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弁護士コラムvol.155「民法が改正されました」 稲垣 洋之

2017年7月21日 公開 / 2019年3月18日更新

テーマ:弁護士コラム/いろいろ

民法が改正されました


山下江法律事務所 弁護士 稲垣洋之
 今年5月,国会で民法の改正案が可決,成立しました。
 今回の改正は,主に民法の中の,債権に関する部分の改正です。民法は明治時代に制定された法律ですが,この債権に関する部分についてはこれまで大きな改正はされていませんでしたから,制定以来約120年ぶりの大改正と言われています。
 債権関係の規定は私たちの生活に密接に関わるものですから,どんな人も無関係ではいられません。
 そこで,今回は改正の内容の一部として,消滅時効,法定利率についてご紹介します。

【消滅時効】
 債権の消滅時効期間については,これまで原則として「権利を行使できる時から10年間」で時効が完成するとされていましたが,改正により「権利を行使できることを知った時から5年間」も時効が完成するとされました。したがって,10年経過する前であっても権利行使できることを知った時から5年が経過すると時効が完成することになり,実質的に時効期間が短縮されています。
 他方,これまでは飲食店の代金や学習塾の費用,医師の診療代など債務の種類によって1年から3年の短期消滅時効が定められていましたが,これらは廃止され,上記のとおり,10年または5年のルールに統一されることになりました。したがって,これらについては時効期間が伸長されたことになります。

【法定利率】
 法定利率は,これまでは年5%と定められていました。しかし,低金利時代が長く続く現代の実態に沿わないため,年3%に引き下げられ,以後3年ごとに見直しをされることになりました。
 この法定利率は,契約書等で利率を定めなかった場合の利息の計算に適用されるほか,損害賠償請求時の遅延損害金の利率としても使用されます。そのため,契約違反や交通事故等の不法行為に基づく損害賠償の金額に影響することになります。

 今回の改正には,このほかにも不動産賃貸借契約における敷金や,企業と消費者の取引の際に使用される約款,保証契約をする際の情報提供に関するルールなど,私たちの生活に密着する内容が多く含まれています。
 改正民法は,平成29年6月2日の公布日から3年以内に施行されることになっています。施行前後は混乱が生じることも考えられますので,トラブルになりそうな場合は専門家に相談されることをおすすめします。


 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 稲垣 洋之   (広島弁護士会所属)

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