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山下江法律事務所

コラム

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「勝手に本の引用はできないのですか」

法律相談

2018年2月6日 / 2018年8月17日更新

2018/2/5(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「勝手に本の引用はできないのですか」



勝手に本の引用はできないのですか

Q: 今月は、番組に寄せられました様々なご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 24歳の男性の方からの質問のメールがきています。

 「私は現在、福祉関係の施設に勤務しております。
 仲間で勉強会をしようとして資料を作っています。
 いろんな本を読んでいますが、大変興味深いグラフや表が載っていました。
 これをコピーして私の資料の中に載せようと思ってます。
 そうしたところ、先輩から、それは著作権の侵害になるから止めたほうがいいと指摘を受けました。
 分かりやすい資料とするためには、そのグラフや表を使用したいのですが、やはり止めるべきでしょうか。
 江さん、教えて下さい。」

 江さん、著作権侵害についての相談のようですね。
 やはり、ダメなのでしょうか。

A: 著作権という権利についてキチンと認識していることは大変重要で良いことと思います。
 さて、著作物は世の中の役にたつことがあり多いに広めるべきという公共の利益の面もありますが、他方、その著作物を作成した人(著作権者)はそれなりの努力をして作成しているので、その人の権利もあります。
 こうした利益関係を調整をすべく、著作権に関する法律関係を定めているのが著作権法です。

Q: なるほど、著作権法という法律があるのですね。

A: はい、そこでは、著作権は無制限に保証されるものではなく、一定の制限があるとされています。

Q: どういうことですか。

A: はい、まず、私的使用のための複製は認められています。

Q: 具体的には?

A: はい、自分一人のために、又は、同一家族内若しくは3~4人程度の少人数の友人で組織する同好会のような組織で著作物のコピーをとって使用することは、問題が無いということです。
 ですから、相談者の勉強会がこの程度の人数ならば著作権侵害の問題は発生しないことになります。

Q: なるほど。
 数十人の大勢の勉強会での使用はダメと言うことでしょうか。

A: それは「私的使用」には該当しない可能性が高いと思いますが、著作権法で定められている「引用の要件」を満たしていれば、著作権侵害になりません。

Q: 引用の要件ですか・・・
 具体的には?

A: 著作権法は、引用が適法となる要件として次のように規定しています。
 「その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。」

Q: 「公正な慣行に合致」とか「引用の目的上正当な範囲内で」とか・・う~ん、分かりにくいですね(^_^;

A: 確かに(笑)。
 「公正な慣行に合致」・・・これについては、一般的な基準はなく、著作物の種類や引用の目的等に照らして、社会通念上妥当であるかどうか・・・と言われていますが。

Q: ますます、分かりにくい!

A: そうですよね。
 この点、裁判例には、出所の明示がされていればいいとしているものがあります。
 すなわち、「誰々著作の○○本の○頁より引用」と記載して著作物を使用することですね。

Q: これなら分かりやすい。

A: そうですね。
 ですから、ひとまずは、引用する際には、引用元の記載をすることと思います。

Q: 分かりました。
 著作権法に記載されたもう一つの要件である「引用の目的上正当な範囲内で行われる」とはどういうことですか。

A: この点については、最高裁の裁判例がありまして、次の2点が必要とされています。
 一つは、引用する著作物と本文(引用する側の著作物)とが明確に区別されることです。
 2つ目は、両者に主従関係があることです。
 すなわち、本文が主であり、引用される著作物が従であることが必要です。

Q: なるほど、そういうことですね。

A: 今までのことをまとめると、引用する場合には、
① 引用元を表示すること
② 引用する著作物と本文を明確に区別すること
③ 本文と引用する著作物に主従の関係があること
となります。

Q: この要件を満たせば、引用できるということですね。

A: はい、そういうことです。
 もう一つ引用について述べておくことがあります。
 それは、官公庁など公の機関が公表している著作物については、自由に転載して利用することができます。
 ただし、「禁転載」の表示がある場合は、先ほど述べた引用の要件を満たす必要があります。

Q: 官公庁などが作成し発行している著作物は原則自由に利用できるのですね。

A: そういうことです。

Q: 相談者の方、分かりましたでしょうか。
 さて、山下江法律事務所は、個人のご相談につきましては、無料相談を実施中です。
 お悩みやお困りごとがある方は、是非、山下江法律事務所にご相談いただければと思います。
 ここで山下江法律事務所の相談予約のフリーダイヤルをお伝えしておきましょう。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「勝手に本の引用はできないのですか」というご質問に答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ 
「書類送検とはどういうことですか」について
2018/2/12 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

■山下江法律事務所HP「交通事故問題でお悩みの方へ」

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