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コラム

弁護士コラムvol.114 「子どもの引渡しについて」 齋村 美由紀

弁護士コラム/離婚・男女トラブル

2015年12月11日 / 2018年9月18日更新

山下江法律事務所 弁護士 齋村美由紀

子どもの引渡しについて

 離婚件数の増加にともない,子どもをめぐる紛争も増加しています。夫婦のそれぞれが我が子を育てたいという気持ちを持たれるのは当然のことです。
 では,「ある日,突然,妻(夫)が子どもを連れて出て行ってしまった。」場合,子どもを連れ戻すにはどうすればよいでしょうか。
 子どもの引渡しの請求には,①一般民事手続,②家事審判手続,③人身保護手続が考えられます。このうち②の手続,すなわち家庭裁判所で子の引渡しを求める申立てを行うのが一般的です。家庭裁判所では,教育学的,心理学的知識に富んだ調査官の調査が子の福祉の観点からなされますし,審判前の保全処分も併せて行うことで,迅速な進行も期待できるからです。
 子の引渡しを認めるかどうかは「誰に子を監護させるのが子どもの利益となるか」を最優先に判断されます。これは,離婚後の親権者・監護権者を誰とするかの判断と共通するものといえます。就労状況や経済状況,家庭状況,監護補助者の有無,今後の監護方針といった父母の状況,過去の監護・養育状況,現在の生活状況といった子の状況を総合的に判断します。
 では,家庭裁判所で認容(子を引き渡せ)の審判(決定)が出たが,相手方が任意に子どもを引き渡してくれない場合は,どうしたらよいでしょうか。
 まず,家庭裁判所に履行勧告を求めることができます。裁判所からの勧告も拒絶された場合は,強制執行の申立をすることになります。この点,子どもを物のように直接強制できるのか,見解の分かれるところです。意思能力のない子に対する直接強制を認めた裁判例(執行当時7歳9か月)もあります。「引渡しをしない場合には金銭を支払え」という間接強制では,功を奏しないことが多く,子どもの福祉を最優先に出された裁判所の判断を尊重する点からも,直接強制の方法を認めざるを得ないのではないでしょうか。

 子どもをめぐる紛争に巻き込まれた場合には,是非当事務所にご相談下さい。


 執筆者:齋村 美由紀 (広島弁護士会所属) ※2016.12退所


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