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山下江(やましたこう) / 弁護士

弁護士法人山下江法律事務所

コラム

弁護士コラムvol.153「未成年者の不法行為と親の責任」 副代表/田中 伸

2017年6月23日 公開 / 2021年3月3日更新

テーマ:弁護士コラム/いろいろ

コラムカテゴリ:法律関連

未成年者の不法行為と親の責任


山下江法律事務所 弁護士 田中伸
 今回の弁護士コラムでは「未成年の子どもが他人に怪我をさせた場合,親は責任を負うのか」について,考えてみたいと思います。

1 不法行為による損害賠償責任
  一般論として,ある人(以下「A」とします)が他人(以下「B」とします)にわざと(ないし不注意で)怪我をさせてしまった場合,原則として,Aの行為は民法上の「不法行為」に当たり,AはBに対して損害賠償責任を負うことになります。
  ただ,AがBに対して損害賠償責任を負うには,Aに「責任能力」があることが前提になります。

2 責任能力とは
  責任能力とは,自分の行為によってどのような法律上の責任が発生するのかを判断できる能力のことです。
  責任能力の有無については一概に言えない面があるのですが,過去の裁判例を見てみますと「12歳程度」が目安のようです。この年齢に満たない子どもは責任能力がないと判断される傾向にあります。

3 未成年の子どもに責任能力がない場合
  Aが前記2の年齢に達しておらず(例えば,幼稚園児など),責任能力がないとされた場合,Aは損害賠償責任を負いません(民法712条)。
  その代わりに,Aを監督する義務を負うAの親が損害賠償責任を負うことになります(民法714条)。

4 未成年の子どもに責任能力がある場合 
  Aが前記2の年齢以上であり(例えば,高校生など),責任能力があるとされた場合は,Bに怪我をさせたA自身が損害賠償責任を負い,Aの親は損害賠償責任を負わないのが原則です。
  ただ,Aに加えて,Aの親も損害賠償責任を負う場合があります。
  例えば,日ごろのAの言動から,放置しておけばAが他人に怪我をさせる可能性があることを予見できたのに,Aの親がAへの指導・監督を怠った結果,Bの怪我という被害が発生したような場合には,Aの親も損害賠償責任を負うことになります。

5 親として注意すべきこと
  このように,未成年の子どもの親は,子どもに代わって,あるいは,子どもと一緒に,不法行為に基づく損害賠償責任を負うリスクがあります。
  したがって,未成年者の子どもの親としては,普段から子どもの言動に注意を払い,きちんと子どもを指導・監督して,被害発生を未然に防ぐ必要があります。
  近時の裁判例では,未成年の子どもの自転車事故で,子どもや親に対して数千万円もの損害賠償を命じた判決も出ています。このような子どもを取りまく様々なリスクに備えるために,個人賠償責任保険への加入も検討されるべきでしょう。

 未成年の子どもの不法行為責任や親の責任の有無について不明点などありましたら,当事務所にご相談ください。


 執筆者:山下江法律事務所 副代表・弁護士 田中 伸   (広島弁護士会所属)

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