まちの専門家をさがせるWebガイド マイベストプロ広島
山下江

「相続」と「企業法務」を得意とする法律のプロ

山下江(やましたこう)

山下江法律事務所

コラム

弁護士コラムvol.173 「遺産相続でもめないために」 加藤 泰

弁護士コラム/相続・遺言

2018年4月6日 / 2018年9月18日更新

遺産相続でもめないために


山下江法律事務所 弁護士 加藤泰
 自分が亡くなった後どうなるか不安はありませんか?
 子どもたちやその配偶者たちが遺産をめぐって醜い争いをしてしまうのではないかと心配されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 そのような争いを回避するための方法について今日は遺言・遺言執行者の指定,そして遺留分の放棄について紹介いたします。

<遺言と遺留分>
 まずは遺言です。誰にどのように相続させるかについては法律に規定があります。しかし,その法律のルールは遺言がない場合についてのルールです。あなたは自分の意思にしたがって,自分の財産を誰にどのように承継させるかを決めることが出来ます。ただし,遺留分を侵害するような決め方をした場合には,あなたの意思どおりにならないことがあります。
 遺留分とは,遺産について一定の割合を受けることを保証するものであり,兄弟姉妹以外の相続人に認められます。妻と子ども2人が相続人のケースの場合,妻には遺産の4分の1,子どもにはそれぞれ8分の1ずつの遺留分があり,相続で得られる遺産がそれを下回る場合には遺留分を侵害されているとして遺留分に配慮して遺産を分けるように他の相続人などに求めることが出来ます。

<遺留分の放棄>
 もっとも,家庭裁判所の許可を受けて遺留分を放棄することは認められています。遺留分の放棄が認められるためにはすでにそれに見合う遺産の前渡しを受けていることなどの合理的な事情が必要となりますが,この手続を行っておくことによって,確実に遺留分をめぐる争いを防ぐことが出来ます。生前贈与を行う際に遺留分の放棄について話合ってみるのもよいかもしれません。生前贈与を受けるときには納得していても,時間の経過と共に遺産が欲しくなって遺留分の主張をしてくる相続人やその代襲相続人がいるケースは少なくありません。遺留分の放棄は遺産分割での争いを防ぐための1つの良い方法といえます。

<遺言の作成>
 遺産の行方についての自分の意思を明らかにしておくものが遺言です。故人が様々な人に様々なことを話していたために,故人の本当の遺志が分からずに揉めることは本当に多いです。争いを避けるためには遺言書を作成するとよいでしょう。
 遺言は,民法の定める方式に従わなければ無効になってしまいます。無効であれば法律上遺言としての意味をもたなくなるので注意が必要です。
 遺言を作成するときには具体的な分割方法を定めることに加えて遺言執行者を指定するとよいでしょう。遺言執行者は遺言の内容を実現するために相続人らを代理する権限を与えられます。どなたでも遺言執行者に指定することも出来ますが,専門家である弁護士を選任しておくと,遺言内容に不満がある相続人がいたとしても遺産分割はスムーズに進むはずです。

 遺言の作成,遺言執行者の選任などについては,当事務所にご相談下さい。


 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 加藤 泰   (広島弁護士会所属)

弁護士  加藤 泰のプロフィール

■山下江法律事務所HP「相続お悩みの方へ」

■弁護士コラムバックナンバー【相続・遺言】
・vol.167 「暴力息子にも自分の財産を相続されてしまうの?」 廣田 麻由美 2018/1/12
・vol.154 「適切な親の財産管理」 小林 幹大 2017/11/10
・vol.154 「相続放棄はいつでもできるか?」 柴橋 修 2017/7/7
・vol.152 「死んだら散骨してほしい!遺言に書いておけばいいの?」 廣田 麻由美 2017/6/9
・vol.151 『最近「終活」ってよく聞くけど必要?』 岡 篤志 2017/5/26
・vol.149 「相続放棄をすれば何も心配いらないの??」 宮部明典 2017/4/28
・vol.147 「法定相続情報証明制度が始まります」 青山慶子 2017/3/31
・vol.145 「預金債権と相続」 松浦亮介 2017/3/3
・vol.137 「続・相続における預金の取扱いについて」 宮部明典 2016/11/11
・vol.135 「共有物の分割」 青山慶子 2016/10/14
・vol.132 「遺言と遺留分」 加藤泰 2016/9/2
・vol.128 「遺言能力はどのように判断されるのか」 加藤泰 2016/7/8
・vol.127 「墓などの祭祀財産は一般の相続財産とは異なるルールで承継されます。」 笠原輔 2016/6/24
・vol.126 「遺産分割協議の解除と負担付遺贈」 山口卓 2016/6/10
・vol.125 「遺言書を見つけたら」 稲垣洋之 2016/5/27
・vol.122 「相続における預金の取扱いについて」 宮部明典 2016/4/1
・vol.117 「遺言書を作る理由」 松浦亮介 2016/1/22
・vol.113 「夫が亡くなりました。同居している義母に出て行ってもらうことはできますか?」 加藤泰 2015/11/27
・vol.103 「嫡出推定と法律上の父子関係」 松浦亮介 2015/7/10
・vol.99 「未成年の子どもがいる方は遺言を書こう」 加藤泰 2015/5/15
・vol.96 「相続人がいない人の遺産はどうなるの?」 稲垣洋之 2015/4/3
・vol.93 「遺産分割協議と行方不明者」 青山慶子 2015/2/20
・vol.92 「亡くなった親の介護をしていた相続人は通常より多くの遺産を取得することが出来るのか」 久井春樹 2015/2/6
・vol.89 「相続税制の改正」 松浦亮介 2014/12/26
・vol.83 「遺言無効確認訴訟」 山口卓 2014/10/3
・vol.78 「成年後見制度とは何ですか?」 新名内沙織 2014/7/18
・vol.71 「これからの信託」 加藤泰 2014/4/4
・vol.70 「将来認知症等になった場合に備える任意後見契約」 笠原輔 2014/3/20 
・vol.66 「エンディングノート」 副所長 田中 伸  2014/1/24
・vol.59 「非嫡出子の相続分」 城 昌志 2013/9/27 
・vol.58 「嫡出でない子」 齋村美由紀 2013/9/13
・vol.52 「相続(その4)」 副所長 田中伸 2013.6.21
・vol.46 「相続でトラブルになりやすいケースについて」 蔦尾健太郎 2013.3.22
・vol.43 「ペットに財産を残せるか」 山本淳哲 2013.2.8 
・vol.41 「身近な人の判断能力に衰えを感じたら」 片島由賀 2013.1.11
・vol.38 「遺産分割の対象となる財産の範囲」 山口卓 2012.11.22
・vol.35 「相続(その3)」 副所長 田中伸 2012.10.12 
・vol.28 「遺産相続でもめた場合には」 城昌志 2012.7.6 
・vol.26 「遺言書の方式」 山本淳哲 2012.6.8 
・vol.19 「成年後見制度について」 山口卓 2012.3.2
・vol.16 「相続(その2)」 副所長 田中伸 2012.1.20
・vol.9 「遺産相続でもめないために」 齋村美由紀 2011.10.7
・vol.1 「相続」 副所長 田中伸 2011.6.17

この記事を書いたプロ

山下江

山下江(やましたこう)

山下江プロのその他のコンテンツ

Share

山下江プロのその他のコンテンツ