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コラム

海外の会社が提供をするクチコミ・地図サービスで悪評の書き込み・対応の注意点とは?

2020年3月23日 公開 / 2020年3月29日更新

テーマ:インターネットに関する法律問題

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: リスク管理マーケティング手法広告 マーケティング

 ここ数年MEO・ローカルSEOの名のもとに,Google地図を利用した集客に力を入れておられる方もおられると思います。当事務所でも,Googleマイビジネスのアカウントを持っていますが,例えばクチコミ欄は匿名でなされており,悪い評価が書かれた場合にはどう対応するかが問題となります。

対応の方法は?


 対応の方法としては,Googleの地図を例にとりますと,Googleのガイドラインに沿って,削除依頼をすること・裁判所を通じた削除請求(投稿した方あるいはサービス提供者,ここではGoogle合同会社に対して)になります。

 このうち,ガイドラインに沿った方法とは,Googleのページ内に通報をするページがあります。そこでは,名誉棄損に該当する部分やURL等とその根拠を説明する必要があります。ここがきちんと説明できないようでは削除は難しいでしょう。直接的な差別などの投稿を除けば,ある程度は許容すべき程度のもの・評価が入り名誉棄損とは言いにくいものもあり,名誉棄損といえるものかどうかは重要なポイントとなります。このほかに,著作権などの侵害を理由とするものもあります。

 この方法は迅速ではあるものの,あくまでも通報という点がメインになってきますので,必ず削除などの対応があるかどうかは分かりませんし,対応したかどうかの連絡もありません。もちろん,補足で説明を求められることもありますし,相手方に確認するにあたりご自身の氏名その他を相手に伝えることがあるとの連絡もありえますので,特に後者については注意が必要でしょう。

 こうした方法に限界を感じる場合には裁判所を通じて仮処分という方法を使うことになります。この手続きの場合には,ご自身のお住まいの地区の裁判所を使うことになりますが,Google合同会社は強く争ってくる傾向にあるように思われますので,ここでも名誉棄損といえることや迅速な削除が必要ということを示す必要があります。

 この方法の場合,相手が争ってくるということもあり,時間はかかることになります。



 以上は削除の話でこの他に,名誉棄損は犯罪ですから刑事告訴をする方法や損害賠償請求をする方法もあります。この場合も名誉棄損といえるのかどうかが重要なポイントとなってきます。くどいようですが,単に悪口が書いてある・単なる評価に過ぎないものはそう簡単に名誉棄損にはなりませんので,見極めが重要になってきます。

 この他の対応として,書き込みにきちんと対応をする・応答をするということがあります。この場合,相手の不満点がどこか・それに対するこれまでの対応(相手の言い分が事実かどうかを含めて)・今後の対応や必要であれば謝罪なども入れておくことになるでしょう。この方法をとる場合には,さらに悪い書き込みがなされる可能性がある点に注意が必要でしょう。

 最後に放っておくという対応もありますが,ずっと悪いクチコミがなされたままの状況が続きますので,これでいいと考えるかは内容も含めての判断になるでしょう。

 

削除や書き込んだ方の特定の際の問題は?


 この問題は,先ほどの対応を書き込んだ相手にする場合にどこの誰かが分からないと,対応が難しい(刑事告訴は最悪特定がなされてなくても行うには行えますが,実際に処罰などは難しくなります)という問題があります。

 これを解決するために,書き込みなどがなされた際にプロバイダーから割り振られたIPアドレスやタイムスタンプ,その他Googleを例に取ればID(何かしら利用者本人の個人情報と紐づけられています)等を開示してもらうことになります。



 このための手続きは発信者情報の開示請求と呼ばれるものですが,名誉棄損に当たることや,免責にならないこと(公共の利害に関することでなく,真実ではないこと等)が明白であることが要求されています。簡単に言えば,ハードルは削除や他の場合と比べて高めになる可能性があります。

 また,場合によっては何度も開示請求をする必要が出てくるものの,アクセスログを含めて保存期間が短いもの(IDはそうはなりませんが)が多くなります。ことに,海外の会社の場合(今回取り上げているGoogleもその一つ)では特に短い可能性がありますし,そもそも保存していない情報もありえます。

 こうした点は注意を要するところになります。

特に海外の会社を相手にする場合の問題は?


 Google合同会社(これは子会社であるYouTube合同会社でも同じ)が相手になりますから,アメリカ合衆国の本店のある州から法人の資格証明書を取り寄せる必要があります。

 また,特に発信者情報の開示請求という手続きでは,法令の定めにより東京地方裁判所での手続きとなり,申立書などの翻訳が必要な点等を考えると金銭面の出費もある程度出てくることには覚悟が必要です。

 さらに言えば,相手が争うことでの時間や費用面の問題など先ほど述べたことも当てはまります。

 以上は日本の裁判所を使った場合の話で最悪アメリカ合衆国などでの法令に沿って現地で争う方法もありますが,こちらの負担はさらに大きくなる可能性があります。

 だからといって諦めるべきではありませんが,こうした負担その他と書き込みによって失われている事やその内容を考慮に入れて,どのような対応をとっていくのがご自身のビジネスにとって好ましいかを決めていく必要があります。


曹源寺の桜
 今週に入ってちらほらとソメイヨシノが咲いているのを見るようになりました。写真は岡山・曹源寺の桜(撮影日:2019年4月上旬)。こちらの日本庭園には枝垂れ梅か桜の木が一つありますが、まだ花が咲いているときに行ったことがありません。枝垂桜でしたら4月に入ったら見ごろになるかもしれません。

この記事を書いたプロ

片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(勁草法律事務所)

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