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コラム

アフィリエイトサイトの書き込みが,信用棄損行為に当たる可能性とは?

2021年4月26日

テーマ:インターネットに関する法律問題

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: リスク管理

インターネット上の書き込みについては名誉棄損あるいは知的財産の権利侵害ということで,削除請求・損害賠償請求・刑事告訴が問題になることがあります。昨年動画投稿サイトユーチューブでの動画投稿やTwitterで問題になりました。投稿者がだれかわからない場合には,発信者情報の開示請求といって誰が投稿したのかを特定しないと,賠償請求が難しい場合があります。

 この手続き自体は現状法改正のための議論がされていますが,今のところの法令ではハードルが相当あります。

昨年秋にアフィリエイトサイトでの書き込みが信用棄損行為(他人の権利を侵害する行為)だとして,発信者情報の開示を認められた裁判所の判断が出ました。美容商品に関する広告に関するものになります。

発信者情報の開示の簡単な仕組みとハードル



 発信者情報の開示請求は現在の制度では最低2段階の請求が必要なこととログの保存期間との関係で,投稿から時間が経過してはできないという問題があります。開示した情報をもってしても特定ができない場合があるなど空振りリスクも存在しています。



 プラスして,法律上発信や情報の開示請求には,ハードルが存在します。その内容は

① 開示を求める相手が「特定電気通信」を提供しているものであり

② 問題となる投稿が「特定電気通信」でなされ

③ 投稿により権利を侵害されたことが明白で

④ 開示を求めるものが保有している

⑤ 発信者情報の開示を求める

⑥ ことの正当な利益の存在がある

ということです。



既に「特定電気通信」からして分かりにくいですが,不特定多数の方に受診される電気通信のことです。簡単に言えば,LINEやメール・チャット・ダイレクトメッセージはここには含まれません。開示を求める相手が持っている情報(投稿した方の特定につながる情報)である必要があるので,保管期間を過ぎると意味がありません。そのため,急いでの対応が必要になります。



「権利の侵害が明らかである」という点のハードルも高く,名誉棄損や知的財産の権利侵害その他の権利侵害があるというだけでなく,明らかに存在するところまで要求されています。ここでいう「明らかに」とは,権利の侵害があっても免責する事情もないことを言います。最後の「正当な理由」の存在とは,今まさに開示を求めないといけないという話しで,情報を開示される当個社側の不利益も考慮しての必要性を意味ます。



アフィリエイターについて問題となる事項とは?



 先ほど述べた①から⑥の事項のうち,今回は③と⑥が問題となります。アフィリエイトとは,自分のブログやサイトに広告を掲載してもらい,ブログやサイトを閲覧した方が広告をクリックして広告主のサイトにアクセスすると,成功として成功報酬が発生するという仕組みです。広告を掲載してもらう側をアフィリエイターといいます。



 最初に取り上げた裁判例では,広告を掲載しているサイトに掲載されている内容に,自社に対する信用棄損行為に当てはまることが明白かどうかが問題になっています。実際のケースでは他にも問題となっていることはありますが,今回はこの話を取り上げていきます。

 ここでいう信用棄損行為とは,簡単に言えば事実に反した事柄を記載することでの営業誹謗行為のことを指し,営業でのライバルにあたる方からされる場合に当てはまります。法律上は,差し止め請求や損害賠償請求の根拠になる事柄です。



 単にサイトやブログ上に広告バナーを乗せたからといって当然に競争関係人あるわけではありません。今回のケースで問題になったのは,そのサイトでは広告を掲載している商品・サービスで競合しているものを取り上げて「使ってみた」ということでそれぞれの特徴その他使ってみての話を書き込んでいました。要は,競合する商品の評価・比較を行うという話しと広告のバナーが掲載されているために競合関係にあるのかが問題になっています。また,このケースでは広告主がサイト上で自社の商品紹介や広告を載せてくれる方を募集していたという特徴があります。



 一般に競合関係はお客さんや取引先が共通あるいは競合する可能性があればいいと考えられてきました。そのため,サイト上の評価をした方について直接競合するということがなければ該当しないことになります。最近出た裁判例では,ここを広くとらえ,事実に反する営業誹謗行為によって・競合相手を取引上不利な立場に立場になる場合,依頼をした広告主が有利になる場合を含むとしています。



 この判断を前提とすると,比較をしているサイト内の書かれている事項や広告への誘導の仕方(サイト全体の構成や広告バナーの位置,競合先のあナーの有無)・広告主が自社商品紹介や広告を掲載している方を募集していたのか等全体から見てどうなのかという話しが重要になってきます。

 サイトでの記載事項は,依頼主のいい点を述べて・競合先の悪い点を述べているかが問題になってきます。



 そのうえで,事実に反した事項かどうか・その事実が商品やサービス,競合先の信用を下げる内容かが問題になります。ここは,サイトの記載内容がどのようなものかという話しになります。ただし,単なる感想を述べているだけ・個人の主観を書いているだけという部分は該当しません。実際には,事実を書くものか,主観を書くものかは判断が難しいケースが存在します。



広告主やアフィリエイターの注意する点は?



 先ほど挙げた裁判所の判断は地方裁判所の判断に過ぎず確定したものではありません。いわゆる口コミや評価・使用してみての事実関係を掲載する商材の場合には同様のリスクが存在します。



 広告主にとっては,事実に反した記載をしたということがあると自社の信用問題にもかかわるところです。アフィリエイトやサイトでの紹介を依頼する場合には,この点のチェックや注意喚起を行う必要があります。

 アフィリエイターにとっては直接削除や損害賠償請求を受けかねない立場になります。報酬をもらって記事を書き広告を書くのであれば,記事全体の構成や書いている内容が事実に反したものであるのか・主観を書いているものかをきちんとチェックする必要があるでしょう。


縮景園の桜
 3度目の緊急事態宣言で一気に人の動きが抑えられていますが、広島でも感染者がまた少しずつ増加してきています。状況が急激に変わるので何とも言えませんが、出掛けることが少なくなりそうですので、当面過去に写した写真のアップになると思います。

 こちらは先月の縮景園でのライトアップのときの写真です。

この記事を書いたプロ

片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(勁草法律事務所)

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