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  1. 弁護士コラムvol.168 『電動一輪車は「自動車」なの?』 副代表/広島本部長/田中 伸
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コラム

弁護士コラムvol.168 『電動一輪車は「自動車」なの?』 副代表/広島本部長/田中 伸

2018年1月26日 公開 / 2019年2月22日更新

テーマ:弁護士コラム/交通事故

電動一輪車は「自動車」なの?


山下江法律事務所 弁護士 田中伸
 先日,公道で電動一輪車を運転したとして,横浜市の男性が道路交通法違反の疑いで書類送検されたとの報道がありました(※「書類送検」の意味については,弁護士コラムvol.166(岡篤志弁護士執筆)をご参照ください)。
 今回の弁護士コラムでは,道路交通法等における電動一輪車などの電動車の扱いについて解説します。

1 道路交通法における「自動車」とは?
  自動車とは「原動機を用い,かつ,レールまたは架線によらないで運転する車」であって,「原動機付自転車,自転車,身体障害者用の車いす,歩行補助車等以外のもの」のことです。
  なお,「一定の大きさ以下の総排気量または定格出力を有する原動機を用い,かつ,レールまたは架線によらないで運転する車」であって,「自転車,身体障害者用の車いす,歩行補助車等以外のもの」は,原動機付自転車(原付)に分類されます。

2 自動車・原付を公道で運転するための条件
  自動車ないし原付を公道で運転するためには,下記のような条件を満たす必要があります。
 ① 自動車・原付の運転免許の取得
 ② 運転する自動車・原付が,道路運送車両法の保安基準(制動装置,前照灯,番号灯,方向指示器,警報器,バックミラー等の取り付けなど)を満たすこと
 ③ 自賠責保険・共済への加入
 ④ 自動車税や軽自動車税の納付
 ⑤ 標識(ナンバープレート)の取り付け
 ⑥ 乗車用ヘルメットの着用(※一部の自動車は除く)

3 電動一輪車は「自動車」
  今回の電動一輪車は,電動機の定格出力が一定の大きさを超えていたため,自動車に該当すると判断されたようです。
  しかし,電動一輪車が前記2②の保安基準を満たしていなかったことから,前記の男性は道路交通法違反(整備不良車両運転)の疑いで書類送検されたのです。 
  今回の事件を踏まえて,電動一輪車を公道で運転するのはやめましょう。

4 その他の電動車は?
 ⑴ 電動スクーター(電動式キックボード)
   原付に該当するとされていますので,前記2の条件を満たさないまま公道で運転すると,道路交通法違反になります。
 ⑵ 電動アシスト自転車
   道路交通法上,自転車とは「ペダルまたはハンド・クランクを用い,かつ,人の力により運転する二輪以上の車」であって,「身体障害者用の車いす,歩行補助車等,小児用の車以外のもの」のことです。
   電動機付きであっても,人力に対する電動機の補助比率が一定割合以下(但し,電動機の補助は時速24kmに達するまでに限る)で,電動機が容易に改造できない構造であり,安全運転に支障がないものであれば,自転車として扱われます。
   他方,電動機の補助比率が基準を超えるものは,自転車ではなく,原付等に該当することになりますので,前記2の条件を満たさないまま公道で運転すると,道路交通法違反になります。
   実際,警察庁が基準に適合しない電動アシスト自転車(=原付等に該当)を公表した例もありますので,購入の際はご注意ください。
 ⑶ 電動車いす
   身体の障害により歩行が困難な者の移動の用に供するための電動機付きの車いすのうち,下記①~④の基準に適合するものの利用者は,道路交通法上,歩行者として扱われます。
  ① 車体の大きさが一定以下であること 
  ② 時速6km以上の速度が出ないこと
  ③ 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと
  ④ 自動車または原付と外観を通じて明確に識別することができること

 報道によりますと,前記の電動一輪車を運転した男性は,交差点でオートバイと衝突する事故を起こして,道路交通法違反が発覚したようです。
 おそらく自賠責保険等には未加入でしょうから,前記の男性は自腹を切って事故相手の損害を賠償することになるでしょう。
 本コラムを参考にしていただき,このような事態にならないよう,くれぐれもご注意ください。

 交通に関する法律問題や交通事故の損害賠償については,当事務所にご相談ください。


 執筆者:山下江法律事務所 副代表 広島本部長 弁護士 田中 伸   (広島弁護士会所属)

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