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弁護士コラムvol.130 「弁護士費用は誰が負担するの?」 城 昌志

2016年8月5日 公開 / 2019年7月11日更新

テーマ:弁護士コラム/いろいろ

弁護士費用は誰が負担するの?

山下江法律事務所 弁護士 城昌志
 法律相談や依頼を受けた際に、相談者や依頼者の方から「相手が悪いのだから弁護士費用は最終的には相手が負担するのですよね」と聞かれることがあります。
 相手がきちんとお金を払ってくれていたり、悪いことをしなければ裁判を起こす必要はなかったのであるから、裁判の原因を作った相手に弁護士費用を負担して欲しいという気持ちは非常によく分かります。

 しかし、日本の裁判の現状では、弁護士費用はその弁護士を依頼した本人が負担することが原則になっています。裁判においても弁護士を選任するかどうかは一応自由があって自分自身で裁判を行うこともできることや、相手方に請求ができる訴訟費用というものに弁護士費用は含まれていないこと等が理由のようです。
 しかし、その例外にあたり、相手方に弁護士費用の一部を請求できるものが、不法行為という類型の請求です。この類型で身近に起きる争いとしては、交通事故にあったとか、他人に殴られた、浮気をされたといったものがあります。このような類型の請求について、弁護士費用の一部支払いを認めたのが昭和44年2月27日の最高裁判決です。同判決では、上に述べたような事情はあるものの、現在の訴訟は専門化・技術化されたものであって一般人が単独で十分な訴訟活動を行うことはほとんど不可能であること等を理由として、事案の難易度や請求額、認容された額その他諸般の事情を考慮して相当と認められる範囲を「損害」として、相手方に弁護士費用の負担を命じています。
 この不法行為の場合の弁護士費用は事案にもよりますが、認められた金額の1割程度といったところが大体の相場になっており、実際にかかった弁護士費用を補うには十分ではないかもしれませんが、それでも大いに意義のある判決だと思います。

 裁判を弁護士に依頼する際には費用がかかり、その弁護士費用は一部の類型を除き、原則として自己負担となってしまいますが、上の最高裁判決でも述べていますように、ご自身で裁判を行うのは非常に労力や知識が必要となり、案件によっては事実上不可能と言えるものがあります。
 ご自身の権利をきちんと守るためには、専門家に相談を行い、自分でできないことについては費用がかかってしまうとしても専門家に依頼することをお勧めいたします。


 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 城 昌志 (広島弁護士会所属)

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