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弁護士コラムvol.140 「残業代の計算」 稲垣 洋之

2016年12月23日 公開 / 2020年10月22日更新

テーマ:弁護士コラム/いろいろ

コラムカテゴリ:法律関連

残業代の計算

山下江法律事務所 弁護士 稲垣洋之

  「会社が残業代を払ってくれないので残業代を請求したい。」というご相談を受けることがあります。残業代の不払いは法律違反ですが,請求する労働者の側も自分の残業代がいくらになるのかよく分かっていないケースも少なくありません。そこで今回は残業代の計算について説明します。

 残業代すなわち時間外労働に対する割増賃金は,通常の賃金計算額の25%以上とされています。つまり,残業代は少なくとも通常の賃金の1.25倍で計算されることになります。
 また,午後10時から翌朝午前5時までの労働については,深夜労働としてやはり25%以上の割増賃金を支払わなければならないとされています。さらに,法定休日(労働基準法で定められている,原則として週1日以上の休日のこと)の労働は,休日労働として賃金の割増率が35%以上となっています。
 したがって,例えば時間外労働が深夜に及んだ場合,午後10時から翌朝午前5時までの労働時間については,割増率が50%(時間外労働25%+深夜労働25%)となります。また,休日労働が深夜に及んだときは,割増率は60%(休日労働35%+深夜労働25%)となります。
 なお,会社によっては,実際の残業時間数にかかわらず,一定額の手当を支給することで残業代の支払いとするという制度(「固定残業代制度」などと言われます。)を設けているところもあります。
 このような制度も,その手当が残業代以外の賃金と明確に区分され,何時間分の時間外労働に対する手当なのかを明確に定めてあれば,違法ではありません。
 しかし,もし定額払いされている手当の金額が正規の計算方法によって算出される残業代に満たない場合,労働者はその差額を請求できるとされています。

 実際に残業代を請求する場合,時間外労働をしたことやその時間数について,タイムカードなどの証拠を確保しておくことが重要です。また,残業代の請求には2年という消滅時効もありますので,残業代の請求をお考えの場合はお早めに専門家に相談されることをおすすめします。


 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 稲垣 洋之  (広島弁護士会所属)

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