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山下江(やましたこう)

山下江法律事務所

コラム

弁護士・江さんの何でも法律相談「離婚に伴う子どもの親権とは?」

2011年3月8日 / 2014年7月4日更新

FMちゅーピー「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」
■2011/3/7(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。
今回のテーマは、
「離婚に伴う子どもの親権とは?」について


■離婚に伴う子どもの親権とは?
相談者 32歳/女性

Q 夫との離婚を考えていますが、夫からは「5歳の息子の親権が欲しい」と言われています。“親権”とは、具体的にどのような内容のことでしょうか。

A 未成年(20歳未満)の子どもがいる夫婦が離婚する場合は、子どもの親権をどちらが取得するのかを定めなければなりません。
親権とは父母が未成年の子どもに対して持つ身分上および、財産上の監督保護を内容とする権利義務の総称です。

Q ふんふん・・・・具体的には?

A この場合、
●5歳の子どもの住居をどこに定めるかといった権利(居所指定権)や、
●子どもが婚姻適齢期(男18歳・女16歳)になった時に、未成年での婚姻の同意を与える権利(身分行為の同意権)、
●子どもの財産を管理し財産に関する法律行為を代表する権利(財産管理権)
 などが“親権”となります。
財産管理権についてもう少し詳しく述べますと、例えば子どもが自動車などの多額の買い物をする場合、未成年者の取引ではその法律的行為が最終的には有効になりません。その行為の取消しがありえます。そのため子どもの財産行為に関して親が代表しないといけません。未成年者がローンを組む場合に、親が保証人となり印鑑を押すのもこのひとつです。
親権はそのほかに、
●監護・教育権、(教育を受けさせる)
●懲戒権、(しつける)
●職業許可権、
●名字の変更
などの身分行為の代理権も親権に含まれています。 

Q 親権は、どのようにして決定されるのですか。

A 当事者が話し合って合意できれば、それで決まります。誰が親権者になるか、合意できない場合は、家庭裁判所での調停となり、調停がまとまらなければ、審判で決定されます。

Q 裁判所では、どのような判断基準で、親権が決定されるのでしょうか。

A 一言で言えば、「子どもの利益・福祉」のためには、誰が良いかということになる。
それを判断するために、斟酌される事情としては、
●父母側の事情
健康、 精神状態、 性格異常、 経済状態(資産・収入)、 家庭環境、 住居、
教育環境、 子に対する愛情の度合い、 看護補助者(祖父母など)の有無、
父母の再婚の可能性、 離婚の有責性
●子側の事情
・0~10歳  母親に決まる場合が多い
・10~15歳 子の発育状況により子の意思を尊重
・15歳以上 子の意思を尊重
(審判、裁判前に必ず子の陳述を聞かなければならない。)

Q この方は、子どもと一緒に生活できればよいと思っています。親権と切り離して解決することはできませんか。 

A それであれば、子どもの監護者をあなたに、親権者を夫に定めることもできます。 
すなわち、親権には広い意味での親権と狭い意味での親権があり、私が先に説明したのは“広い意味”での親権です。
この“広い意味”の中には、
●狭い意味の親権(財産管理権、 身分行為の同意権、 身分行為の代理権)と、
●監護権(監護・教育権、 居住指定権、 懲戒権、 職業許可権)が含まれ、
「狭い意味での親権」を片方に、広い意味での親権の中の「監護権」をもう片方にと、これらの権利を分離することも可能です。
あなたが監護権者となった場合は、子どもの居住、教育、懲戒や職業許可について、あなたが権利を有することになります。
財産上の管理の最終責任は父親に任せるが、子どもと一緒に住み子どもの日々の面倒を見るのは母親、と分けることも可能なのです。
“子どもの幸福”につながるには、いかなる方法が最も良いのかという観点から、夫婦でよく話し合って決めていただければと思います。


■次回のテーマは、
「未婚の息子に子どもができたのですが…」について
2011/3/14(月)15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)


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