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山下江

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山下江(やましたこう)

山下江法律事務所

コラム

弁護士・江さんの何でも法律相談「購入したマンションに雨漏り」

2011年6月21日 / 2014年7月4日更新

2011/6/20(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。
今回のテーマは、
「購入したマンションに雨漏り」について


■購入したマンションに雨漏り
相談者 39歳/女性

Q: 約10年前に念願のマンションを購入しました。
 しかし、この間の大雨のときには、駐車場内の壁に雨漏りが見受けられるようになりました。
 このマンションを売った事業主に対し、無償で補修を要求することはできますか?

A: 通常、マンションの売買にあっては、万一、隠れた瑕疵・欠陥があった時には、売主は、物件引渡しから2年間はその担保責任を負いますが、それ以降は責任を負わないと売買契約に記載されているはずです。
 この相談者が購入された時期が10年前ということですから、売主に対しての補修請求は、原則、困難かと思われます。

 もし、そのような契約がない場合は、民法の原則にかえり、買主が瑕疵を知ったときから1年以内であれば、損害賠償請求が可能となります。

Q: 10年も経っていますから、売主に請求するのは難しいようですが、では、マンションを建築した業者に対してはどうでしょう?
 請求は、できないでしょうか?

A: マンションの購入者と建築業者は、この場合には直接契約関係にないため、原則として契約上の請求をすることは困難と思われます。
 ただ、事業主と建築業者との間では、注文者と請負人の関係にありますので、事業主は、建築業者に対し、請負人の負う補修・損害賠償責任を追及できます。
 ですから、当方は、事業主に対し、建築業者に補修するよう、要求してもらうことができます。

Q: なるほど、事業主を介して、ということになるのですか。

A: そうですね。しかし、この責任も、民法上の堅固建物(ビルやマンションなどの建物)は、原則10年の責任期間になっています。これも、標準約款というものがあり、これを原則2年に短縮していることがほとんどですので、通常は、困難だと考えるべきでしょうね。

Q: どうすることもできないのでしょうか?

A: 法律上では、これまでお話したように、補修請求は難しいと思います。ただ、大手の建築業者は契約上の原則2年の担保期間を過ぎても、一定期間は事実上、無償で補修に応じることもあります。ですから、事業主を通して建築業者の対する補修請求をお願いするように、交渉してみるということはできます。

 ここでひとつ確認なんですが、この方のマンションが建設された時期、あるいは、新築のものを購入された時期が、平成12年の4月以降であれば、また状況が変わってきます。

 実は、平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」というものがあります。

Q: また長い名前ですね。「住宅の品質確保の促進等に関する法律」、これはどういうものなのでしょう?

A: はい、略して、「品確法」といいます。

Q: ヒンカクホウ。ヒンカクにもいろいろなヒンカクがありますが、どういう字を書くのでしょう?

A: 国家の品格や、女性の品格ではなくて、「ヒンカク」の「カク」が性格の「格」ではなく、品質確保の「確」になります。
 この品確法の施行後に、住宅新築請負契約が締結されたものについては、請負人は注文者に対して、住宅を引き渡したときから10年間、構造耐力上主要な部分、または雨水の浸入を防止する部分の瑕疵について、担保責任を負うと決められました。

Q: 「構造耐力上主要な部分」とはどういうことですか。

A: 基礎、土台、柱、壁など、建築物の荷重を支え、外力に対抗するような建築物の基本的部分を言います。

Q: 本当に基本の部分ですね。

A: そうですね。そういう基本的部分と、雨水の侵入を防止する部分の欠陥については責任を負いなさい、と、こういうことなんです。

Q: 先ほどのお話は、注文者と請負人との関係でしたが、建物の売主と買主との関係での品確法の適用はないのですか。

A: はい。品確法は、売主と買主との関係においても、同じく、この施工後に新築住宅売買契約が締結された場合、すなわち、平成12年4月1日以降に締結された場合は、売主は買主に対して、引渡した時から10年間、構造耐力上主要な部分、または雨水の浸入を防止する部分の隠れた瑕疵につき、担保責任を負うとされました。

 ですから、今回の場合は雨漏りの問題ですから、相談の方のマンションが新築マンションで、平成12年4月1日以降に売買契約を結ばれていたということであれば、この品確法に基づいて、その責任を追及することができます。

Q: そうですか。「平成12年4月1日 品確法」、これが今日のキーワードですね。参考にしていただければと思います。


■次回のテーマ
「スーパーの床が濡れていて滑って右腕を骨折した」について
2011/6/27(月)15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)


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