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コラム

弁護士コラムvol.141 「ペットが人に怪我をさせた場合」 山口 卓

2017年1月6日 公開 / 2020年8月6日更新

テーマ:弁護士コラム/いろいろ

コラムカテゴリ:法律関連

ペットが人に怪我をさせた場合

山下江法律事務所 弁護士 山口卓

 ペットを飼っている人は多くいらっしゃると思いますが,どんなに注意を払っていても,ペットが他人に怪我をさせることがないとは言えません。飼い主はどのような場合に責任を負うことになるかを見ていきます。
 動物が他人に損害を生じさせた場合,その動物の占有者は,被害者に対して損害賠償義務を負います。よって,ペットの飼い主は,「動物の占有者」として被害者に生じた損害を賠償する義務を負うことになります。
 しかし,どのような場合でも飼い主が責任を負うわけではなく,動物の種類や性質に応じて「相当の注意」を払って管理していた場合には,損害賠償義務を免れることがあります。「相当の注意」とは,「通常払うべき程度の注意義務を意味し,異常な状態に対処しうべき程度の注意義務まで課したものではない」とされており,具体的には,動物の種類(大型種か小型種かなど),性質(人を咬む癖があるかなど),保管状況,周囲の状況等により判断されることになります。
 ただし,裁判において飼い主が「相当の注意」を尽くしていたと判断されることは少ないのが実情です。飼い主に責任を否定した裁判例としては,ドッグラン内の中央付近を突っ切ろうとした人が犬と衝突した事例があります。ただ,この裁判例は,ドッグランはそもそも人が立ち入ることが予定されていない場所であり,飼い主はそのような異常な事態を予見して飼い犬の動向を監視し制御する必要はないとするものですから,かなり例外的な事例といえるでしょう。
 飼い主に責任が認められるとしても,被害者側の落ち度により損害が発生または拡大した場合には,被害者側に認められる過失割合に応じて損害額が減額されることがあります(過失相殺)。例えば,被害者が意図的に飼い犬に近づいて挑発したような場合は,過失相殺が認められるでしょう。
 その他にも,飼い主はどこまでの損害を賠償しなければならないのかといった問題もあります。お困りの際は,当事務所までご相談ください。


 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 山口 卓  (広島弁護士会所属)

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