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弁護士コラムvol.82 「お隣さんとのトラブル」 稲垣洋之

2014年9月19日 公開 / 2019年3月18日更新

テーマ:弁護士コラム/いろいろ

山下江法律事務所 弁護士 稲垣洋之

お隣さんとのトラブル

弁護士は日々多くの法律相談を受けていますが,お隣さんやご近所さんとのトラブルについてのご相談を受けることもあります。今回はその一例をご紹介します。

【Aさんからのご相談】
お隣のBさんの家の柿の木が,境界塀を越えてこちらまで枝を伸ばしてきています。塀を越えている枝は私が切り落としてもよいでしょうか。また,その枝から落ちてきた柿の実は私が食べてもよいでしょうか。

隣家から木の枝が伸びてきたときの対応方法については,民法233条1項に「隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは,その竹木の所有者に,その枝を切除させることができる。」と規定されています。
したがって,Aさんは境界塀を越えている部分について,Bさんに対して「切ってください。」と要求することはできますが,自分で切り落とすことはできません。
また,柿の実は法律上「天然果実」(民法88条1項)にあたり,その所有権は「元物(ここでは柿の木)から分離する時に,これを収取する権利を有する者に帰属する」とされています(民法89条1項)。
Aさんはあくまでも枝を切除するよう要求できるだけで,「収取する権利を有する者」ではないため,自分の家の庭に落ちてきたものであっても勝手に食べることはできません。

【Cさんからのご相談】
お隣のDさんの家の庭にある竹林の根が,塀の下を潜ってこちらの庭に入り込んでおり,竹の子まで生えてきています。私は竹の根を切ったり竹の子を採ったりしてもよいでしょうか。

隣家から木の根が伸びてきたときの対応方法については,民法233条2項に「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは,その根を切り取ることができる。」と規定されています。
したがって,枝の場合と違ってCさんは自分で竹の根を切ることができますし,竹の子を採ることもできます。

もっとも,枝の場合でも切除を要求できるためには,枝からの落葉で困っている等,何らかの被害を受けていたり,被害を受けるおそれがあることを必要とするという裁判例もあります。また,根の場合でも切除によって木が枯れてしまうような場合は権利の濫用として逆に損害賠償の対象となることもあり得るため,慎重な判断が必要です。

このような例の他にも,いろいろなトラブルが起こることがありますが,お隣さんやご近所さんは日常的なお付き合いの続く相手ですから,適切な解決方法により良好な関係を保ちたいものです。お困りのことがありましたら,まずはご相談ください。

 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 稲垣 洋之 (広島弁護士会所属)

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