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コラム

弁護士コラムvol.15 「成人になるとは?」 松浦亮介

弁護士コラム/いろいろ

2012年1月6日 / 2015年10月16日更新


1 法律上の「成人」
 新年が明け、今年は1月9日が「成人の日」です。これにちなんで、今回は、「成人」になるということが法律的にはどういうことなのか、考えてみたいと思います。
 ところで、成人=20歳というのは常識と言ってよいと思いますが、法律の規定はどうなっているのでしょうか。少年法2条1項が「この法律で・・『成人』とは、満二十歳以上の者をいう。」と規定していますが、これはあくまで少年法の中での定義です。憲法15条3項は「成年者による普通選挙」を保障し公職選挙法9条1項2項がこれを20歳以上と具体化しており、民法も「年齢二十歳をもって、成年とする。」(4条)としています。
 上記のような基本的な法の規定に加え、次に挙げるように20歳を区切りに各種法律が様々な権利義務を認めていることが、成人=20歳という一般常識を形成しているといえそうです。もっとも、最近は成人年齢を18歳に引き下げるべき、との議論もあり、実際に憲法改正手続における国民投票の投票権は18歳以上に与えられました(憲法改正手続法3条)。

2 成人することにより生じる効果
 さて、良くも悪くも成人(20歳)になると法律上様々な効果が生じます。一例を挙げると、飲酒(未成年者飲酒禁止法1条1項)、喫煙(未成年者喫煙禁止法1条1項)、選挙権(公職選挙法9条1項2項)、最高裁判所裁判官の国民審査における審査権(最高裁判所裁判官国民審査法4条)などが認められるほか、裁判員に選ばれたり(裁判員法13条)、国民年金の被保険者となり保険料納付義務が生じたりします(国民年金法8条1号)。また、もし罪を犯してしまったら、若年者の更生に重きを置いた少年法の適用を受けられなくなる効果もあります。
 このほか、「大人になる」という意味では、日常生活の中での大きな変化として、「行為能力」が認められ(民法5条)、「親権」から離れる(同818条1項)ことで、「自分のことは自分で決める」ということが法律的に認められます。行為能力とは、「単独で確定的に有効な法律行為をする資格」のことであり、これが認められると、親に反対されたとしても自分の判断であらゆる契約(物の売買やお金の貸し借りなど)を確定的に結べるようになります(自分がやりたいことについて親からストップをかけられない、ということです)。逆に言うと、未成年の時にした契約は親が同意していなければ原則として後から取り消すことができます)。「親権」の中身にはいろいろありますが、一つには親が子の財産を管理したり、親の判断で子の財産を売ったり買ったりする権限があるので、親権から離れるということは自分の知らないところで親に自分のことを決められることがなくなる、という効果があります(自分がしていないことについて、自分が責任を負うことがなくなる、ということです)。
 こうした「自己決定権」は、「自己責任」と表裏の関係です。成人した後は、自分一人でよく考えずに結んでしまった契約(例:不必要に高額な買い物など)であっても後からそれをなかったことにはできませんし(ただし、詐欺や錯誤、契約解除事由等があれば別です)、自分自身が要否や有利不利を判断して動かなければ誰も自分のために契約を結んだりはしてくれません。

3 社会の構成員として
 以上のような法律効果は、20歳になれば、誰にでも一律に、また、何の手続きもなしに自然に生じます。
 こうした意味で、成人するということは、否応なしに、「一人前」の大人として、一般社会の構成員になるということだといえるでしょう。自己責任のもと、不幸にもトラブルに巻き込まれるリスクも高まるかもしれませんし、そのトラブルをどう解決するかも自分で決めなければなりません。

 交通事故や離婚・相続、債務整理、不動産トラブル等々、法律トラブルは社会の構成員として生活していく以上は誰にでも降りかかりうるものです。トラブルに巻き込まれたときには一度当事務所にご相談してみてください。

 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 松浦亮介 (広島弁護士会所属)


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