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コンサルタント業務契約を交わすときの注意点とは?

2022年8月3日

テーマ:契約関係

コラムカテゴリ:法律関連

はじめに


 ここ最近、補助金や助成金申請のコンサルティングといった以前からある形態のコンサルタント業務に加え、InstagramやTikTok,YouTubeのフォロワー数増加などの支援,投資関係のコンサルタント業務など様々な業態のコンサルタントを名乗る方からの呼び込みなどがSNS上でも見られます。

こういった内容のコンサルタント業務については,実際に対応してもらえる範囲などがあいまいなことも多く,特に中途解約をしたときに既に支払済みの費用について返金してもらえるかといったトラブルなど発生しがちです。

今回はこういったコンサルタント業務を交わす際の注意点などについて取り上げます。

コンサルタント業務で行う業務内容があいまいなまま契約したときは



 前述のように,コンサルタント業務の種類は様々ですが,こういった業務に基づくサービス提供は一般的に委任(準委任)契約という契約類型になります。そのため,特約がなければ報酬請求ができないと民法では規定されていますが,実際のところサービス提供による対価を得ないことを前提に業務をすることは考えにくいので,契約時に(契約書を交わしているかどうかはともかくとして)報酬の支払を当然の前提にしているでしょう。

 問題はその報酬はどういった事務(業務)を行うことに対してのものか,ということになります。請負の場合と違い,提供するサービスにより得られる成果を確約していないことが多いかと思います。ただ,令和2年に施行された改正民法では,委任事務の履行により得られる成果により報酬を支払うという内容の類型が新たに設けられたことから,こういったときは契約の中で別の定めをしていない限り,成果物が発生するのであればその引渡しと同時に報酬を支払わなければいけないということになります。

 トラブルが起きやすいのは,コンサルタント業務の内容自体があいまいな場合,つまりどういったことをコンサルしてもらうのかすら明確でないものです。たとえば,今より儲かる方法を教えます,といったたぐいのものです。実はこういったタイプのコンサルティングがSNSを通じて増えているようで,依頼する側もなんとなく儲かるのであれば,といってコンサルタントを頼むということもあります。このときはそもそもコンサルタント業務の内容がどこまで何をするのかすわからないというものになるので,契約自体が取消できる可能性があります。しかし、こういったケースでは,コンサルタントの依頼をした側・受けた側ともにLINEのやり取りで,特に業務提供する側の連絡先(住所・電話番号など)がいざとなると分からず,連絡がつかなくなると他の方法を取りようがないということもありえます。

 このようなことがないよう,あいまいなままやり取りしてなんとなく依頼をせず,依頼する業務内容などが分かる契約書の提示を求めることが重要になってきます。



コンサルタント契約を締結するときの他の注意点とは



 割とよくあるのが,コンサルタント業務は一定期間コンサルタントを受けるという継続的な内容の契約であるため,中途で解約する際の返金トラブルです。

 元々中途解約の際には返金しない,との規定があると消費者契約法の適用がある場合は、消費者の利益を一方的に害する条項であるとして,無効との主張ができます。しかし,たとえば会社の資金に関わるコンサルタントであったり,会社のアカウントでのSNSの閲覧者数増加などが目的であるといった場合は,消費者としての個人ではないということになります。そうすると消費者契約法の適用がないということになりますので,取り消しや無効主張ができないことになります。そのため,もし途中で契約を解約しないといけない事態になったときの条項がどうなっているかには注意しておく必要があります。

 また,コンサルタント業務遂行の中で損害が発生した場合,どの程度責任をとってもらえるかについても注意が必要です。この種の契約の場合は,損害賠償の制限について規定を設けていることも多く,月ごとの報酬支払のときは報酬〇か月分,といった形で制限しているケースも見られます。その場合,それを超えるような損害が発生しそうかどうかについても良く見極めておく必要があります。

 その他、業務の中で知り得た秘密(顧客や営業に関するノウハウなど)についての管理をきちんとしてもらえるか,もし契約条項に違反した場合の解除の規定や解約の定めが不当にコンサルタント業務を依頼する側にとって不利になっていないかについても注意が必要です。前述のように,事業に関するものでコンサルタント業務に関する契約を結ぶ場合は消費者契約法の適用から除外されてしまうため,契約したあとで不利な点について気付いても解約・解除できないこともありえます。

 これ以外にも契約条項で気になる点が出てくる場合もあろうかと思います。その場合にはすぐに契約してあとで後悔することがないように,専門家に相談されることをお勧めいたします。

縮景園の紫陽花
 最近出かけていないので使い回しのようになっていますが、今年の縮景園の紫陽花です。ここ最近ようやく夏らしく蒸し暑くなってきたので、蝉のなき声が賑やかですが、今年はなぜかこの時期にひぐらしの声をときどき街中でも聞きます。夕方以降は少し涼しいからかもしれません。

この記事を書いたプロ

片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(勁草法律事務所)

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