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山下江法律事務所

コラム

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「遺言書の内容に納得がいかない」

法律相談

2018年5月1日 / 2018年8月17日更新

2018/4/30(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「遺言書の内容に納得がいかない」



遺言書の内容に納得がいかない

Q: 今月は、「相続・遺言」をテーマに、番組に寄せられましたお悩みについてお答えしています。
 今日は、43歳・女性の方からメールが届いております。
 江さん、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 早速ご紹介しましょう。

 「先生、教えてください。
 先日主人の祖母が亡くなりました。
 主人の両親は早くに死亡し、亡くなった祖母が親代わりに主人と主人の妹を育ててくれたと聞いています。
 主人はおばあちゃん子で、これまでの恩を返したいと、亡くなるまで気にかけていました。
 先日、祖母の家を片付けていた時、タンスから遺言書が出てきました。
 家庭裁判所で検認し、主人と妹が開封に立会いました。
 法定相続人は主人と妹しかいないのですが、その遺言には、財産の全てを主人の妹に相続させると書いてあったらしいのです。
 主人の妹は、子どもを3人抱えて離婚し、慰謝料ももらっていないという話は聞いていましたが、祖母にしてみれば、これから先、女手一つで3人の子どもを育てていくのは大変だろうと、相続を決めたようでした。
 気持ちも分からなくはないのですが、うちにも受験を控えた息子が2人おり、物入りなのが現実です。
 財産を目当てにしていたわけではないのですが、兄妹なのに、あまりにも受け取りに差があり、納得できずにいます。
 しかし、遺言に書いてある限り、どうしようもないのでしょうか?
 せめて、半分ずつにでもなればうれしいのですが…。」

というご相談です。
 なるほど~。
 現実的なご相談ですね~。
 さぁ江さん、どうなんでしょう?
 遺言が見つかった以上、その通りにしないといけないのでしょうか?
 教えてください。

A: 遺言は故人の意思ですから、大切に扱わなければならないものです。
 だからといってその通りにすると、今回のご相談のように不公平感が生じることも確かにあります。
 遺産は遺された相続人の話し合いで分配を決めることもできます。
 遺言があったからといって、必ずしも、遺言通りにしなければならないということではありません。
 もっとも、この相談者の場合には、妹の同意がいりますが。
 また、妹の同意が無くても、相談者は一定部分を権利として主張できます。

Q: では、ご相談者の旦那様も一定の遺産を相続できる可能性があるんですね。
 あっ江さん、あれですか?遺留分ですか?

A: そうです。
 丸子さん、大正解です。
 「遺留分」とは、被相続人の兄弟姉妹を除く、法定相続人に保障されている権利で、遺言よりも優先して、一定の範囲で相続財産を取得できる権利です。
 たとえ、全財産を他人に承継させる内容の遺言があっても、遺留分の権利を持っている者は遺留分の範囲で、相続財産を取得できるのです。

Q: そもそも遺留分とは、どうして制定されているのでしょう?

A: 例えば今回のご相談のように「妹に全ての財産を相続させる」と遺言に残してしまうと、その他の残された家族は生活に困ってしまうことがあるかもしれませんよね。
 また、法定相続人の中には、遺産を相続できると期待している場合もあるでしょう。
 遺言は、大切に扱われるべきものですが、極端な遺言内容で相続人が困ってしまってはいけません。
 これらを対処するため、法は「遺留分」という権利を認め、法定相続人の利益を、一定の範囲で保障していくとしています。

Q: 一定の範囲には、確か、決まりがありましたよね?

A: はい。
 遺留分を相続できる人とその割合は、法律で定められています。
 今回のご相談に応じてお話ししますと、被相続人の法定相続人が孫2人ということになります。
 この場合の遺留分は、相続分の2分の1となります。
 この2分の1の遺留分を2人で分けることになりますので、相談者の遺留分は、全体の遺産の4分の1ということになりますね。

Q: なるほど~、相談者は半分でも…とおっしゃっていますから、さらにその半分の4分の1となると、これも納得できないかもしれませんね。

A: う~ん、そうですね。
 しかし、遺留分という制度を知らなければ、財産は受け取れなかったかもしれませんから、前向きに考えるしかないでしょうかね。

Q: それもそうですね。
 ただ、江さん、この「遺留分」は、法的に手続きをして請求を出さなけれいけませんでしたね。

A: その通りです。
 黙っていては遺留分を取得できません。
 「遺留分」を請求するには「遺留分減殺請求」を起さなければなりません。

Q: この場合だと、誰に対して請求を行うのですか?

A: 相続を受けて、遺留分を侵害している相手、今回の場合だと、ご主人の妹に向けて請求をすることになります。
 ここで気を付けておかなければならないのが、「遺留分」の請求には期限がある、ということです。

Q: そうでしたっけ?
 期限がありましたか?

A: 相続開始、および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年以内に請求を起さなければ効力を失います。

Q: 1年以内ですね。
 では、どのようにして請求すればよいのかも、教えてください。

A: 「遺留分減殺請求書」というものを、遺留分侵害者、この場合は妹ですが、に対して発送します。
 きちんと証拠を残しておくことが、今後何らかのトラブルに発展した際にも有効となりますので、確定日付付き内容証明郵便にて送付をしてください。
 請求は、個人でもできますが、「遺留分」を巡っては争いごとに発展するケースも少なくありません。
 ですから、弁護士など、法律の専門家に相談されることをお勧めします。

Q: よくわかりました。
 「遺留分」と「遺留分減殺請求」についてお話いただきました。
 是非、この権利を主張して、相続問題が争いに向かわないようにしていただきたいと思います。
 それではここで、山下江法律事務所の相談予約のフリーダイヤルをご紹介しておきましょう。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは、0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「遺言書の内容に納得がいかない」というご相談に、答えていただきました。
 江さん、今日もありがとうございました。
 

■次回のテーマ 
「閉経後の女性も再婚禁止期間があるのですか」について
2018/5/7 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

「相続・遺言でお悩みの方へ」

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