。

4 実際にトラブルになってしまった場合、マンションの管理組合等に間に入ってもらっての話し合い、民事調停や弁護士会の紛争解決(仲裁)センターへの申立て等、様々な対応が考えられます。トラブルに巻き込まれてしまった場合は、是非一度弁護士にご相談ください。


 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 久井 春樹   (広島弁護士会所属)

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