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コラム

副業・兼業ガイドラインが改訂されました。勤務時間や残業・健康管理の方法は?

2020年9月16日

テーマ:労務問題

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 働き方改革

この9月に昨年(2019年)に公表された厚生労働省の副業兼業ガイドラインが改訂されました。概略は働き方改革を踏まえた法令改正をもとに,副業や兼業の際の注意点をまとめたものといえます。以下,簡単に内容などを触れておきます。

副業や兼業の許容ラインは?



 最近は就業規則で,副業や兼業についての許容ラインや手続きを定めるケースもある模様です。ここでは簡単に触れておくと,以前はよく見られた一律禁止(競業禁止や職務専念・秘密保持を理由とするもの)は有効性が問題になるケースが多くなる傾向がありますので,有効を前提としながらも,勤務時間管理や競業防止・秘密漏洩防止の対策を行っていくという方向で考えられています。このガイドラインでも,こうした考えを前提に注意点などを記載しています。



注意点の内容とは?



 競業禁止や情報漏洩対策等の点を軽く触れつつ,主には勤務時間管理や残業についての話がガイドラインには記載されています。後者は後で触れますが,競業禁止については事前に届出(通常はどこの会社あるいは事業をするのか・業務内容・従事する時間など)をするように等が対応として考えられます。

 個人事業での兼業や副業の場合には,労働に関する法律の規制はかかりませんが(この意味で勤務時間管理や残業の話などは問題となりません),自社と同じ業種であれば競業となるため禁止できるような就業規則の規定と運用を行うことになるでしょう。情報を漏れないようにするには,競業する業務を行えないようにしていくとともに,情報が持ち出せないような管理体制を作っていく必要が出てきます。



勤務時間管理と残業についての注意点とは?


 勤務時間管理が問題となる理由は,法令上2つあります。一つ目は,二つの勤務先がある場合には二つの勤務先での勤務時間を通算することになります。言い換えると,その方が自社で5時間・他社で5時間勤務をする場合には,一日の勤務時間は10時間となり時間分の残業代が発生するのが原則です。この残業部分は後で勤務をする会社で負担をする形になります。二つ目は残業時間の上限規制がありますが,こちらも全ての勤務先での勤務時間の合計で考えることになります。

 そのため,採用をする場合には,他の会社で既に勤務しているのかどうか・そこでの勤務時間をきちんと把握しておく必要があります。こちらは資料の提出と報告を求める形(採用時点とその後を含む)でしておく必要があります。副業をこれからする場合には,副業先でどうなのかの報告を求めることになります。これに対して,副業や兼業がフリーランスを含む自営業形態の場合にはこうした規制は及びません。そのため,形態がどうなのかという点も無視できない事情となります。



 ここで残業時間となるのは,それぞれの勤務先での残業となる時間と勤務時間を通算することで残業となる時間です。残業の規制は変形労働時間制などを使わない限りは1日8時間・1週間で40時間を超えると残業となりますので,どこが残業に該当するのかは残業時間の上限規制を守っているのかという点(違反にはペナルティがあります)ともに残業代管理の点からも重要になってきます。ガイドラインでは,報告をしてもらうとともに自社では記録をする・上限規制などの範囲内で決めることで自社が原因となって違反が生じないようにすること等が挙げられています。

 時間外勤務と休日勤務の合計が1か月100時間(複数月にまたがり平均が1か月80時間)という上限規制が時間外勤務部分の通算についても考える必要があります。ここでの把握・報告は必ずしも1日単位で報告してもらう必要はありませんが(まとまった期間での上限規制遵守が問題となっているため),健康管理の点等も踏まえるとある程度の期間ごとで報告をしてもらう必要はあるでしょう。



 このほか注意点として,中小企業でも2023年には猶予がなくなる1か月60時間を超えた部分の残業についての割増率50%については,通算しての残業時間で考えることになります。つまり,副業での勤務先での勤務時間を通算して残業が1か月60時間を超えると,超えた部分について自社で勤務した時間については割増率が25%ではなく50%(深夜勤務での残業は別)で考えていくことになります。



 残業に対する規制が厳しくなっていることや残業代についての時効期間が延びていることを踏まえると,無視できない話となります。



健康管理の注意点とは?


 ここでの健康管理の話とは,副業や兼業による勤務時間が増えることでのストレスその他の負担について自社で行うべき対応についての話です。負担を増やさないという観点からは,勤務時間が合計で多くならないように報告を受けて管理する(指導する)ほかに健康診断やそれを踏まえた対応をすることになります。

 健康診断を受けてもらうかどうかは副業などをしているのかどうかと関係ありませんが,労災や安全配慮義務違反の問題(賠償負担の問題)・戦力がいなくなることを防ぐために,長時間勤務を副業を含めても行うことの問題・健康診断や管理の重要性を周知していく必要があります。また,その前提として,副業状況の報告を求めるとともに,副業先と健康情報その他を共有できるように本人の同意を踏まえ協力体制を作っていく必要があるでしょう。





 こうした事のエッセンス(時間管理モデルはやや抽象的ですが)がガイドラインには記載があります。いずれにしても,運用面が重要になりますので,健康管理の専門家や労務管理の専門家とも連携しながらの対応が重要になってくるものと思われます。



 ここ最近になってだいぶ涼しくなりましたね。写真は盆ごろの宮島で撮りましたシオカラトンボですが、今日も街中で飛んでいるのを見掛けました。まだ日中は暑いので、当面日傘は手放せなさそうです。

 このコラムに関連する内容をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
兼業・副業を会社に取り入れるにあたっての注意点は?労災保険法の改正も踏まえて

この記事を書いたプロ

片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(勁草法律事務所)

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