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山下江法律事務所

コラム

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「契約解除はどうやって行えばいい?」

法律相談

2018年3月20日 / 2018年9月21日更新

2018/3/19(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「契約解除はどうやって行えばいい?」


契約解除 相談 広島 弁護士

契約解除はどうやって行えばいい?

Q: 今月は、「企業法務・労働」をテーマに、番組に寄せられました様々なご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: よろしくお願いします。

Q: 48歳、女性の方からのご相談です。

 「私はちいさなカフェを経営しています。
 お客様を増やすには広告が必要だと言われ、駅に看板広告を出すことにしました。
 始めは先行投資だと思っていましたが、意外にこの広告費が収支に影響を与えています。
 口コミでお客様も徐々に増えており、広告掲示をやめたいと代理店に相談しましたが、契約違反になるのでムリです。と言われました。
 広告を出す際にいただいた企画書には、条件として1年以上の掲示と記載されていました。
 今回改めて契約の解除をお願いしたのは2年目に入ってすぐの月です。
 1年以上は続けたので大丈夫だと判断したのですが、代理店が言うには、1年毎の契約なので、新たな契約期間が始まったばかりだというのです。
 1年目にも止めたいと言っていたので、勝手に自動更新をするのではなく、打診をして欲しかったと訴えましたが、中途解約をするなら、違約金が必要になるので、このまま広告を出していた方がお得です。と言われました。
 見解の違いかもしれませんが、もう1年、看板を出すのは正直、しんどいのです。
 契約解除、あきらめるしかないのでしょうか?」

というご相談です。
 契約を解除した…という話は、聞いたりしますが、そんなに難しいものなのでしょうか?
 江さん、教えてください。

A: まずは、契約そのものについてお話しましょう。
 契約は、法的な拘束力を持った約束です。
 ですから、容易に解消することはできない!というのが一般的な見解です。

Q: あら、私の認識が浅かったですかね?

A: そうかもしれませんね。
 契約は、当事者の一方の申し込みの意思表示と、もう一方の当事者の承諾の意思表示が合致した場合に成立する法律行為です。
 契約が成立すると法的な拘束力が発生しますから、契約を容易には解消することができなくなる…というわけです。

Q: なるほど…しかし、私なんかは、司会のお仕事をいただいていたのに、急遽NGが出て、「すみません、今回の話はなかったことに。」と言われ、そのままスケジュールを解除したこととか、結構ありますよ。
 これも、契約の解除ですよね?

A: そうですね。
 ただ、今のお話では、丸子さんが同意して、納得したからこその解除ということなので、問題はありません。
 そのような解除を合意解除といいます。

Q: あぁ、なるほど、お互いに納得してしまえば、いくら契約を結んでいたとしても問題なく、解除ができるということですね。

A: はい。
 契約解除で揉めてしまうのは、契約をした双方のうち、一方が解除に応じない場合です。

Q: しかし、契約内容によっては解除できないと困ることもありますよね?

A: そうですね。
 例えば、1年契約をして、毎月印刷物の作成をまかせていたとします。
 何度も誤字脱字があったり、納期が遅れたり、紙が破れていたり…という場合、いくら1年の期間を以って契約をしていていたとしても、このまま付き合っていくのは難しいですよね。

Q: たしかにそうですね。
 いい加減にして欲しい!という気持ちになりますね。

A: 例えばこのような場合に法律は、相手方の同意が無くても契約を解除できるとしています。
 このような解除を「法定解除」と言います。
 ようするに、相手方が債務を履行しない場合に発生する解除権です。
 履行というのは、相手方が約束の通りに実行することを言います。
 約束通りに実行してくれないから解除だというわけです。
 このような場合の解除を「債務不履行による解除」と言います。

Q: なるほど、このように、約束を実行しなかったということが明確になれば、契約の解除ができるということですね。

A: 債務不履行には次の3つの態様があるので、補足しておきましょうかね。

Q: はい。
 お願いします。

A: 一つ目は、履行遅滞と言って、相当期間を定めて履行を促したにも関わらず、相手方が履行しない時。
 次に、契約の相手方が内容を履行する前に倒産などしてしまって履行不能な場合。
 そして3つ目が、不完全履行と言うもので、履行された目的物に欠陥があったり、履行の方法が不完全な場合。
 これら3つ、すなわち履行遅滞、遅効不能、不完全履行については、契約の解除が可能となります。
 これが、債務不履行解除です。

Q: なるほど、契約の解除は、双方の同意に基づき納得をすれば、合意解除ができ、そうでない場合は、債務不履行による解除ができるということですね。
 今回のご相談の看板掲示の契約解除は、これまでにお話いただいたものには、当てはまらないように思いますが…

A: そうですね。
 今回の場合は、契約解除というよりも、契約終了の問題ですかね。
 相談者が言うとおり、双方の見解にズレがあったのかもしれませんが、一年目の途中で、一度解除の話を切り出しているわけですから、交渉の余地はあるかもしれません。

Q: 相手は了解してくれるでしょうか。

A: うーん、どうですかね。
 代理店は企画書に1年以上の条件を示していたと主張するでしょうね。
 しかもおそらく特に異議がなければ「自動更新」となっていたと思われますから、代理店は、これにしたがって、契約が更新されたと主張してくる可能性があります

Q: 自動更新を覆すことができますかね?

A: う~ん、ちょっと難しいかも知れません。
 ただし、代理店に対して事前に自動更新についての問合せがあってしかるべきではないかと言ってみることはできると思います。

Q: 意思を伝えて、代理店の営業の適切でない行動や判断を指摘した場合、契約の解除はできそうですか?

A: う~ん、どうですかね。
 実際に2年目に入っていますからね。
 例えば、すでに掲示している一ヶ月分程度を支払うことで、両者が合意できればいいのですが。

Q: どうでしょう?
 このような場合にも、弁護士を介するということになれば、相手の態度もかわるものでしょうか?

A: そうですね。
 理路整然と話をすれば、そこまで揉めることはないような案件でもあります。
 とはいえ、もちろん弁護士が介入することも可能です。
 まずは、どうしたらいいか?という相談を弁護士にしてみるというのがいいかもしれませんね。

Q: そうですね。
 ではここで、山下江法律事務所の相談予約のフリーダイヤルをお伝えしておきましょう。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「契約解除はどうやって行えばいい?」というご質問に答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ 
「できの悪い従業員を解雇したい」について
2018/3/26 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

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