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片島由賀

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片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

相続関係の民法改正案について(その2・相続人以外の人の貢献でも寄与に応じた請求が可能に)

相続

2018年4月29日 / 2018年9月17日更新

今回は相続関係の民法改正案のうち、寄与分に関する改正を取り上げます。

「寄与分」とは。主張できるための要件は?


「寄与分」については民法904条の2で、亡くなった相続人の事業を手伝っていたり,療養監護をしていたなどで、遺産の維持や増加に特別の貢献をしていたときに、寄与分として相続のときに考慮するものです。

寄与分は、条文でも「共同相続人」とあるように、あくまでも相続人が特別の貢献をした場合を想定して、しかも扶養義務の範囲を超えて,財産の増大や減少防止に貢献したという事情があることを要求しています。
ですから、息子の妻や孫が亡くなった方の身の回りの世話などをしていた場合には,嫁は亡くなった人の相続人でない(孫は代襲しない限り相続人になりません)ので、遺言で遺贈をするなどしない限りはこれらの人たちの貢献にむくいることができきないことから,負担の不公平が生じてきていました。

民法改正案ではどう変わる?


この度の民法改正案では、「無償」で・亡くなった人の「療養監護その他労務の提供をした」ことで・「相続財産の維持増加に特別の寄与をした・被相続人の親族(相続人や相続放棄者・相続欠格や排除をされた人は除く)は,寄与に応じた金銭の請求ができることになります。

この請求をするには期間の制限があって、相続の開始と相続人を知った時から6か月/相続開始から1年以内に行うことと定められることになっています。
もし、相続人らと話ができなかったり、話がつかない場合には家庭裁判所に寄与に応じたお金の支払い請求を求めることができることになります。寄与として認められるお金には上限があり、遺産額から遺贈金額を引いたのこりの額の範囲内になります。

寄与分が決まると、各相続人は,決まった金額を相続分に応じて負担することになります。なお、相続人である場合には、これまでどおり寄与分で考慮することになります。

この改正案が施行されると、相続人でない親族も亡くなった人の遺産に対する貢献度に応じた評価を求められることになり、その分公平な相続になりうるといえます。ただ、実際のところそもそも遺産の維持増加に特別な貢献をしているか(因果関係)、貢献しているとして同評価するかが難しく、この法改正により、金銭請求しやすくなるとしても、実際貢献が認められるには難しい問題があるといえるでしょう。

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2018-09-16
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