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コラム

弁護士コラムvol.142 「過労死について」 笠原 輔

2017年1月20日 公開 / 2020年8月6日更新

テーマ:弁護士コラム/いろいろ

コラムカテゴリ:法律関連

過労死について

山下江法律事務所 弁護士 笠原輔

 山下江法律事務所の弁護士の笠原です。今回は、ニュース等で不幸な事件を耳にすることもしばしばある過労死についての話です。

1 過労死とは?
 極めて簡単に言えば、過労死とは、働き過ぎによって死亡することです。平成26年11月1日から施行されている過労死等防止対策推進法では、「過労死等」とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう、とされています。
周囲からの暗黙の強制等により長時間の残業や休日なしの勤務を強いられる結果、その肉体的・精神的負担によって、労働者は脳・心臓疾患、呼吸器疾患、精神疾患等を発病し、死亡にまで至ってしまうことがあります。

2 過労死が起こってしまった場合の会社の責任
 過労死が起こってしまった場合、会社が損害賠償責任を負うか否か、負うとした場合にはどの程度の責任を負うのか、が問題となります。法律構成としては、不法行為に基づく損害賠償責任(民法709条、715条)や債務不履行に基づく損害賠償責任(民法415条)が考えられます。
過労死に対する会社の損害賠償責任の有無や程度を考えるにあたっては、多くの事項を検討する必要があります。例えば、過重な労働と死亡との間に相当因果関係が認められるか、会社に注意義務違反(不法行為責任の場合)や安全配慮義務違反(債務不履行責任の場合)が認められるか、労働者の過失を理由として会社の損害賠償責任が減額されるか(過失相殺)、労働者の基礎疾患、加齢、性格等を理由として会社の損害賠償責任が減額されるか(寄与度減額)等です。
 また、過労死が起こってしまった場合に会社が受けるダメージは、法的に損害賠償責任を負うか否かの問題だけではありません。過労死は、会社のイメージを失墜させ、会社が有用な人材を確保することを困難にし、法的な損害賠償責任以外にも会社に対して大きなダメージを与えます。過労死を防ぐ環境を整えることは、労働者にとっても会社にとっても重要です。

 ご家族を過労死で亡くされた方、過酷な環境での労働を強いられていて今のまま働き続けることに不安がある方、従業員を過労死で死なせないために労働環境を整えたい会社の方等、当事務所は、様々な立場の方からのご相談を受け付けています。困ったときは弁護士にご相談下さい。


 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 笠原 輔  (広島弁護士会所属)

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