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片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

「働き方改革」関連法律が成立しました⑴(「同一労働同一賃金」とは?)

労務問題

2018年7月8日 / 2018年9月17日更新

まずはじめに,進行形の所がありますが,この度の豪雨災害で被災された皆様方に改めてお見舞い申し上げます。皆様のご安全を祈念するとともに避難などの現状の対応のほかに今後の復旧などが待ち望まれるところです。

既にニュース報道されているところですが,「働き方改革」に関連する法律が成立しました。途中裁量労働制の拡大が見送られましたが,よく報道されていました「高度プロフェッショナル制度」のほかいくつかの点が改正されています。大企業の事務職によくあてはまるもの・小さな会社でも対応を考えた方がいいものなど様々ありますが,今回は簡単にどのような法律が改正などされたのか,2回に分けて触れていきます。

改正の目的は?


人手不足や働くスタイルの変化などに対応して,多様な働き方を実現し,生産性を向上させる・「非正規」という言葉などをなくす目的などが言われています。ひとくくりには言えませんが,人手不足や様々な働き方に対応していくというものといえるかもしれません。

改正された内容はどんなものでしょうか?


改正された内容は様々あります。以下の通りですが,業種によっては今後数年間変更が猶予されるものなども存在します。
①「同一労働同一賃金」の実現
②長時間勤務の罰則付きの禁止
が法律改正を伴うものです。
このほか
③副業やテレワークを推進するためのモデル就業規則やガイドラインの制定
④若年者や女性・高齢者の雇用促進策
⑤賃金引き上げと生産性向上のための施策を定める
⑥転職や再就職支援
⑦外国人雇用のための人材受け入れ
等の施策が進められています。

このうち,⑦はそのための方針が今年の骨太の方針でも示されていますし,③はガイドラインやモデル就業規則は既に定められていて,雇用類似の働き方(フリーランスなど外注先など)等とともにその規制の在り方が現在検討されています。⑤は下請け企業の取引条件改善などの施策やIoTなどの技術導入支援など様々あります。このうち,いくつかは当事務所の勉強会や別のメルマガで触れていますが,他の項目についてもいずれ触れる予定です。

ここでは法律改正を伴った①と②に回数を分けてもう少し触れます。詳しく知りたい方はご連絡ください。

「同一労働同一賃金」とは?


結論から言うと,今回の改正や別のメルマガで触れました最高裁判所の裁判例にしても「同一労働同一賃金」を保障するものではありません。既に「非正規雇用」という用語は法律上にはなく,簡単に言えば契約期間の定めがあるかどうか・一週間の勤務時間が短いかどうかの区分があるだけです(短いといわゆるパート勤務です)。

これまでも,契約期間の定めがなく勤務時間も短くないことが多いいわゆる「正社員」と全く同等に扱うべき(「均等処遇」といいます)場合が法律上定められていました。ここで問題となるのは,「均衡処遇」というものです。簡単に言えば,釣り合いの取れた扱いにしろということです。

福利厚生の内容や研修を受ける機会を与える・休日の設定や給料や手当などの待遇面を契約期間の定めで違いを設ける場合は,諸事情考慮の上不合理と言えれば違法とするものです。つい最近最高裁判所で判断が出たのもこの点です。一連の改正の流れの中ガイドラインが出されるなどしましたが,この流れを顕著とし,派遣の形で勤務している方にも広げていったというのが簡単な理解です。多くは扱いごとの差を設けた理由が様々なことを考えても不合理といえるかどうかという話ですから,決して同じ仕事であれば必ず同じ扱いを定めたというわけではありません。

次回は,「長時間勤務の上限規制」について触れたいと思います。

白島付近の街路の花

道路沿いで見かけました花です。名前はわかりません。

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2018-09-20
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