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増え続ける高齢者のゴミ屋敷の原因と対策

2017年9月16日

テーマ:ゴミ屋敷の清掃

コラムカテゴリ:くらし

高齢者がゴミ屋敷を作ってしまう事例が増えています。
高齢者は、年を取って体力がなくなりゴミを片付けるといった体を動かすことそのものが億劫になりがちです。
また生きる気力が低下し始めることから、「自分が困らなければそれでよい」という考えで衣食住をきちんとすることがだんだんできなくなり片付けをしなくなります。
戦時中の物がない時代に育ち、物を捨てずに大事に使う習慣があれば、簡単に物を処分することもできません。

このような状況が続くことで、高齢者がゴミ屋敷を作ってしまうのですが、家族が定期的に家の様子を見るなどをしてサポートを続けることでゴミ屋敷化は防ぐことができます。
ただし気を付けなければならないことは、子供だからといって親の物を何でも、どんどん捨ててしまうことは絶対にしてはいけません。
高齢の親に寄り添うことを忘れず、話を聞きながら一つ一つをまずはどこか別の場所にしまい込むことから始めます。

このようにして接することで、親も心を開き「物を捨てよう」という気持ちになるのを待つべきです。もし、親子で片付けきれないほど物の処理に困っている場合は、専門業者に依頼すれば、よりスピーディーに片付けを進めることができます。

高齢者の住まいがゴミ屋敷になる原因

最近社会問題となっているゴミ屋敷は、高齢者の一人暮らしに多く見られます。
遠く離れて住んでいる自分の親の家に久しぶりに帰ってみたら、ゴミだらけでびっくりしたというようなことも起こるかもしれません。

高齢者にゴミ屋敷が多いのは、次のような原因が考えられます。

1.気力が低下
高齢になると、若いころと比べて気力や体力が落ちてきます。
体力が落ちると、少し動くだけでも疲れやすくなり何もする気が起こらなくなります。
何もする気が起こらなければ、新しいことにも興味や関心が薄くなりがちです。
流行を気にすることなく、同じ服を何十年も着ているようになります。
このように過ごす日が増えていくうちに、衣食住も必要な時だけ求めるようになり、だんだん乱れていきます。
掃除などは、「自分がこまらなければしなくてもよい」という思考に陥ってやがて全くしなくなります。

2.身体能力の低下
高齢になればなるほど、足腰が弱り、腕力もなくなってきます。
重いものを持ち上げて運ぶことも出来なくなるため、ゴミが増えれば持ち運ぶのが苦痛となって放置するようになります。

3.精神面の変化
古いものでも本人にとっては思い出の品となるものが多く、これらの物を大量に抱え込んでいるうちにゴミ屋敷を作ってしまいます。
高齢化に伴い思考能力も劣り始めることから、何をどう整理していいかわからなくなり、捨てるべきものやそうでないものを仕分けることができずに放置して物がどんどん増えていきます。

4.表彰状や記念品は捨てられない
自分が受けた表彰や記念の品は、自分の存在価値を示す唯一の品として、捨てがたいものです。
思い出を忘れないために、これらの品をすることが全くできない人が多くなっています。

5.もったいないと思う気持ち
戦時中の物がない時代に幼少時代を過ごした人たちにとって、使えるものを捨ててしまうのは、罪悪感を伴います。
「いつか、誰かが使えるから」という理由で残したものがどんどん増えていきます。

親の実家を整理する時「してはいけないこと」

高齢者のゴミ屋敷を綺麗に片付けるためには、子供が手伝わなければなりません。

めったに帰らない実家に帰り、かつての自分の家がゴミであふれているのをみれば、誰もが大急ぎで不用品を廃棄処分し、元通りすっきりした家にもどして、さっさと帰りたくなるものですが、あわてて親の所有品を一気に捨ててしまうことは絶対にしてはいけません。

親が旅行に行っている間や病気で1週間ほど入院した時など、親が不在の時を狙って一気に物を処分してしまう方もいますが、それもNGです。

親の家の片付けは、「物を捨てる」ことではありません。
捨てたい気持ちが大きいのはよくわかりますが、しばらくは「捨てる」という言葉を口にすることなく、親と一緒に「片付ける」「どこか別の場所にしまう」ことから始めます。

このように親に接することは、忍耐を伴いますし、スピーディーに物がなくならないこともあって、子供にとっても大変ストレスを感じるものですが、親はそれ以上に、自分ではなく、子供や義理の嫁や息子が自分の大事なものに触れることにより多大なストレスを感じています。
そして、最初に親子が片付けに関して衝突してしまうと、全く作業をさせてもらえなくなり追い出されてしまいます。

子供は、「すべて自分が片付けてやる」といった気持ちで接するのではなく、「そのうち片付けばいいやという気持ちで」じっくりと取り組む気持ちを忘れないようにしましょう。
物を一つ一つ手に取りながら、丁寧にどうするかをたずねていけば、やがて親も「そこにあるものは全部捨てていいよ」と言ってくれるかもしれません。

高齢者のゴミ屋敷掃除は専門業者に相談を

親の気持ちに寄り添いながら、少しずつ物を片付けることは子供にとっては忍耐が必要なことですが、地道にこのように接していくことで、やがて親も心を開くようになってきます。

子供が自分の増やした物の中で片付けに苦労しているのをみれば、「早く終わらせてあげよう」という気持ちになるかもしれません。
そのような気持ちになって、子供に片付けを全面的に任せてくれるようになれば、片付け専門の業者に清掃を依頼することができます。
業者は、年中無休24時間問い合わせ対応OKなので、すぐに相談に応じてくれますし実際に親の家を見て見積もりを受け取り、良ければすぐに作業を依頼することも可能です。

この記事を書いたプロ

香川滋

遺品整理・空家整理・ごみ屋敷などの片付けのプロ

香川滋(こころテラス)

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