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キャンセル料はどこまで請求ができる?

2018年11月18日 公開 / 2020年11月15日更新

テーマ:消費者問題

コラムカテゴリ:ビジネス

 ひところ報道されていた飲食店での「ドタキャン」,飲食店にはとても損害が大きい事柄です。このほかにも,結婚式の披露宴やホテルでのイベント開催・宿泊など,日常様々なところでキャンセルとキャンセル料が問題になっています。

キャンセル料の意味合いはどんなもの?


 業者側にとっては,突然キャンセルされるとせっかく準備していたもの・空けていた部分が無駄になって損害が出てきます。こうした損害を埋めるものとして,一定の場合を定めて損害賠償の予定(違約金)として定めたものとして,キャンセル料を考えることができます。
 ここでの違約金・予定とは実際の損害とは異なり,例えば,予約日の1週間以内だと代金額の〇%を支払ってもらう,というように,契約書(申込書)・約款などで改めて定めていることが多いかと存じます。実際に,損害がどの程度になるかという証明は実はそう簡単ではありません。そうしたことを防ぎ,決めた金額を損害額として取ることができるように,こうした規定を入れているのが多いかと存じます。

 ちなみに,損害額の証明が簡単ではないというのは次のような話からも言えるでしょう。飲食店で10人くらいの予約客がいたのに数日前にキャンセルされても,他の客で埋められる可能性もあり,そうした可能性もないことで無駄になったという話が相当な確度を持って言えない限り,用意していた食材の金額が損害になるとは簡単には言えないのです。

キャンセル料の設定は自由にできる?


 法律上は,損害賠償額の予定(違約金)は基本的には自由でできるのが原則です。特にいわゆるBtoBではそうで,よほど高額な金額でない限りは異様に高いから損害賠償額の予定(違約金)が無効になるということはありません。こうした話は,少し話がそれますが,例えば,フランチャイズ契約(理美容やエステ・学習塾・飲食店など)で見かけることがあります。そのため,こうしたご商売で契約をする際には,こうした項目をよくチェックしておく必要があります、

 それでは,個人のお客様(個人事業主相手は除きます)を相手にするBtoCでは少し話が異なってきます。ここでは規制が大きくなっています。それは何かといえば,平均的な損害額を超えるキャンセル料を定めていた場合には,超えている部分の定めは無効になるという定めが法律上ある点です。つまり,キャンセル料を約款や申込書で定めていても,平均損害を超えた部分を超えると意味を持たない(一回支払ってもらっても返金に応じないといけなくなる)ところが注意が必要となります。

 それでは,「平均的損害」とは何かというとそうはっきりしたものではありません。一般には,そのサービスでその状況(例えば,結婚式場で1週間以内のキャンセル)で生じる平均的な損害額ということになります。官公庁がモデル約款や契約書を作成している場合には,こうした損害額(統計資料その他を踏まえたもの)は平均的な損害額となる可能性が高くなる半面,感覚的にこうだろうと決めている場合には,実は平均的な損害を超えている可能性があります。

 また,こうした個別のケースでの返金請求や支払い拒否への対応以外に,事業者としては約款自体の無効の確認(厳密には差し止め)を受ける可能性もあります。これは,BtoCに関する法律で,「適格消費者団体」という認定を受けた機関(ちなみに,広島市内にも存在します)はBtoCの取引に関する約款について,先ほどの平均損害額をこえる定めがある場合など一定の場合については,そうした約款の差し止めを請求することができます。
 ちなみに,こうした「適格消費者団体」は官公庁からの認定が必要となりますが,官公庁ではありません。こうした団体は多くは以前に書面で問い合わせや差し止め請求をしてくることになりますが,話がつかない場合には裁判での解決ということになりかねません。約款内容に自信があれば受けて立つという話もありえますが,裁判などでの対応には負担も相当程度ありますから,こうした点も考慮に入れてどう対応するかを決めていく必要があります。

 いずれにしても,キャンセル料は明確にいくらか・どのような場合に生じるのかを明確に定めておくことは必要です。ただ,特にBtoC取引の場合には,単に明確に定めておくだけではなく,後で有効性が争われるということがないように,内容が大丈夫かも確認をしておくのが大事になってきます。


京都・常寂光寺の紅葉
先日(11月上旬)の京都嵐山の常寂光寺の竹林と紅葉です。竹林は、他のお寺の境内でもありますが、先日の台風の影響で修理中のところもありました。こちらは思ったほどの被害はなかったようで、静かなただずまいをじっくりと味わうことができました。

この記事を書いたプロ

片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(勁草法律事務所)

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