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山下江法律事務所

コラム

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「遺言書の書き方を教えて欲しい」

法律相談

2018年4月24日 / 2018年8月17日更新

2018/4/23(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「遺言書の書き方を教えて欲しい」



遺言書の書き方を教えて欲しい

Q: 今月は、「相続・遺言」をテーマに、番組に寄せられましたご相談について、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は61歳、男性からのご相談です。

 「私は今年の誕生日、晴れて仕事を退職し、隠居生活に入りました。
 今は毎日が休日で、時間を持て余しています。
 きっとしばらくすると、こののんびりとした時間の流れにも慣れていくのでしょうが、今は何もしない時間が、若干もどかしい気もしています。
 そこで、この時間を使って、遺言書でも書いておこうと思い立ちました。
 ただ、いざ、ペンを持っても、何からどう書けばいいのかわからず、困っています。
 そもそも、私には妻と一人娘しかおらず、家族みんなが仲が良いので、遺言がいるのかという疑問まで湧いてきました。
 遺言書は残しておいた方がいいものなのでしょうか?
 それとも、揉めそうな場合に限り、書いておくべきなのでしょうか?
 もし、誰でも書いておいた方が良いということであれば、是非、遺言書の書き方を教えていただきたいのです。
 よろしくお願いします。」

という内容のメールをいただきました。
 確かに、仲の良い家族であれば遺言書はいらないんじゃないかと思ったりもしますが、江さん、どうなんでしょう?

A: 遺言書は必ずしも残しておかなければならないものではありません。
 しかし、書こうという気持ちになられているのであれば、是非、残しておいていただくことをお勧めします。

Q: 今月の初めの番組でも、遺言書をかいておけばトラブルにならなかったかもしれない。という内容のお話しをしましたが、やはり遺言書はないよりはあった方がいい。ということなんでしょうね。

A: その通りです。
 遺言書が無い場合、亡くなった人、すなわち被相続人の遺産は、相続人全員の協議によって分割されることになります。
 民法には、各相続人が取得できる法定相続分が定められております。
 これを基準にして遺産分割協議を成立させることも多いのです。

Q: 遺産の分け方を相続人間で協議することになりますから、そこに、被相続人の意見は反映されないということになりますね。

A: そういうことです。
 遺言書が、もしあったら、一部の相続人に法定相続分より多い遺産を相続させたり、相続権のない人に、遺産を与えることもできるのです。

Q: 遺言書を書くことによって、自分の思いを伝えることができるわけですね。

A: そうです。
 しかし、効力のある遺言書を作っておかなければ、逆にトラブルとなったり、相続人に迷惑をかけてしまったり、ということもあるので、注意が必要です。

Q: 遺言書を書けばいいということではなく、効力のある遺言書を作っておくことが大切なんですね。
 それでは江さん、効力のある遺言書の書き方を教えてください。

A: はい。
 番組ではこれまでにも遺言書の方式だとか種類を紹介してきました。
 今日は、数ある遺言書のタイプの中でも、特に一般的によく使う遺言書を取り上げて、説明をしていきたいと思います。
 「自筆証書遺言」というものと「公正証書遺言」と言われる遺言書です。

Q: 「自筆証書遺言」は、自分で考えた通りの内容を自由に書け、証人もいらない、手軽に作れるものでしたね。

A: そうですね。
 「自筆証書遺言」は、遺言者本人が全文を自筆し、作成日を書いて署名押印するものです。

Q: 費用もかからず、思い立った時に書けるので、身近な遺言書といえますね。

A: はい。
 しかしこの遺書にも、有効なものとするために気を付けなければならない点があります。
 まず、遺言者本人が全文自筆しないと遺言としては無効となります。
 遺産分割の対象となる相続財産について、誰に何を相続させるのか特定できるように表記します。
 預金の場合には、銀行、支店、口座番号、口座の種別など、土地の場合は、登記上の地番までを明確に書いておくことが賢明です。

Q: そこまで明確にしておくべきなんですか?

A: もちろんです。
 解釈の余地の残る書き方では、その不明瞭な部分が争いの種になることもあります。
 明確に分かっていることについては、多少、面倒でも、きちんと明記しておくといいですね。

Q: ここは大切なポイントですね。
 他に、気を付けたいことはありますか?

A: 遺言書を書いたら、日付をきちんと書いておきます。
 これは、同じ人の遺言書が複数でてきた場合、有効となる遺言書は日付が一番新しいもの、すなわち、一番後に書かれたものとなります。
 ですから、何年何月…で終わらさず、日にちまで書くようにしてください。

Q: 同じ人から、複数の遺言書が出てくるなんてこと、あるんですか?

A: 意外によくある事例なんですよ。
 一旦作成したけど、内容を書き換えて、新たに作成していたり、書いたものをどこにしまったかわからなくなって、また作成しなおして、結局どちらも見つかってしまったケースなんかもあります。
 特に「自筆証書遺言」は、一人で書いて作れるものですから、複数の遺言書が存在していてもおかしくはないんですよ。

Q: なるほど、では、以前に書いたものは、新たに書き換えた時、ちゃんと処分しておくということも大事ですね。
 しかし、「自筆証書遺言」は、手軽なものですが、全てを自分一人で書いて封をしてしまうので、チェック機能がないという点については、気を付けておかないといけないですね。

A: その通りです。
 また、遺言書の保管場所にも気を付けておかないと、必要な時に見つけてもらえなかった、紛失してしまった…などのトラブルも起こり得ます。

Q: それでは、せっかく作った遺言書も意味がありませんね。
 効力を重視した遺言書を作成するには、やはり「公正証書遺言」を作る方がいいでしょうか。

A: 「公正証書遺言」は、遺言者が証人2人の立会いの下、公証人に遺言内容を伝えて作成してもらいます。
 専門家が関与することから、形式の不備等で無効になることはほとんどありません。
 また、遺言書は公証役場で保管されることになりますから、紛失したり、見つけてもらえなかったり、という心配はありません。
 しかし、遺言書を作り、保管してもらうことになるので、他人の力が必要となり、その分、費用が発生します。

Q: 費用がかかるとはいえ、安心できるのは「公正証書遺言」ですね。

A: そう思います。
 遺言書の記載内容を実行する際にも、「自筆証書遺言」は家庭裁判所の検認手続きが必要ですが、「公正証書遺言」は検認の手続きは不要です。

Q: 相続人も手間が省けることになるので、助かりますね。

A: そうですね。
 遺言を残しておこうと思われたら、ご自身で作成することもできますが、万が一のことを考えて、「公正証書遺言」を選ばれるといいかもしれませんね。
 その前に、私たち弁護士に相談していただくと尚、良いと思います

Q: それでは相談予約のフリーダイヤルをお伝えしておきましょう。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「遺言書の書き方を教えて欲しい」という質問に、答えていただきました。


■次回のテーマ 
「遺言書の内容に納得がいかない」について
2018/4/30 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

「相続・遺言でお悩みの方へ」

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