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コラム

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「閉経後の女性も再婚禁止期間があるのですか」

法律相談

2018年5月8日 / 2018年8月17日更新

2018/5/7(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「閉経後の女性も再婚禁止期間があるのですか」



閉経後の女性も再婚禁止期間があるのですか

Q: 今月は、「離婚・男女トラブル」をテーマに、番組に寄せられましたご相談について、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 58歳の女性の方からの質問のメールがきています。

 「以前この番組で、女性の再婚禁止期間に関して、最高裁判所の判決が出て、前の民法の条文の一部が無効になったという話を聞いたことがあります。
 そのときに、確か、父親がだれかを推定する際に、一定の再婚禁止期間を設けないと、父の推定が重複するおそれがあるからこの条文が制定されたと聞きました。
 その時は何気なく、特に問題意識もなく聞いていたのですが、この度、自分の問題を考えたときに、ちょっと違和感を覚えました。
 先日私の離婚が成立し、再婚をしようとしたときに、この民法の規定のことを思い出しました。
 私はすでに閉経しており、子どもが生まれる可能性がありません。
 そのような場合にも、この規定が適用されるのかと疑問を感じている次第です。
 適用されるのはおかしいのではと思うのですが・・・」

という質問です。
 さて江さん、どうなんでしょうか。

A: もっともなご意見と思います。
 従来から行政上の婚姻手続きにおいては、67歳以上の女性の再婚については、再婚禁止期間の適用はないことになっていました。
 これは、昭和39年5月27日民事甲1951号の法務省民事局長回答で示されています。
 67歳以上は、受胎能力がないと判断したものと思われます。

Q: え~!
 67歳ですか!
 それは、遅いですね。
 人により差はあると思うのですが、女性の閉経はもっと早いのでは・・・

A: そうですね。
 確かに・・。
 それで、民法の条文解釈の権威ある解説本を調べたら、同じ法務省民事局長回答で、67歳ではなく、55歳と記載してあるものがありました。
 それで、どちらが正しいのか、広島市役所、法務省に問い合わせしましたら、やはり、67歳だということです。

Q: そうですか。
 疑問に思いますね。
 ところで、現在の再婚禁止期間を定めた民法の条文ではどのようになっていますか。

A: はい、再婚禁止期間を定めた現在の民法733条について説明しましょう。
 もともと、この条文は再婚禁止期間を6か月と定めていました。
 以前この番組でも話したように、平成27年12月16日、この条文について100日超過部分は憲法違反だとする最高裁判所の判決がでました。
 父子関係があると推定される「父子の推定」の重複(離婚前の夫の子か再婚後の夫の子か)を避けるためには、再婚禁止期間は100日で足りると最高裁判所が判断したのです。
 これにより、同条文は改正されました。

Q: 具体的には、現在の条文はどうなっているのですか。

A: はい、733条第1項は、「女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。」とあります。
 そして、第2項には、「前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。」とあり、2つの場合が規定されています。
 「一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合 二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合」
 この2つでいう「前婚の解消又は取消し」ということで一番多い例は離婚ですから、離婚と読み替えてもほぼ問題ないと思います。
 ですから、この条文は、原則女性には、100日間の再婚禁止期間があるが、次の2つの場合には適用がない。
 すなわち、離婚の時に懐胎・・妊娠していなかった場合と、離婚の後で出産した場合ということになります。

Q: ということは、離婚のときに妊娠していないことを証明できれば、再婚禁止期間の適用ないことになるのですね。
 具体的にはどうすればいいのでしょうか。

A: はい、広島市役所に問い合わせたところ、妊娠していないことの証明書をお医者さんにもらい役所に持参すれば、再婚禁止期間の適用はなく、再婚に際しての婚姻届けを受け付けてもらえるということでした。
 または、すでに閉経している場合は、その旨のお医者さんの証明書をもらってくることでもオッケーとのことでした。

Q: なるほど。
 年齢に関係なく、妊娠していないことのお医者さんの証明があれば、再婚禁止期間の適用はないということなのですね。
 67歳以上でなくてもよくなったのですね。

A: はい、そういうことです。
 また、もう一つの例外「離婚後に出産した場合」ですが、これは、戸籍を見れば一目瞭然ですから、問題はないと思います。

Q: しかし、女性にだけ、このような負担を負わせるのは不公平な気もしますが・・。

A: おっしゃられるとおりですね。
 女性の不公平感はいなめないですね。
 ぼくは、この規定は、女性の幸福追求権を妨げる規定になっていると思います。
 他国の例を見ますと、ドイツでは1998年に、フランスでも2005年から、女性の再婚禁止期間制度は廃止されており、世界的にも再婚禁止期間を設けない国が多くなっています。

Q: 日本はだいぶ遅れているのですかね。

A: はい、そう思いますね。
 ぼくは、子の父が誰かは、その母が、そして父が決めることだと思っています。
 母が一番よく知っているはずですが・・。
 そして、万一、生物学上の父は誰かが争いになったときは、DNA鑑定をすれば99%以上(ほぼ100%)の確率で判明するのですから、それに従えばいいと思います。

Q: まあ、ともかく、相談者の場合は、医師に閉経の証明書をもらえば、再婚届けはすぐにでもできるということですね。

A: はい、そのとおりです。

Q: 相談者の方、分かりましたでしょうか。
 お悩みやお困りごとがある方は、是非、山下江法律事務所にご相談いただければと思います。
 現在、個人の相談については、無料相談を実施中です。
 ここで山下江法律事務所の相談予約のフリーダイヤルをお伝えしておきましょう。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「閉経後の女性も再婚禁止期間があるのですか」というご質問に答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。

A: ありがとうございました。

Q: 山下江法律事務所には、テーマ曲があります。
 そのサビの部分はこの番組でも毎回バックグランドミュージックとして流しております。
 毎月最初の週の放送では全曲を流しますので、お聞きください。


■次回のテーマ 
「同僚の夫から不倫慰謝料請求書が届いた」について
2018/5/14 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

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