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弁護士コラムvol.100 「交通事故で顔に傷が残ったら」 齋村 美由紀

2015年5月29日 公開 / 2019年2月22日更新

テーマ:弁護士コラム/交通事故

山下江法律事務所 弁護士 齋村美由紀

交通事故で顔に傷が残ったら

 このコラムも記念すべき100回目となりました!
 今回は,交通事故で顔に傷が残ってしまった場合についてお話しします。
 交通事故による顔の傷は,外貌の醜状障害に該当します。外貌(頭や顔,首などの日常露出する部分)に醜状(瘢痕や線状痕)が残ることをいいます。
 人目に触れる箇所に人目につく程度以上の傷が残れば,精神的な苦痛は図り知れません。そこで,醜状障害についてはその程度に応じて後遺障害として認定される場合があります。以前は外貌の醜状についての障害等級認定において男女間に区別がありました。醜状によって被る精神的苦痛などは女性のほうが大きいと考えられていたわけです。しかし,平成23年の改正で男女共通の基準に統一され,自賠責保険における等級認定表の「第7級」「第9級」「第12級」と定められました。
 たとえば,「外貌に醜状を残すもの」を「第12級」と定めています。顔面部にあっては「10円銅貨大以上の瘢痕又は長さ3センチメートル以上の線状痕」がそれに該当します。もっとも,人目につく程度以上のものでなければならないため,眉毛や頭髪等に隠れる部分は醜状として取り扱われません。
 さて,後遺障害と認定されれば,後遺障害慰謝料を請求できます。それでは,仕事に対する影響(逸失利益)について賠償請求ができるのでしょうか。
 外貌醜状の場合,保険会社は「慰謝料しか支払わない」「逸失利益は認めない」と主張してくることがあります。
 確かに,職種によっては労働能力には影響がないとも考えられます。
 しかし,外貌醜状により接客や対人関係への悪影響は容易に想定されますし,将来の転職において不利益を受ける可能性は否定できず,判例においても逸失利益を認めたものは多々あります。
 いずれにしても,顔に傷が残ってしまった場合は,後遺障害として認定される場合もありますし,認定されれば慰謝料のみではなく逸失利益を請求できる場合がありますので,保険会社の話を鵜呑みにはせずに,まずは当事務所にご相談下さい。


 執筆者:弁護士 齋村 美由紀 (広島弁護士会所属) ※2016.12退所


■交通事故専門サイト「醜状傷害の解決事例」 

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・vol.79 「交通事故被害に遭って自動車が壊れたら・・・」 久井 春樹 
・vol.75 「自転車事故における損害の填補」 松浦 亮介 2014/6/6
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・vol.64 「交通事故の損害賠償の算定について」新名内沙織  2013/12/20
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