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コラム

遺品整理事業でトラブル?防ぐための業者の工夫・利用者の注意点について

2018年9月17日 公開 / 2020年4月5日更新

テーマ:消費者問題

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 遺品整理

 近年,遠く離れた実家の片付けや親族が亡くなった後の物品の整理に「遺品整理業者」の方が活躍をされています。もちろん,大半は問題がなく優れた事業者の方もいらっしゃるところですが,トラブルになるケースも数としては増えています。先日国民生活センターから,トラブルが増えているという報告が出ていました。今回はこの報告に触れつつ,問題なく業務の提供や利用をするにはどうすればいいのかという話を触れていきます。

どのようなことがトラブルに?


 国民生活センターの発表した資料によると,
・何を,どれだけの費用でしてもらうかはっきりしないままに発注をしてしまう
・見積もりの際にせかされて契約したけれども解約したい
・解約を申し出た際に高額なキャンセル料を業者から提示された
・誤って大事な品物も処分されてしまった
というケースが代表的な例とされています。
契約の形も相談を消費生活センターにした方の内訳では,60歳代以上の方が多く(60%近く),訪問販売の形態で契約をしている方が多いとのことです

業者から見た場合のリスクは?


 売り上げを上げるために契約をしていただくことは商売を行う上で極めて重要です。また,根拠のないクレーマーの方の要望に応えてしまうのにも問題があります。
 
 とはいっても,トラブルの発生が続くと
・悪い評判が広がる
・消費生活センター相談員や弁護士との交渉等で手間が生じる
・実際に返金や賠償等の可能性も出てくる
・状況によっては行政や刑罰の制裁の可能性もある
等,商売を行う上で大きな支障が出る可能性も出かねません。

 そのため,トラブルは防ぐに越したことはありませんが,トラブルの原因となる事柄を防ぐ・法令上の問題要因を知ってどこまでリスク要因として許容するか(対策をたてるか)がポイントの一つになってくるように思われます。

トラブルの原因や法令上の問題要因は?


 まず,訪問販売はお客さんに考える暇を与えることなく契約につなげるというメリットは持ちますが,同時によく考えられなかった(場合によってはまくしたてられて契約に持っていかれた)・見積もりや説明がいい加減だったなどとトラブルが起こりやすい販売・営業形態です。

 次に,見積書は,どこまでのことをするのか・作業内容と料金の関係をはっきりさせる・追加作業内容が発生するかどうかを伝えておくことが重要です。見積書を見た場合にはそれですべてやってくれるという理解になりやすく作業内容や料金面が曖昧なままであると,後で契約内容がそもそも何であったのかというトラブルが発生しかねません。
 
 ことにトラブルの発生が60歳代以上の方との間で多く発生しています。よく説明をしておくことで,何を依頼しどの程度の費用なのか・追加作業が出た場合には別料金が出ること等を理解してもらえば,問題は少なくなると思われます。逆にここがはっきりしていないと,勝手に追加料金を取られたなどというトラブルにつながる可能性が出てきます。

 同様のことは大事なものを処分されたというクレームを防ぐ点にも言えます。ここも重要なものがないかどうかの確認を事前に行い,そこを明確にしておく(簡単な了解したという書類で十分でしょう)ことでトラブルとなる可能性は減るかと思われます。誰が見ても重要と思われるお骨や位牌などのほかに顧客にとっての重要なものもありますから,ここの対応の意味合いは大きいでしょう。

 キャンセル料については解約を防ぐためには設定をしたいところです。ただし,曖昧な口頭での合意では,特にキャンセル料の合意がなされているとは言えない場合が多いでしょうから,ここを理由に頂いたお金を返金しないというのは難しいでしょう。仮に定めても高額な金額は法律上無効となる可能性がありますから注意が必要です。
 
 解約の申し入れ自体は,訪問販売の場合であればクーリングオフという形での無条件の解約が一定の日にちまではできます。注意点としては,法律で定められた書類を渡さない限りはいつまでもクーリングオフできるという点です。
 
 また,片付けや整理を代行してもらうという形であれば,中途解約は広くすることが可能です。その際にお金の返金は実際に仕事をした部分を除くということになりますが,どこまでがそこに該当するのかは見積書などできちんと決めていないとはっきりしません。そのこと自体がトラブルになる可能性があります。ここを法律上,ご本人の事務代行と捉えるか仕事を請け負っているのかによって話が変わってくる可能性はあるものの,このようなとらえ方は可能です。

 このほか,亡くなった方の遺産分割協議がすんでいないケースでは,処分について相続人の間で話がついていないと,後で相続トラブルに巻き込まれる可能性が出てきます(勝手に処分をしたという話が出てくるためです)。また,場合によっては亡くなった方以外の所有するものが含まれている場合には,処分をしてしまうと後で所有者から賠償請求を受ける可能性もあります。そのため,これらの点についても顧客の方に確認をとるなど対応をしておく必要があるでしょう。


利用する方の注意点は?


 簡単に言えば,先ほど業者の方の注意点として挙げたことを実践しておくことです。見積もりを取る際には中身を詳しく確認する・追加作業と料金のこと等は確認をしておく・別の方の所有している物があるか,大事なものと処分してもらう物を取り分けておく等の事柄は重要でしょう。
 
 また,業者の選び方については,最近は業界団体で優良事業者の選定を行うなどしているのでそうした点を見てみるということのほか,先ほど挙げた点を実践しての業者の対応をみるのも重要なことです。


 このように,事前の対応をしておくことで問題を相当程度防ぐことができると思われます。


事務所花・紫トルコキキョウ

 久しぶりに事務所の花を活けてみました。紫色のトルコキキョウが緑によく映えています。

この記事を書いたプロ

片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(勁草法律事務所)

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