マイベストプロ広島
  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ広島
  3. 広島の法律関連
  4. 広島の協議離婚
  5. 片島由賀
  6. コラム一覧
  7. イラストや写真などの著作権の譲渡を受ける場合の注意点は?

コラム

イラストや写真などの著作権の譲渡を受ける場合の注意点は?

2022年6月7日

テーマ:知的財産権

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 著作権違反

はじめに

業務で使うイラストや,写真などを他人から譲り受けて,自社の出版物に使用する,ホームページなどに掲載をするという場合があるでしょう。こういった場合,もともとイラストや写真の著作権を持っている人から適切に譲り受けないと,せっかく譲り受けたにも拘わらず,実際には利用できないというリスクが発生しかねません。今回はこういった著作物などの譲渡を受ける場合の注意点について取り上げます。

譲り受ける著作物の範囲を明確に



 イラストや写真などを譲り受けるにあたっては,譲渡契約書などを作成すると思いますが,まずは譲り受ける著作物などの範囲が分かるようにしておきましょう。複数ある場合には別紙を付けるのでもよいと思いますが,そもそも後で何を譲ったか,譲り受けたか分かるようにしておくことが必要になります。

 また,著作物などを譲渡する場合は,かつてであれば紙媒体が主だったと思いますので,今はデータや,場合によってはインターネット上のリンク先にアップロードしておくことで譲り渡すということもあります。著作権の譲渡と,これらデータの譲渡とは別で定める必要があるので,どういう形でデータなどを引き渡すのか,その時期とともにきちんと取り決めておきましょう。

 なお,著作物などを譲り受ける場合には,それを複製して利用する(立体化してぬいぐるみにする),内容を修正したりすることがあります。この場合にも利用できるとしておかないと,法律上は著作権者にこういった権利(元の著作物の創作的表現を引き継いで創作される翻案権や、二次的著作物の利用に関する権利)が残ってしまうため(著作権法61条2項),譲渡を受けた側が自由に利用できないことになってしまいます。そのため,譲受の際には改変や他の形態での利用ができるよう,条項で手当をしておくことが大切になります。



著作者人格権の扱いに注意すること



 著作権には、著作者人格権という権利が含まれるとされています。これは,著作権を有する人が自分に意向に沿って公表されていない著作物を公表したり,その氏名を表示したり,勝手に改変されない(同一性を保持する)権利を含みます。これらは,著作権の譲渡と一緒に移らず,元の著作者に残ったままになるとされています(著作権法59条,相続もされません)ので,条項では,こういった権利を譲渡した者が行使しないという内容で定めておきます。これらの条項を入れないと,あとから譲渡した人から自分が著作権者であることを表示するように求められたり,勝手に改変しないように求められることを防げなくなってしまい,思ったように利用できなくなりかねませんので,気を付けましょう。


せっかく譲り受けた著作権を別の人から主張されたときの対応は?



 写真データや著作物を譲り受けたあと,いざ出版やホームページに載せたところ,譲り渡した人物と別の人から,勝手に自分の著作物を利用しているから,利用の差し止めや損害賠償を求められることがありえます。そうなると,譲り受けた著作物は使えなくなる上に,利用により得たとされる利益などを賠償しなければならなくなる可能性があります。

 こういったトラブルを防ぐために,著作物を譲り渡す側に,第三者の著作権等を侵害しない旨保証してもらう規定を入れることがあります。これにより,実際にそういった事態が生じた場合の費用負担や賠償の話をする負担を,譲り受けた方が負わないようにするために重要なものになってきます。場合によっては,保障してもらう損害についてもどの範囲か(紛争が生じた場合の弁護士費用なども負担してもらうかなど),ある程度具体的に定めておくことで,譲り渡す側にも責任をもってもらう,リスク回避を図ることができるといえます。



著作権の譲渡を受けるときには著作権登録制度の利用を



 著作権の譲渡を受けるにあたっては,上記のような内容を盛り込んだ契約書を作成しておけば,譲渡した人との関係では足りるといえますが,たとえば,同じ著作物が別の人にも譲渡されており,その人から著作権の主張がされた場合には,自分の著作権を主張するには十分ではありません。それというのも,著作権の移転等については登録しないと第三者には対抗(権利を主張)できないという定めが著作権法にあるからです)。

 こういった場合が発生したときには契約自体解除して有償での譲渡であれば支払った額の返還を求める,損害があれば(既に著作物をなにがしかの形で利用していたなど),その賠償を求めることも考えられます。しかし,こういった著作物を二重に別々の人に譲渡するような場合,譲渡人が連絡がつかない,所在不明である,あるいは破産などの手続きを取っていて支払った金の回収自体難しいということも十分考えられます。そのため,のちのトラブル回避のために,こういった著作権登録制度を利用することも考えるべきでしょう。登録にあたっては著作権を譲渡した人にも協力してもらえるような条項にしておくべきといえます。なお,プログラムの著作物以外の著作物に関する登録は文化庁が行っており,プログラムの著作物に関すyる登録事務は特例法でソフトウェア情報センターで扱われています。



 このように,著作物などを譲り受けるにあたっては,簡単な取り決めだけでは足りないことがあります。また,譲り受ける物が写真などか,プログラムなど特殊なものかによっても異なる内容を盛り込む必要があるケースもあるので,安易に取り決めず,専門家に相談することをお勧めします。


縮景園の紫陽花
 こちらはつい先日の縮景園の紫陽花。今年は雨が足りなかったからか、別の理由からか、小ぶりな感じの紫陽花が多い気がします。あじさい祭りが5日から開催されるとなっていました。まだ咲き始めのようにも見えましたので、これから当分は楽しめると思います。

この記事を書いたプロ

片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(勁草法律事務所)

Share

片島由賀プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
082-569-7525

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

片島由賀

勁草法律事務所

担当片島由賀(かたしまゆか)

地図・アクセス

片島由賀のソーシャルメディア

instagram
Instagram
facebook
Facebook