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コラム

弁護士コラムvol.19 「成年後見制度について」 山口卓

弁護士コラム/相続・遺言

2012年3月2日 / 2014年7月4日更新

山下江法律事務所 弁護士 山口卓
 医療技術の発達により,年齢を重ねても生き生きと余生を過ごされる方が増えた反面,高齢により認知症になり,判断能力が低下したりなくしてしまう方もおられます。判断能力が低下してしまうと,正しい判断によって契約することができずに思わぬ不利益を被ったり,場合によっては,人に騙されてしまったり,財産をいいように使われてしまうこともあります。また,高齢だけでなく,知的障害や精神障害のために判断能力が低下することもあります。
 そこで,判断能力が低下した人に,その判断を補い,本人の権利や利益を護ってくれる援助者が必要になります。こうした援助者を付ける制度が成年後見制度です。
 成年後見制度には,①後見,②保佐,③補助の3つの類型があり,判断能力の低下具合に応じて,適切な制度を利用する必要があります。ここでは主に,後見について述べていきます。
 後見は,認知症,知的障害,精神障害などの精神上の障害により,判断能力を欠く常況にある,つまり,おおむね判断能力を欠いており,財産管理を自分で行うことができないような状態であるときに利用することができます。判断能力を欠く常況にある人を成年被後見人(せいねんひこうけんにん),援助者を成年後見人と言います。
 成年後見制度を利用したい場合,家庭裁判所に対し,後見等の開始審判の申立てをします。申立ては,本人以外にも,配偶者や親族(親,子,兄弟姉妹等)でも可能です。
 後見人には,親族が選任されることが多いですが,専門家(社会福祉士,司法書士,弁護士)が選任されることもあります。専門家が選任される場合とは,例えば,父親の判断能力が低下し,複数いる子のうちの一人が申立てをする場合,父親が死亡すると子らは父親の財産を相続することになりますが,父親が存命している現段階において子らの間で争いがあれば,家庭裁判所は,子のうちの一人を後見人として選任はせず,第三者である専門家を選任する可能性が高いと言えます。申立書には,成年後見人候補者を記載することができますが,候補者を推定相続人(成年被後見人が死亡したときに相続人になる予定の人)にする場合,推定相続人全員の同意書を資料として提出し,予め家庭裁判所に争いがないことを知らせる必要があります。
 また,判断能力が低下していることを示す資料が必要ですので,主治医に相談して診断書を書いてもらわなければなりません。
 成年後見制度は,判断能力が低下した方々が,自分で決められることは自分で決め,不十分な点を援助者に補ってもらうことで,社会の中で自分らしく生活していくための制度です。何らかの事情でご家族の判断能力が低下してしまった場合,残されたご家族にとっても,ご本人が自分らしく生活できるかは大変重要なことです。
 成年後見制度の利用については,申立人,後見人候補者,費用等考えるべきことがいくつかありますので,迷われることがある方は,まずは当事務所までご相談下さい。

 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 山口卓 (広島弁護士会所属)


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