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コラム

弁護士コラムvol.91 「離婚と在留資格」 新名内沙織

弁護士コラム/離婚・男女トラブル

2015年1月23日 / 2018年8月21日更新

離婚と在留資格

1 外国籍の方がいったん日本人と結婚したものの,離婚するということになった場合,自分の在留資格がどうなるのか,このまま日本にとどまることが出来るのか不安に思われる方が多いかと思います。

2 その方が有している在留資格によって,日本人との離婚による影響が変わってきますので,それぞれのケースに分けて簡単に説明します。
 ①「永住者」
  「永住者」の資格で在留している外国人配偶者については,離婚という事実のみによっていったん取得している永住者 の在留資格に影響を受けることは通常ありません。
 ②「日本人の配偶者等」
  「日本人の配偶者等」の資格については,日本人との婚姻を基礎的な事情として認められる在留資格になります。離婚をした場合,その基礎が失われることになりますので,入管法22条の4第1項7号の「「日本人の配偶者等」の在留  資格をもって在留する者(日本人の子及び特別養子を除く。)又は「永住者の配偶者等」の在留資格をもって在留する 者(永住者等の子を除く。)が,その配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合」に該当して在留資格 が取り消されてしまう可能性があります(ただし,当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除きます。)。

3 そこで,離婚時に「日本人の配偶者等」の在留資格しか有していない場合で日本に在留することを希望する場合には,在留資格を変更する必要があります。
 ①「永住者」への在留資格変更
  「日本人」,「永住者」又は「特別永住者の配偶者」の場合,婚姻後3年以上の在留,又は海外において婚姻・同居歴のある場合には,婚姻後3年が経過しかつ日本で1年以上の在留をしていることが許可の要件となります。これらの要 件をみたす場合には,「永住者」の在留資格取得を申請してみた方が良いでしょう。
 ②「定住者」への在留資格変更
  ⅰ)夫婦間に実子がいる場合
    夫婦の間に未成年で未婚の子供(日本人の実子,但し父から認知されている必要あり)が居る場合,その子を実質的に監護・養育する外国人の親に「定住者」の在留資格への変更が許可されることがあります。
  ⅱ)子が居ない場合
    実子が居ない場合,「定住者」への在留資格変更は困難であることが多いため,その他の在留資格の取得も検討する必要があります。

4 日本人と離婚する事になった外国人の方の場合,母国との制度の違い等もあって離婚自体の手続きについても不安な点が多いかと思いますので,弁護士にご相談いただければと思います。(なお,入国管理については,法務大臣の裁量によるところが大きいため,運用が変わる可能性があることについてご留意下さい。)


 執筆者:弁護士 新名内沙織 (広島弁護士会所属) ※2017.3退所


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