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弁護士法人山下江法律事務所

コラム

弁護士コラムvol.139 「訴えたい相手が認知症の場合は?」 柴橋 修

2016年12月9日 公開 / 2020年10月22日更新

テーマ:弁護士コラム/いろいろ

コラムカテゴリ:法律関連

訴えたい相手が認知症の場合は?

山下江法律事務所 弁護士 柴橋修
 例えば,お金をある人に貸していたが返してくれないので,この人に対して貸金の返還を求めて訴訟を起こして裁判を進めていく場合を考えてみます。
 この場合に,お金を貸した相手が認知症になっていて,物事を判断する能力を失っていたときはどうでしょうか。この場合でも裁判を起こすことができるでしょうか。
 日本は高齢社会になっており,訴えたい相手が認知症に罹っていて問題になるケースはかなり発生していると思われます。
 裁判を起こすなど訴訟行為を行うためには訴訟能力が必要となります。訴訟能力とは単独で有効に訴訟行為をなし,または相手方や裁判所の行う訴訟行為を受けうる能力のことをいいますが,自己の行為の結果を弁識できる程度の能力も失っている場合は,訴訟能力も認められません。
 また,訴訟能力は訴える原告だけでなく,訴えられる被告についても備わっている必要があります。そうすると,上記のような場合,そのままでは裁判を進めることができません。
 ここで,相手方の親族などが成年後見の申立をしてくれて,相手方のために後見人が選任されれば,この後見人を相手に裁判を進めていけば足りるので,問題は解決することになります。
 しかし,成年後見の申立は,本人の配偶者や4親等内の親族などが申立をしなければならず,後見人を付けるためには相手方の親族を説得して申立をしてもらう必要があります。そうすると後見人を付けることは簡単なことではないといえます。
 そこで,このような場合は特別代理人の選任の申立ができ,この特別代理人を相手として訴訟を進めていくことができると考えられています(東京高裁昭和62年12月8日決定)。
 以上のように,相手方の判断能力に問題がある場合,裁判を進めることが難しくなる場合があります。このような場合は当事務所までご相談ください。


 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 柴橋 修  (広島弁護士会所属)

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